売上が減って、新規開拓の営業しなければと思った町工場が最初につまづくのが「どこに売り込みをすればいい、どんな風に営業先を決めればいいかわからない」の問題。
闇雲に営業しても絶対に成果は出ない、町工場が重要なのは正しい売り込み先に行かなければ、自分たちが望む仕事、利益を確保できる仕事は取れないということ。
何を喋ろう、何を売り込もうの前に誰に売り込むのかを決めるのが新規開拓では重要。
売り込む先を考える前にそもそも町工場の新規開拓の全体像を把握したいという方は以下の記事をご覧ください。

町工場の新規開拓は「営業先選び」が肝心
新たな仕事が欲しいと思って新規開拓を始める町工場、でも全然仕事が取れない、そもそも図面すらもらえない原因は「間違ったメーカーに売り込んでいる」から。
間違った売り込み先にどれだけ営業しても成果は出ない、時間だけ無駄になるので、営業先選びは絶対に間違えてはいけない。
闇雲に売り込んでも成果は出ない
売り込み先を考えずに、闇雲に近くのメーカーに売り込みをかける、思いつきで売り込みをする行為は営業ではない、ただの押しかけであり、成果が出ることはないでしょう。
営業とは「相手の課題を解決する対価として仕事をもらう」ことであり、自分たちの技術で解決できる課題を持っていないメーカーに営業をしても課題解決はできないので、対価として仕事はもらえない。
数打ちゃ当たるの言葉は町工場の営業には通用しない、100社営業するよりも、狙いを定め、自分たちが課題解決に貢献できる一部のメーカーに的確に売り込むことが仕事をもらう秘訣。
購買部の課題解決を考えず、自分たちが仕事をもらうことだけ考える町工場は購買部に心底嫌われる、購買部の課題理解こそ町工場の新規開拓に必要な理由を知りたい方は以下の記事をご覧ください。

自分たちの得意な仕事があるメーカーを狙う
町工場は自分たちが得意、コストメリットを出せる仕事を持つメーカーに売り込まなければいけません、不得意な仕事があるメーカーじゃ、購買部が喜ぶコスト提案ができず、「高い!」と言われておしまいです。
大前提として、町工場の営業では自分たちが得意な仕事、得意な部品を扱っているメーカーに売り込むことをしなければ、意味がない、何も考えずに売り込んで、失敗する原因は得意な仕事がないメーカーに行ってるから。
売り込みにきた町工場を購買部が1発目にあなたの売り込みをどう評価するか、それは「コスト」であり、コストが高ければ帰れ!と言われておしまい、コストこそ購買部が1番評価するポイント。
得意な仕事なら、コストメリットは出しやすいからあなたが有利、でもあなたが不得意な仕事、苦手な仕事しかないメーカーに売り込んだら、あなたはコストメリットが出せない、だから「2度とくるな、帰れ!」で終わるんです。
「営業したい」と思うけど、どんなメーカーにどんな仕事があるのか、どうやってそもそもアプローチすればいいかわからない方は以下の記事で製造業の新規開拓の基礎を解説していますので併せてご覧ください。

大手メーカーから逃げるな!
「どうせ相手にされない」「大手なんかと商売できない」と言い訳をして仕事をたくさん持っている大手メーカーに売り込みをせずに大手メーカーから逃げる町工場はチャンスをドブに捨てている。
どの町工場も営業しないから、大手メーカーに行けば、あまりある仕事を独占できるのに、言い訳して売り込みから逃げる、仲間の町工場の孫請けになろうと「なんかください」の同情で仕事をもらうから破滅するんです。
町工場が1番仕事がもらえる相手は大手メーカー!
町工場が1番仕事を貰える商売相手は大手メーカー、こんなの誰でもわかることなのに、町工場は1番仕事をもらえる相手である大手メーカーに売り込みをしない、大手メーカーから逃げている。
だれも、大手メーカーに売り込まない、なぜ売り込みに行かないのかと聞くと、出てくるのは営業しない言い訳の嵐。
- 町工場は相手にされない
- 大手は小さい会社に見向きもしない
- どうせ無碍に扱われる
上記の3つが経営者の言い訳ですが、仕事が欲しいくせに1番仕事を持っている大手に営業に行かない経営者は「営業する勇気がない」、仕事が欲しいのに1歩が踏み出せずにウジウジしてるだけなんです。
でも考えてみてください、同じ営業をするのに、苦労して営業して、ちょっとしか仕事がない中小メーカーと、山ほど仕事が出てくる大手メーカー、どっちに売り込むのが会社にとってメリットでしょうね。
町工場は商売相手を選ばないと、将来性のないメーカー、業績が右肩下がりのメーカーと付き合い続けると、仕事量はどんどん減り、やがて道連れであなたの工場が先に潰れてしまう現実を解説します。

孫請けに逃げたら利益なし
大手メーカーはおろか、中堅中小メーカーにも売り込みせず、「忙しい」を言い訳にしたり、勇気を出せず事務所でウジウジして、仲間の町工場の下請けを選び、孫請け工場になる道を選んだ瞬間にあなたの工場の未来は潰えます。
メーカーと直接取引せずに、孫請けになる道を選ぶ町工場があまりにも多いですが、令和の時代で孫請けで食べていくことは不可能であり、その理由は孫請けが生きていけるほど仕事量が日本に存在しないから。
孫請けは都合のいい存在、元受けの町工場が忙しくなったら、余った分の仕事が降りてくるけど、元請が忙しくならないと孫請けに要はない、だから暇な時期は孫請けには仕事は降りてこない。
メーカーと直接商売しても利益は十分取れないのに、元請けの更に下の孫ウケなんて雀の涙程度の利益、家族を食べさせていけるかどうか程度の利益でしか受注できない、それが孫請けの使命。
どれだけ仕事をしても儲からない経営環境に危機感を感じてメーカーとの直接取引を選ぶ町工場が爆増している理由と孫請けのまま営業する道を取らなかった町工場の結末を知りたい方は以下の記事をご覧ください。


町工場が売り込み先を決める前にすべきこと
町工場が売り込み先を決める前にすべきことが3つ存在し、それは「売り込む価値を決める」「獲得したい部品を決める」「狙う部品がある業界を決める」で、これをしないで売り込むと時間が無駄になる。
決めるべきことを決めずに営業を開始してもいいですが、多分売り込みはうまく行かない、営業も準備が肝心ですよ。
STEP1:「何でもできます」でなく「売り込む技術」を決める!
「何でもできます」は町工場が営業の場でメーカーにお決まりで使う言葉ですが、この言葉を使った瞬間に商談は終わり、購買部も「またこのパターンね」と呆れ返って、せっかくの商談がチリに消えます。
とにかく購買部に何かもらおうと開口1番で言いますが、この「何でもできます」が購買部を怒らせる、「なんで売り込みに来た相手のためにこっちが仕事を考えないといけないんだ」と。
メーカーは「この工場は何ができるんだ」という疑問が最初に来るのに、「何でもできます」と即答されると、「何ができるの?」「どの図面ができるの?」と疑問が消えない、だから「もうこの町工場はいいや」と見切られる。
町工場は売り込む前に自分たちが相手に提供する価値を明確に決めるべきで「ステンレスの板金備品」「ステンレスの溶接品を提案したい」と具体的に購買部に言えるようにしないと、購買部の知りたいに答えられない。
以下の記事では町工場が商談で購買部に言うとその場で商談終了となる3つの使っちゃいけない言葉と逆に購買部に使えば商談が円滑に進む3つの言葉を解説していますので併せてご覧ください。

STEP2:売り込む技術が使われている「部品」を特定する
売り込む「技術」を決めたら、次は売り込む技術が使われている部品を明確に特定する、売り込む技術が「ステンレス」「溶接」なら、「架台フレーム」、ステンレスの外装品なら「カバー」「ブラケット」など明確に決めるのです。
売り込みをかける際は購買担当に「架台のコストダウンをしたい」「長尺シャフトを提案したい」と具体的に製品名を相手に伝える必要があり、その理由は具体的に製品名を言えば、購買担当が「図面を連想」できるから。
残念ながら日本の購買担当の質は落ちており、設備を見ただけでどんな製品ができるかまで連想できる人は少ない、むしろ町工場側がこの仕事をしたいと言わないと、製品を連想できないレベルまで質が落ちているのも事実。
もう1つが町工場側が「外装カバー」や「架台フレーム」などと製品を特定しないとせっかく図面が出ても全く見当違いの図面だと、見積できない、そもそも苦手なのでコストメリットを出せないと言う悲劇が生まれるから。
中小企業の世界で、言われた仕事だけこなして、仕事を待つだけ、自分たちの得意な技術や製品を作るためにメーカーに売り込みをしない町工場の末路に関して解説していますので併せてご覧ください。

STEP3:売り込む技術を使う部品を「利用してる業界」を探す
町工場が「売り込みたい技術」が使われている「部品」まで特定したら、後はその部品が使われている業界を探すだけで、業界さえ特定できれば、後はその業界に住むメーカーに集中して売り込みをかけるだけです。
魚がいない池で釣りをしても、永遠に魚は釣れないのと同じで、売り込む技術と部品を決めても、その部品(魚)がいない池で釣り(営業)をしてもそもそも、魚(仕事)自体が存在しないので、図面は取れないですよね。
「どの業界にどんな仕事が存在するかは熟練の営業、業界に精通しているプロの営業しかわからないだろう」とまた言い訳しようとするのは許さない、メーカーのホームページの製品一覧を見れば、誰だってわかりますよ。
大手メーカーはホームページに大々的に製品の写真や詳細を記載しているので、製品サイトにアクセスすれば、画像を見ながら、外装カバーあるな、塗装だな、フレームはアングル構成で焼き付け塗装してるはすぐわかる。
ホームページ見てもわからないなら展示会に行って、製品を実際に目で見て、スタッフに質問すればいい、できることはいっぱいあるのに最初からできない、わからないで何もせず逃げる人は営業しないほうがいいです。
「忙しい」を言い訳にして営業しない、仕事がない暇なのに何も行動を起こさない町工場は漏れなく廃業、何もしないでいる言い訳に逃げ続けるとどんな結末が待っているか知りたい方は以下の記事をご覧ください。

町工場が新規開拓で連絡すべき部署
新規開拓する前に決めるべき3つを決めたら、後はメーカーに電話で連絡するだけですが、「どこに連絡すればいい」で悩み方が多いですが、答えはシンプルで基本は購買部に連絡、でも高利益が欲しいなら難易度は上がるが設計部。
決めるべきことを決めたのにメーカーに電話することを躊躇して時間を無駄にするのは愚者のすること、さっさと行動して、失敗したなら改善のPDCAを回すことが重要ですよ。
メーカーに電話で連絡する際に「何を話せばいい」「どんな流れで説明をするのか」「どのように受付を突破するのか」で迷う方に向けて大手メーカーからアポを取るため方法を大公開していますので併せてご覧ください。

新規開拓の基本は購買部で間違いなし!
町工場がメーカーに新規開拓で売り込む場合の連絡先は「購買部」で間違いないので安心してください、メーカーによっては呼び名は「資材部」「調達部」で変わりますが、部品手配をしてるのはこの3つの部署。
難しく考えなくていい、メーカーの代表番号に電話して、「購買部にコストダウンの提案をしたいですが、こちらの番号でよろしいでしょうか」と言うだけでいい、小難しい説明なんて無駄なので、シンプルに。
メーカーによってはホームページに購買部の番号なども書いているケースがあるので、ネットで検索する際に「メーカー名 購買部 番号」と調べると、直通番号をゲットできる場合もあるので、おすすめ。
町工場が新規開拓で最初に連絡すべき相手は「購買部」で、小難しいことを言わない、シンプルに説明だけでいいんです。
もしも受付や購買にどうやって話せばいい、何を説明すればいいかわからない方は以下の記事で板金加工、機械加工に分けて、相手が興味を持ってくれる話題や課題をまとめていますので併せてご覧ください。


高利益が欲しいなら設計部
購買部への連絡が新規開拓の正攻法ですが、利益が欲しい、量産品を狙いたいなら、購買部ではなく、そもそもの新製品の図面設計をしている設計部に設計段階から新たな選択肢を提案する道もあります。
メーカーの仕組みとして購買部は言われたものを買っているだけで、図面の出所は設計部であり、設計が「この図面を購入して欲しい」と自分が書いた図面を購買部に回している。
つまり、外注から購入する制作品の図面を書いている設計部に提案をすれば、設計段階から提案が可能であり、設計部の抱える予算に見合う製品設計を提案することもでき、設計段階から口出しができる。
正直、町工場が作りやすいように設計変更できるのは設計段階であり、購買部におりてきてからじゃ、もう設計変更はできないので、作りやすく利益が残る加工がしたいなら設計部に行くしかない。
ただし、設計部は購買部と話すより難易度が高いので、十分な営業ノウハウが必要なのも事実です。
以下の記事では高利益を狙いたいなら設計担当を狙い撃ちすべき理由と具体的なアプローチ方法を詳細に解説していますので気になる方はぜひチェックしてみてください。

まとめ|町工場は新規開拓は準備で決まる!
町工場が新規開拓を決意したなら事前に「どの技術を売り込む」「どの部品を獲得したい」「部品のある業界を特定する」の3つを決めなければ、新規開拓を成功させることは難しいでしょう。
多くの町工場が営業でうまくいかない原因は「闇雲に営業してる」「思いつきで営業している」のが原因であると、実際に営業している町工場の中身を聞いて思うことです。
準備を疎かにしては営業はうまくいかない、何よりも今まで営業したことがない営業素人の町工場がいきなり闇雲に動いて仕事がとれるほど甘くないのが新規開拓なのです。
ただ、どこに営業すればいいか理解できても、そもそも営業ノウハウがない、営業担当もいないような町工場が大半であり、営業してみたけど、うまくいかない町工場が多いのも事実。
そんな中で苦手な営業そのものを丸投げして、大手メーカーを楽して、次々に開拓する町工場が続出しているのも事実であり、日本各地で楽しながら大手メーカーの開拓に成功している町工場を知りたい方は以下の記事をご覧ください。


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