予定通り、もしくは予期せぬ形で親の町工場を継ぐことになり、自分が工場を経営しなければならないが、いざ社長になると「何から変えればいいのか分からない」「反対勢力が多い」の悩みを持つ後継者は少なくありません。
- 売上の大半が1社の取引先に依存
- 依存先の売上がどんどん減っている
- 新規営業をしたことがない
- 紙やExcelで杜撰な管理
- ベテラン社員しか分からない仕事が多い
- 若手が採用できない
- 現場が年配者ばかり
- 社長が全部見ないと工場が回らない
後継者が最初にやるべきなのは、工場からリスクを排除すること、工場が潰れてしまう要因になる問題を排除することであり、トラブルの種を排除できずにいると工場は簡単に傾いてしまいます。
この記事では、町工場を継いだ後継者が最初の1年間で何を確認し、どの順番で会社を変えていけばいいのかを解説します。
今すぐに、具体的な町工場の新規開拓の方法について全体像を知りたい方はこちらを先にご覧ください。


町工場の後継者が最初にやってはいけないこと
外の世界を知る後継者が町工場を見ると「なんて、非効率なんだ」「無駄が多すぎる」と思うかもしれませんが、いきなり今までのやり方を否定して、いきなり変えようとすると、大失敗に終わります。
ここでは後継者がいきなり最初にやってはいけないことを解説します。
先代のやり方をいきなり全部変える
残念ながら大半の町工場は昭和のまま、古臭いやり方を誰も否定せず、おかしいとも思わずに令和まで来ているので後継者からすると無駄の塊かもしれませんが、歴史と積み重ねを全否定すると社員全員を敵に回します。
後継者が町工場を見ると必ず思うこと、それは「無駄が多すぎる」「時代遅れすぎる」という問題であり、これはほとんどの町工場が昭和のやり方のままで令和まで来ている、誰もおかしいと思わないヤバい状態だから。
どの後継者も「時代遅れのやり方ではまずい」と危機感を持ちますが、いきなり今までのやり方を全否定して、これまでのやり方をいきなり変えようとしてはいけません、その理由は社員全員を敵に回すから。
変化が嫌い、誰も今までのやり方を変えたくないから、町工場は時代遅れのやり方で生き続けている、古臭くて誰も変えたくないやり方をあなたが変えようものなら、後継者は社員全員と戦うことになります。
以下の記事では町工場には必ず変化が大嫌い、後継者の変化を否定して邪魔をする、後継者を苦しめる老害幹部が存在し、この老害が町工場を蝕む癌である点を解説していますので併せてご覧ください。

システムをいきなり導入する
非効率や無駄を排除しようとして、システムを導入するのは愚の骨頂であり、システム会社の口車で無駄な機能ばかりの誰も使わないシステムにお金を払い、大切な資金をドブに捨てるだけになります。
町工場にシステムを入れて、生産性や効率が上がるというのは真っ赤な嘘、町工場の問題はシステムを入れて解決するほど簡単な問題ではない、問題の根源は町工場で働く人間にあり、高額なシステムを導入して解決するわけではない。
やれ、DX、AI、ERPなどシステム会社がどうでもいいシステムを売り込んできますが、システムを導入しても、町工場の人間は誰もシステムを使えない、そもそもシステムを導入したところで、売上は増えませんよ。
後継者が1人で工場を変えようとする
後継者が1番気を使わないといけないのは「古参社員との関係性」であり、この古参社員との関係性を見誤ると、後継者VS古参社員の構図になり、あなたの行動全てに難癖をつけられて、苦しむ羽目になります。
どれだけ非効率、無駄な仕事をしてる姿、工場を見ても、「こいつらはダメだ」と社員を見限って、自分1人で全てを変えようとしてはなりません、後継者が1人で工場を変えるのは不可能であり、ダメな社員でも活用しないといけない。
特に、古参社員は必ず味方にしないといけない、敵に回すと、あなたが工場のためを思って行う行動であっても全て邪魔をしてくるし、全てに口を出してくるので後継者のメンタルが壊れます。
製造業はどうしても現場社員の力を借りないと、工場が回らないので、後継者はどんなにスピードが遅くイライラしても、社員を少しずつ味方にして、変化を起こさないといけない忍耐が必要なのです。
以下の記事では町工場の経営において一生懸命な後継者ほど体を壊す、1人で抱え込むとロクなことにならない、自滅することになる注意を解説していますので併せてご覧ください。

工場の「現在地」を数字で把握する
後継者が町工場を継いで最初にすべきこと、それは「工場に潜むリスクを潰すこと」であり、まずは数字を基に工場の現在地を知ることが重要です。
町工場は「なんとなく」で経営をしているため、数字出してと言ってもすぐに出てこない、誰も把握してないケースがほとんどなので、根気よく数字を把握することに注力すべきです。
売上を得意先別で一覧化する
まず確認すべきは町工場の生命線である売上で、どのメーカーからどのくらい売上が上がっているのかを把握するのはもちろんですが、注意すべきは売上の半分以上が1社に集中する、1社依存になっていないかの点です。
時系列は3ヶ月程度でいいので、1ヶ月の売上の割合を客先別で並べてみる、どのメーカーからどのくらいの割合で仕事を受けているかが見える。
ここで1番見るべきは顧客ごとの売上の割合であり、もしも1ヶ月売上の大半が1社のメーカーから得ている状態であるならば、それは残念ながら、あなたの町工場は1社依存状態であり、危険な爆弾を有していると捉えるべき。
そしてもしも売上の大半を占める、1社依存先のメーカーからの仕事、売上が徐々に減っているのであれば今すぐに行動をはじめないと工場が潰れてしまう警告サインなのです。
以下の記事では1社依存がなぜ町工場にとって危険なのか、1社依存先の仕事が止まった場合、町工場は窮地に陥る、どうやって1社依存を解決するのかまで解説していますので併せてご覧ください。

製品ごとの利益率を見る
残念ながら町工場にはどんぶり勘定があまりにも多く存在し、先代社長が安請け合いや記録のないやり取りで受注しても利益ない、最悪の場合は赤字は増えるような仕事、値上げを一切してない負の遺産が多数存在します。
後継者が絶望するかもしれませんが、町工場には「納品しても全く利益でない」「下手したら受注するほど赤字」の製品が山ほど出てくる場合があるので絶対に製品ごとの利益率を把握しないといけません。
先代社長や担当者が「言いにくい値上げ」を放置しているケースが非常に多く、全ての物価が上がっている中で1度も値上げせずに平成から令和まで利益を得られずに仕事をしていることだってあるのです。
適正な利益を得られない町工場は淘汰される、あなたが値上げをしないとメーカーの奴隷として永遠に利益を吸われ続けることになるので今すぐに営業すべき理由を解説していますので以下の記事をご覧ください。

社長依存の仕事を洗い出せ
町工場の1番の問題は「社長がいないと工場が回らない」という社長依存体質であり、社長しかできない仕事が多いほど、変化を起こすための行動ができない足枷になるので、1番最初に社長依存の仕事を把握すべきです。
- 見積対応
- 既存顧客対応
- 問い合わせ対応
- 材料手配
- 納期対応
- 経理対応
- 資金繰り
- 社内の人間関係
上記は町工場の経営者が漏れなく1人で抱えている仕事の代表的なものであり、残念ながら上記を抱えている状態では工場を変えるための変化の行動を起こすことは不可能でいつまでも工場は変われない負の連鎖です。
「社長がいなければ止まる工場」でいる限り、社長が外に出れないので町工場が現状を変えることはできない、だからこそ、後継者は社長依存の仕事を明確に把握して、自分以外の人間ができるような仕組みを考える必要がある。
以下の記事では、社長がやらなくても社員で仕事が回る仕組みを作ることができない町工場はいつまでも社長が事務所と工場に缶詰で変化を起こせずに衰退する未来に関して解説します。

後継者が最優先で「1社依存」を解決せよ!
先代から長年続く、取引先からの売上が50%以上である「1社依存経営」は極めて危険な状態であり、早く1社依存から抜け出さないとキケン、仕事量の減少が始まったら手遅れで、あなたの工場に将来は真っ暗です。
ここでは後継者が最優先で1社依存問題を解決すべき理由を解説します。
長年続く取引先の仕事が止まる
創業時、先代社長の時代から商売をしてる取引先は会社にとって重要な相手かと思いますが、この今までの売り上げを支えてくれた顧客が生産量を維持できなくなった、子会社を作った瞬間に仕事が止まり、売上が消えます。
昭和の時代はどのメーカーも右肩上がりの成長で生産量がどんどん増える、売上も右肩上がりでしたが、令和の時代は右肩下がりで生産量が次々に減る不況の時代なので、今後メーカーはどんどんサプライヤーへの発注量が減る。
あなたの工場が1社のメーカーからの売上が50%、60%あるいは1社の売上が90%を超えているとして、ある日突然メーカーが生産量を落とす、子会社に生産させると意思決定したら、あなたの売上が全部消えます。
右肩上がりで成長して、生産量が増える昭和の時代は1社依存でも良かった、でも、メーカーが作っても売れない、どんどん生産量が減る令和の時代はメーカーも生き残るために変化を起こす、その1つが内製化。
メーカーの意思決定1つで1社依存の町工場は仕事の全て、売上の全てを失うことになる、1社依存は大きな経営リスクなのです。
以下の記事では町工場が1社依存でいる危険性を解説していますので、1社依存経営をする町工場の方は絶対にご覧ください。

「昔からの関係」は何の意味もない
「長年付き合っているから大丈夫」「メーカーが守ってくれる」と夢物語を語る方は本当に目を覚ましてください、メーカーは自分が1番かわいい、ヤバくなったら昔からの取引先も平気で首を切ります。
メーカーの相次ぐ不調、ホンダの上場発の赤字決算、日産の2期連続の赤字など日本産業の根幹を支える自動車業界でも製品が全く売れない大不況の時代、もう日本メーカーは右肩下がりの衰退期であることは間違いない。
- 海外調達の加速
- 内製化によるコスト圧縮
- 購買先の集約
国内メーカーはもちろん海外メーカーとの価格競争でメーカーは更に安く作れないと売れないため、今までの調達を抜本的に見直して、更なるコスト低減を図る動きを進めており、この意思決定1つで町工場から仕事が消える。
もう1つは今まで長年ずっとお世話になっていた、「購買担当者が引退」も町工場の命運が変わる瞬間で、後任がコストしか見ない人間で、今まで流れていた仕事を見直すと決めたら、その瞬間にあなたの仕事が消える。
「昔からの付き合い」で仕事が守れると思うのはとんでもない勘違い、今まで通り何もしないでも仕事がもらえると思う町工場は本当に痛い目を見ますよ。
以下の記事では時代遅れの昭和経営を続けて、「昔からの関係」「長年の取引」にあぐらを書く町工場は時限爆弾を抱えた綱渡り操業で苦しむ羽目になる点を解説していますので併せてご覧ください。

既存顧客を守りながら、新たな売上の柱を作る
後継者がすべき新たな変化は「既存顧客の仕事に依存しない」形であり、具体的に新規顧客を見つけて、新たな売上の柱を作り出し、既存顧客の仕事が落ち込んでも、メーカーの道連れにならない安定経営を実現することです。
1社依存を脱する方法はシンプルで、新たな売上の柱となる顧客を見つける、要は営業して売り込んで新たな仕事を貰えばいい。
町工場は口を開けて仕事が来るのを待つだけの「待ち工場」でいる時間が長すぎて営業する能力が欠落した組織ですが、将来において町工場が生き残るためには「新たな売上の柱」が不可欠です。
いずれ、既存顧客の売上、今まで工場を支えていた柱は崩れ去ります、これは時間の問題で、ヤバくなる前に営業を始めないと、手遅れになるので、本気で「1社依存からの脱却」は考えなければならない優先事項になります。。
以下の記事では売上を安定させたい、新たな売上の柱を作りたい町工場が「1社依存を卒業」するためにすべきことを詳細に解説していますので併せてご覧ください。

営業しなくても町工場に仕事が来る時代は終焉
町工場は営業をせずにただ、事務所で待っていれば仕事が来る時代はもう終わりました、口を開けて仕事が来るのを待つだけの「待ち工場」は順番に淘汰される時代になっています。
行動を起こさず、仕事を自分で勝ち取ろうとしない町工場が潰れてしまう理由と後継者が仕事を取るためにすべきことを解説します。
紹介で仕事をもらう姿勢から卒業する
昭和の時代は何もせずとも既存顧客からのツテや商社からの受注、紹介で仕事が受注をすることはできましたが、令和の時代では「紹介で仕事をもらう姿勢」で町工場が生き残るのは不可能です。
全国どの町工場も仕事が薄く経営が苦しい時代、自分の工場が仕事がないのに、目の前にある仕事を他の工場に紹介するような経営者は存在しません、どの町工場も自分が食べていくので精一杯、だから紹介なんて頼りにしちゃだめ。
誰も紹介してくれないのに、仕事が来るのを神頼みで待つ町工場は時間と共に仕事がなくなり、潰れるだけ、そして商社を当てにすると利益だけ持ってかれて儲からない、無理難題な仕事で疲弊するだけなので、絶対に頼っちゃダメ。

紹介を当てにした町工場の経営者に待っているのは苦しい茨の道、自分の力で自分の行動で仕事を取る姿勢に変わらないと町工場があっという間に仕事を失い、潰れる理由に関して詳細は以下をご覧ください。

後継者は自分の顧客を作るべき
町工場の後継者は先代から引き継いだ顧客と商売を続けるだけでなく、自分の代で「自分と商売をしてくれるメーカー」を見つけなければならない、自分の代の顧客こそ最優先で創造すべきものなのです。
先代が商売をしていたメーカーは「先代との関係性」は十分あるが、後継者との関係性は皆無、「先代に助けてもらった」「苦労を共にした」の話はするけど、後継者との絆はないので、不要になったらいつでも首を切られる。
また、先代と若い頃に付き合っていた担当者は漏れなく先代と同じように歳をとった年配の担当、いずれ引退する人なので、後継者はいなくなる存在に目を向けるのでなく、新たな顧客と苦楽を共にして絆を作るべき。
「先代と」ではなく「後継者であるあなたと商売がしたい」と望んでくれるメーカーを何社増やすかで、あなたの町工場の未来が明るく、安定した経営に繋がる、後継者は自分の代の顧客が重要な要素になります。
後継者が先代や会長の顧客ではなく、自分の代の新たな顧客を作るべき、作らないといけない理由は以下の記事で詳細に解説していますので併せてご覧ください。

また、もしも本気で後継者が自分の代の顧客を作りたいと思う、仕事を待つ工場を辞めたいと願うなら、町工場が新規顧客を開拓する方法をまとめた記事をご覧ください。

「営業担当がいないから営業できない」は言い訳
営業したいけど「営業担当がいないから。。。」と営業担当が社内にいないせいにして、営業しない道を選ぶ後継者は言い訳をして営業から逃げているだけで、町工場において営業の役目を担うのは後継者である、あなたですよ。
「営業していない町工場の経営者や後継者」は営業担当がいないから、営業できる人間がいないことを営業しない言い訳にしていますが、そもそも論で営業できる人間がいる町工場はほとんど存在しない。
ただでさえ人手不足、現場も人が足りてないのに、新規開拓のような気合い、根性がいる仕事ができる人間は町工場には来ない、町工場は営業をサボってきたので、営業ノウハウを有する人も社内にいないはず、
町工場で営業しないといけないのは経営者もしくは後継者であり、新規開拓の仕事は従業員ではできない仕事、むしろ「経営者が1番やらないといけない仕事は営業」とも言えるのです。
以下の記事では仕事がなくて暇なのに、いつまでも「営業担当がいない」の言い訳をして営業から逃げ続けると工場はあっという間に廃業に陥る点を解説します。

後継者は「社長がいないと回らない工場」から脱却する
町工場において、「後継者が朝から晩まで事務所や工場に篭らないと会社が回らない状態」では何も変化を起こせずに時間が過ぎていくだけ、町工場は今までのやり方から脱却しないと生き残れない、後継者は外に出ないといけない。
いつまでも後継者が工場を回すような経営をしていては本当にやるべきことに注力できず、工場が傾くのを見て過ごすことになるので、早期に後継者がいなくても回る仕組みを創造すべき理由を解説します。
社長がいないと回らないは最低の経営
朝から晩までずっと社長が事務所や現場に缶詰で、一切外に出れない、ずっと目の前の仕事をこなすことで精一杯で気づいたら1度も新しいことをせずに、1日が終わってるは現状維持どころか、1歩ずつ廃業に近づいている証拠です。
朝から「現場→電話→材料会社と打ち合わせ→現場の質問対応→顧客対応→トラブル対応→現場で機械を回す」の繰り返しで1度も会社の外に出れない、経営者が多いですが、経営者が外に出れないと工場に新たな変化が起こせない。
外部からの問い合わせが入った時、従業員は口を揃えて「社長しかわかりません」「社長から折り返しさせます」の言葉を発する会社は漏れなく、社長がいないと回らない会社で、いつまで経っても社長は事務所から出れない。
事務所の外にしかチャンスがないのに、ずっと社長が事務所にいたら、そりゃ会社が変わるのは不可能ですよね。
「社長しか見積できない」が死活問題
メーカーからの見積依頼に対して社長しか見積ができない町工場が極めて多いですが、正直に見積回答が1番社長の足枷になる仕事で、対応すれば時間を食われ、後回しにすると売上と信頼を失う、見積業務が町工場を苦しめる。
後継者が会社の外に出て新たなチャレンジをしようとする、出かけようとしたら、メーカーから見積依頼が届く、電話で急ぎで回答して欲しいと頼まれると、後継者は外出をやめて見積回答をする羽目になる。
どうせ相見積されると分かっていても、山のように届く見積依頼を1つずつ回答したら、外に出る時間はなく、1日が終わる、仮に後回しにするとメーカーから「まだ?」と催促が届き、回答が遅いと機嫌を損ねる。
メーカーの購買担当の機嫌を損ねて、仕事が来なくなるのが怖いから見積対応を優先すると、いつまで経っても外出できなくなり、工場がどんどん衰退していく、社長しか見積できないは新たな挑戦をする時間すら奪うんです。
以下の記事では「営業しなきゃな」と危機感だけで行動を起こさない町工場は、時間と共に失われる売り上げに悩まされ続け、夜も寝れないほど苦しめられてしまう現実に関して解説しますので併せてご覧ください。

町工場の後継者は「仕組みづくり」が重要!
町工場の経営者が工場を本気で変革したいと思う、新たな変化を起こしたいのなら「仕組みづくり」に注力して、社長である自分自身が対応しなくても従業員で対応できる仕組みを作らなければならないのです。
日常で後継者である自分自身が行っている業務で、自分がやらなくていい業務は全て仕組みにして、自分が対応しなくていい環境を作る、そうすれば工場の外に出て、新たな挑戦をする時間を創出することができる。
仕組み化のポイントは「経験がなくても誰でもできる状態」であり、マニュアルを用意して、素人でもマニュアルを見れば対応方法が全て載っている、社長に聞かなくてもわかる環境にすれば、社長が会社にいなくていい。
後継者が外に出る時間が欲しい、営業する時間が欲しいなら、仕組みを最初に作り上げてしまえばいい、そうすればあなたが外出しても、工場が滞りなく動いて、あなたは自由に動くことができます。
以下の記事では後継者が仕組み作りを疎かにすると、いつまでも事務所から出れず、外で挑戦なんて1つもできない、今日の飯のために四六時中、働くような人生になってしまう点を解説していますので併せてご覧ください。

デジタル化は町工場に必須である!
デジタル化を疎かにする町工場は社内の業務効率が悪いだけでなく、顧客であるメーカーにも手配の度に鬱陶しい業務を求めることになるので必然的に嫌われて、真っ先に転注サプライヤーリストに加えられるリスクがあります。
いつまでも昭和のやり方をすると時代遅れになり、メーカーにも見放されることになるので、デジタル化は本気で考えるべきです。
紙・FAXは町工場にとって悪である
紙でしか管理してる、未だにFAXで注文を受けているは時代遅れの町工場認定であり、今すぐに業務のデジタル化を考えないと、時代に取り残されて、生き残ることは不可能です。
町工場における紙管理は百害あって一利なし、例えば図面管理1つでも、山ほどある図面をバインダーに挟んで保管していると、昔の図面で手配依頼が来たら、図面を探すだけでどれだけの時間を無駄にすることか。
材料会社や協力会社に手配を依頼する時にいちいち紙で手書きで依頼してたら、記入作業でどれだけの時間を無駄にするのか、手書きで紙で依頼するなんて時代遅れも甚だしい。
そして、最悪なのがFAXであり、これだけデジタル化が進んだ世の中で、未だにFAXでしか連絡が取れない町工場が存在し、購買担当はメールで済むものをいちいちFAXで送信しており、嫌気がさしている。
あなたが購買担当でFAXでやり取りする必要のあるサプライヤーをどう思いますか?いくら値段が安くてもFAXで毎回送る面倒で見えない人件費を考えたら、真っ先に商売したくない相手だと思うのではないでしょうか。
以下の記事ではいつまでの昭和のやり方から脱却せず、デジタル化をしない町工場はメーカーに嫌われて仕事を引き上げられる末路に関して解説しますので併せてご覧ください。

高額なシステムは町工場に無意味である
デジタル化を果たそうとして、高額なシステムを導入するのはお金の無駄なので、絶対にしてはいけません、町工場のデジタル化は小さく、最小限で始めるのが鉄則だからです。
システムを購入するのは確かに手っ取り早くデジタル化できる方法ですが、町工場に高額なシステムは何の意味もない、その理由は町工場の業務量に対して大袈裟なシステムは誰も使わない、無駄な機能ばかりで不要だから。
それに町工場の現場はとにかくシステムを嫌う、めんどくさい、なんでそんな入力しないといけないと、使いづらいシステムを入れたら、高いお金を払っても誰も使わない、埃をかぶるパソコンが町工場によくあるのがその証拠。
町工場に必要なのは最小限のシステム、小さいシステムであり、まずは使ってみて、現場の意見を聞いて、更に変更して、徐々に現場に合わせていくような小さいシステム、現場に合わせられるシステムでないといけない。
後継者は「人材」の問題を避けては通れない
人手不足が深刻だけど、いい人材は大手の高い給料に根こそぎ持っていかれる、求人を出しても来るのは齢人材だけで、現場の職人は高齢で病気持ち、町工場は「人材」の問題は極めて深刻な問題なのです。
後継者は「人材問題」に向き合って未来の現場を支える職人を獲得しないと、仕事はあるのにモノが製造できないなんて結末を迎えることになります。
ベテランの「あの職人しかできない仕事」は苦悩の種
1つでも「あの人にしかできない仕事」を放置してしまうと、職人がワガママを言いたい放題、自分の機嫌で好きなように現場で振る舞うような環境が出来上がり、あなたの悩みの種として常に苦しめられる羽目になります。
後継者を苦しめる原因の1つが「技術やノウハウを隠す職人」であり、自分の仕事を他の人に共有することをせず、自分の立場を守るために、自分しかできないように技術をひた隠す職人が存在します。
自分の思い通りにいかないと、「もうやらない」「お前がやればいい」と自分しかできない仕事を盾にして、好き放題暴れ回る、「あの人にしかできない仕事」が1つでもあると後継者は常に苦しめられる。
横柄な態度を取らなかったとしても、病気や事故で現場に立てなくなると、その仕事をメーカーから受注することができなくなる、最悪の場合受注分すらこなせない事態になるとメーカーは激怒してあなたの会社の仕事を止めることも。
後継者は「社長以外の誰でも仕組み」しかり現場でも誰でも生産ができる仕組み、標準化を行わないと、いきなり生産不可になりましたなんて大問題に直面する可能性もあるんです。
若手が魅力を感じる情報発信をしているか
新たな仕事を獲得する新規開拓と同様に人材採用も会社を求職者に売り込む必要があり、そのためには会社のホームページしかりSNSで魅力を感じてもらえる発信をすることが重要です。
営業と採用は似ている部分があり、口を開けて待っていても仕事が取れないのと同じで採用もただ求人を出すだけで応募を待つだけの町工場には求めている人材は一切、応募してこないという現実です。
令和の時代に若者が求めることは全く新たな価値であり、昭和通りのやり方を突き進む町工場は若者に毛嫌いされるだけで、応募なんて皆無、若者が何を求めているのかを把握して町工場が変わらなければならない。
積極的に人材を募集したいなら営業と同じで売り込みをしなければならない、今は誰でも無料で世界に発信できるSNSがあるのなら、活用すればいい、お金をかけなくてもすぐに行動できる選択肢はいくらでもありますよ。
「人が辞めない会社」を作らないと採用しても無駄
採用することがゴールになっている町工場があまりにも多く、苦労して時間と労力をかけて採用した人材がわずか1ヶ月で辞めましたなんて事態になったら、本末転倒、全てが無駄になります。
「穴が空いたバケツにいくら水を入れても無駄」のようにどれだけ採用に積極的に取り組んでも、受け入れる職場があまりにも酷い環境ではいくら人を入れてもすぐに辞めてしまう。
人を採用することしか考えず、人が定着する、人が辞めない仕組みを疎かにする町工場が多い、だから人を入れてもすぐに辞めて、いつまでも人材不足が消えない。
町工場は人を雇うでなく、人が定着した初めて採用のゴールとなるのであり、受け入れる側の仕組み、入社した人材が気持ちよく不安なく働ける環境を作らないと、採用活動はやっても無駄なんです。
後継者は「売上」ではなく「利益」を見る
商売は利益が残ってナンボです、昔からの口約束のどんぶり勘定の商売で後継者が苦しむシーンはよく見ますが、会社を継いだ以上、後継者は儲けるために値上げをしないといけない、利益を残すために戦う必要がある。
利益を得るために行動しないと、身を粉にして働いても、月末の支払いが終わると何も会社にお金が残らない、今日の飯を食べるために人生を無駄にすることになるので、利益確保に心血を注がねばなりません。
儲からない仕事は全て把握しろ
先代が残した「納品しても儲からない仕事」は負の遺産であり、後継者は社内にどれだけ儲からない仕事があるかを把握し、仕事を辞めるなり、値上げをする形ですぐに儲からない仕事を排除しなければなりません。
昔の購買担当者と口約束で儲からない値付けをしている、「他の仕事を取るために安くした」などよくわからない理由で赤字なのに毎月生産している仕事など町工場には利益が出ない仕事が多数存在する。
町工場の限られたリソースは利益を生む仕事に回さないとどれだけ働いても会社は利益を出せない、汗水垂らして働いたのに、月末で締めたら赤字でしたなんて何の意味もない。
儲からない仕事は後継者は徹底的に炙り出せ、メーカーにも交渉し、利益が出ない仕事なら辞めてしまえ、あなた以外の工場で安い値段でできないはずだから、「辞める」と言えば値上げも通りやすい。
以下の記事ではいつまでも儲からない仕事をし続けて、利益が薄い町工場は従業員の賃上げができず、現場の職人が他の給料のいい工場に移って、生産が止まる、仕事あるのに工場衰退の未来に関して解説します。

「昔からの価格」は根絶せよ!
町工場は「値上げ交渉」がとにかく苦手、全てが値上がりしているのに、メーカーの機嫌を損ねたくない、値上げ資料を作るのがめんどくさいで、いつまでも値上げを言い出せずにいる、「昔からの価格」は後継者が根絶すべき対象。
後継者が製品ごとの利益を調査すると、「なんでこの価格なの?」と疑問を持つ低価格が炙り出される、当時の担当者や社長に聞いても「わからない」の1点張りで、メーカーに聞いても当時の担当が決めたとあやふやにされる。
メーカーは町工場側が声を上げないと、価格改定なんて絶対にしない、黙っていれば安く仕入れられるから、メーカー側から「この価格おかしいんで値上げしましょう」なんてありえない。
「昔からの価格」で押し通されて、いつまでも町工場が利益を失っていたら、会社は衰退するしかない、根拠のない「昔からの価格」が目についたら、すぐにメーカーに値上げ交渉に向かわなければなりません。
以下の記事では極めて技術力のある腕のいい町工場ほどメーカーと交渉ができず、商社に騙されて、メーカーと直接商売すれば、高い利益を確保できるのに、安い値段で買い叩かれる事実に関して解説しますので併せてご覧ください。

先代の会社から「自分の会社」へ変えていく
後継者は会社を継いだからには「先代のやり方」に固執する必要はなく、時代に即した形で自分の会社、自分の工場へと変化させればいいのであり、先代と同じことを続けるではなく新たなチャレンジをすればいいのです。
ここでは町工場を継いだ後継者がどのように変革をしていくのか、その考え方を解説します。
先代を否定する必要はない
あなたが後継者として継いだ会社は先代のおかげであり、先代の経営方針が間違っていなかったから、令和まで生き残ることができた、だから先代のやり方を否定する必要はなく、全てを変える必要はないのです。
昭和、平成と時代で求められてきたものをメーカーに提供し続けてきたから生き残れたのであり、今の時代から見ると時代遅れで古臭いかもしれない会社の文化も当時は間違っていなかったのかもしれません。
新型コロナやリーマンショックの大不況を乗り越え、令和まで生き残れたこれまでの工場の良いところはそのまま踏襲し、逆に令和に必要な新たな変化は後継者であるあなたが取り入れればいいのです。
全てを変えるではなく、足りないものを後継者であるあなたが補う、これが町工場の後継者に求められる要素です。
以下の記事では後継者が先代のやり方を踏襲するだけで、新しいことをせず、変化も起こさずに過ごすと家族経営の町工場はあっという間に業績不振で傾いてしまう点に関して解説します。

「残すもの」と「変えるもの」を決める
後継者が町工場を継いで行うべきは「これからも残すもの」と「これから新しく変えるもの」を明確に決めることであり、新旧を織り交ぜることであなたの後継者としての経営を作り出すのです。
- ものづくりの技術
- ものづくりの品質
- 既存顧客との関係性
- 職人のプライド
上記は後継者が残していかなければ行かない、職人の高齢化や引退が起きても消えないように守らないといけないものであり、守るために新たな仕組みを用意しなければならない、逆に何もしないと失われていく要素です。
- 1社依存体質
- 営業できない組織
- 属人化
- 紙中心の業務
- 薄利体質
- 人材採用
上記は後継者が今後の時代に合わせて新たに取り入れなければいけない要素であり、全ての町工場に必要な要素、特に1社依存体質、営業できない、薄利体質を改善しないと、工場の存続が危ぶまれる。
以下の記事では町工場の経営者は仕事がなくなった後など、ヤバくなってから焦って動き出すケースがほとんどですが、残念ながらヤバくなってから動き出しても手遅れである点を解説していますので合わせてご覧ください。

先代と同じことするのが嫌ならチャレンジしよう!
後継者の中には「今の製造業が好きじゃない」「先代と同じことしないといけないのか」と悩む方が多いですが、先代と同じことをしたら工場が生き残れるわけじゃない、違和感があるなら新しいチャレンジをすればいいのです。
今までと同じことをし続けても、存続できる時代ではない、世の中は目まぐるしいほど変化しており、町工場も変化に合わせて動かないと、仕事が減少し続けるだけで、いずれ潰れる。
町工場における新しいチャレンジとは、新たな業界で今までやったことがない仕事をすること、今までと全く違う図面、要求品質、利益率は同じことをしたくない後継者にとって、刺激のある世界。
もう売上の天井が見えている既存メーカーに行っても仕事は来ない、だったら新たなチャレンジとして新たな顧客、新たな業界との商売を行う、大きなチャレンジを視野に入れてみるのも1つ。
以下の記事では売上の90%が長年付き合う取引先に依存していた状態に危機感を感じ、全く異なる業界と取引する新しいチャレンジに取り組みわずか1ヶ月で成功させた事例を解説していますので合わせてご覧ください。

町工場の後継者が最初の1年ですべきこと
町工場の後継者は会社に入ると、改善すべき点、変えなければならない業務が山積みで何から手をつければ、目の前の業務をこなすことで精一杯で、道に迷うこともあるでしょう、ここでは1年の改善ロードマップをまとめます。
1ヶ月〜3ヶ月 会社の現在地を知る
後継者が会社に入ってすぐに変革に動き出してはなりません、まずは現状把握、自分のつぐ会社の現在位置を把握して、行動するために必要な情報を揃えましょう。
会社に入ると同時に変革を起こすと、そりゃもうベテラン社員に反感を買うこと間違いなしなので、まずは大人しく違和感を覚える業務があっても現在地を知ることに努めましょう。
- 売上構成
- 利益率
- 顧客との関係性
- 社員の状況
いきなり行動は厳禁、まずは実態を把握して、次のフェーズで行動するための情報収集を行うべき。
4ヶ月〜6ヶ月 経営リスクを減らす
最初の3ヶ月の情報収集で自分の工場の状態を把握できたことで、解決すべき課題の優先づけができるはず、後継者である自分しかできない課題解決に標準をつけて、経営リスクを排除しましょう
- 1社依存
- 社長依存
- 現場の属人化
町工場の課題は大きく「売上、業務の仕組み、人材問題」の3つに集約されますが、工場によってどの問題が優先度が高いかは様々ですが、「社長依存で身動きができない」が変化を起こすことができないので最も排除すべきリスク。
「二兎追うものは一兎も得ず」の言葉の通り、全部を一気にやると中途半端になり、「やっぱりダメ」と批判を受けるので、社員の批判を黙らせる方法は1つ、結果を出すことなので、1つに絞り、結果を出すことに集中するのです。
7ヶ月〜9ヶ月 後継者がいなくても仕事が回る仕組みを作る
いよいよ、情報収集、優先順位をつけた課題に対して明確な行動を取るフェーズになりますが、後継者は自分がやらないといけない仕事を抱えたままでは変革に移行できない、自分がやらなくても会社が回る仕組みを用意するのです。
「後継者が仕事ほったらかして勝手なことしてる」この言葉は後継者が仕組みを作ることをせずに、自分の仕事を放置して、新たな変革のための行動を取ると、古参社員がこぞって文句を漏らす際に使う言葉です。
会社のためを思って後継者は必死に仕事をしても、古参社員は「遊んでる」「好き勝手する」と社内だけでなく社外にも言いふらす、絶対に後継者は古参社員が文句を言えないように、自分がいなくても回る仕組みを用意すべきです。
10ヶ月~12ヶ月 新たな売上を作り出す
会社を知り、リスクを排除し、仕組みを作ったことで後継者が自由に動ける環境ができたはずなので、いよいよ既存顧客に依存しない、新たな売上の柱を作る行動に出るのです。
シンプルに会社経営は売上があれば、なんとでもなる、逆に売上が減るとどうしようもない状態に陥るので、町工場は売上の柱がたくさんあるに越したことはない、だから1社依存でなく売上を複数のメーカーに分散するべき。
いきなり営業しても、今まで営業したことがない未経験の後継者がすぐに成果を出すのは難しいかもしれませんが、自分で製造業の営業の現場に立って、自分でできるか、自分じゃ開拓できないと実感するもの極めて大事なプロセス。
以下の記事では製造業未経験で町工場を継いでわずか1年の間で、大手メーカーを次々と開拓し、1社依存の脱却、売上の柱を3本に増やして、経営を立て直した女性後継者の事例を解説していますので合わせてご覧ください。

まとめ|後継者の仕事は町工場に変化をもたらすこと
町工場を継いだ後継者の方は未来への不安や現状への危機感で一杯になるかもしれませんが、悩んでいてもあなたの不安は解消できないので、動き出すしかありません。
技術、社員、既存顧客との関係性など、残すべきものは残す。一方で、工場が抱える1社依存、属人化、営業不足、利益管理など、将来会社のリスクになるものは行動で変えていく必要がある。
先代が築いてきた工場の大切な技術や人材を守ると共に令和の時代に必要な要素を取り入れて、「次の10年も生き残れる会社」に変えるためには後継者が行動するしか道はないのです。
弊社は日本で唯一、板金加工、機械加工、製缶加工の町工場を丸投げで支援する営業支援「AnySales」を提供し、日本全国の町工場の新規顧客開拓を支援しています。
多くの町工場を継いだ後継者の方が「営業」で悩んでおり、弊社の新規開拓の丸投げを採用して、1社依存からの脱却、売上の柱の創造に成功していますので気になる方は以下の導入事例をご覧ください。



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