工場の問題点は社長が私生活を捨て1人で孤軍奮闘する経営体制である

家族との時間、自分の時間を捨てて会社で孤軍奮闘している町工場の社長は大問題であることを自覚してください。

町工場の経営者だから私生活を犠牲にするのは仕方ないと思うのは間違っており、問題は社長が孤軍奮闘しなきゃ会社が回らない経営体制にあります。

そもそも社長が孤軍奮闘するということは社長以外の従業員でも仕事が回る仕組みができていないことが原因であり、仕組みがないことが大問題なのです。

ここでは町工場の社長が私生活を捨てて、四六時中働いて、孤軍奮闘しないと会社が回らない経営状態がどれだけ問題であるかを解説します。

目次

町工場の社長の私生活が犠牲になる原因

多くの町工場の社長は会社経営や従業員の生活を優先するために、朝から晩まで休まず働くために、私生活の優先順位が下がり、自分の時間、家族の時間が取れなくなるのです。

朝から晩まで携帯は鳴りっぱなし、従業員が帰った後も遅くまで仕事をして、帰るのは0時過ぎで、家族が起きる前の朝一番で家を出て、工場で誰よりも早く仕事をするのは当たり前ではありません。

ここでは町工場の社長が私生活を犠牲にせざるを得ない原因を解説します。

社長が全ての仕事を巻き取っている

私生活が犠牲になる町工場の社長は顧客対応、営業活動、納期管理、生産管理、材料手配、経理、工場でのモノづくりまで全ての仕事を社長が巻き取ることが原因です。

経営者と言えど、1日8時間の間で全ての仕事をこなせるスーパーマンでは決してありませし、無理をすれば体調を崩す従業員と同じ1人の人間です。

それなのに多くの町工場の経営者は1人では到底抱えきれない量の仕事を抱え込んで、全て自分で片付けなければならない仕事の仕方をしています。

既存顧客の打ち合わせで外に出て夕方に帰ると、机の上に山盛りの見積書、発注書が届いており、その日で終わらず、次の日に持ち越して、現場で作業をしていると顧客から「見積もりまだ?」と催促されるような苦しい状況はありませんか。

実に多くの町工場の社長は仕事を抱え込んでおり、本当は優先してやらなきゃいけない会社を変えるためのアイディアの実現や設備導入のための補助金申請などが全て放置されてます。

外出先に出ても、携帯に顧客からはもちろん、従業員からもひっきりなしに電話がかかってきて、「これどうしますか?」「どうやればいいですか?」と休む暇もない8時間を過ごしているのです。

何をするにも全て自分でやらないといけない環境が私生活の時間を蝕んでいます。

以下の記事では工場経営において社長の抱え込みは絶対にNGである、経営が上手くっている町工場には共通点がある点を解説していますので併せてご覧ください。

あわせて読みたい
工場経営で社長の抱え込みはNG!経営が上手な町工場の共通点とは? 町工場の経営者の方で、会社の経営から営業・生産管理・仕入まであらゆる業務をご自身で抱え込んでいたら、それは工場経営において黄色信号で、いつかご自身にも会社に...

従業員を頼れない

私生活が犠牲になる町工場の社長は共通して、現場の従業員を頼れない、仕事を振れない環境になっています。

「従業員に負担をかけると辞めてしまう」「従業員は高齢で楽をさせないといけない」「頑張ってもらうでなく、支えないといけない」など従業員に仕事を分担してもらうでなく負担をかけないことを最優先に考えているのです。

従業員はいるけど、高齢な人ばかりであれもこれも頼めない、自分の思う通りにできないとヘソを曲げて不満を撒き散らす古参、負担をかけるとすぐに休んでしまう人など、仕事を振ろうにも任せられないのが実情です。

本来は社長は自分がやるべきでない仕事は従業員に任せて、従業員ではできない会社を変化させるためのアイディアや新しい挑戦に時間を使うべきですが、いつまでも会社を回すための仕事に時間を奪われてしまいます。

新しく人を入れるにも採用活動をする時間も満足に捻出できず、空いた時間に進めても少しずつしか進まず、結果的に応募はいつまでも来ないので、社長の背中から1つも仕事が減らないまま時間だけが過ぎていくのです。

私生活が犠牲になる町工場の経営者は自分の仕事を任せられる人材がいないので、全部自分の貴重な時間を使って仕事を片付ける構図になっています。

以下の記事では町工場の課題は経営者が全てを背負って、自由に身動きが取れない環境であり、身動きが取れず行動ができないと工場が潰れる最悪の未来に関して解説していますので併せてご覧ください。

あわせて読みたい
町工場の課題は経営者が全てを背負い身動きが取れない環境である理由 町工場の1番の課題は経営者が会社の全ての仕事抱え込んでいるために改革の行動を起こせないことです。 人不足、人はいるけど任せられる人材がいないなどの理由で町工場...

業務がアナログすぎる

社長の私生活が犠牲になる町工場は残念ながら「効率化」の観点が抜け落ちており、紙業務や電話でのやり取り、現場で聞かないと仕事が進まない昭和の町工場のままなのです。

社長が外出中に「〇〇さんから納期確認の連絡きてます」と事務員から電話が鳴りますが、これは事務員がPCで調べてその場で納期回答すればいいのに、社長の頭の中にしか情報がないので、社長がわざわざ電話するしかないのです。

見積に関しても未だにExcel対応なので、過去と似たような見積依頼が来ても、どのファイルか事務員が見分けがつかず、外出中の社長に聞かないと仕事が進まない、積算方法もルールになっていないので社長以外は見積ができない状況です。

本来は能力や経験年数に依存せず、誰でも簡単に必要な情報を見つけ出せて、1人で進められる環境をデジタルツールで作るべきところ、未だに昭和のアナログ業務で人の能力に依存した仕事の仕方をしています。

アナログの問題点は結局「社長がやらないといけない」の構図になってしまい、外出から戻ると机が書類の山で携帯は顧客からの電話で着信だらけで定時を超えても家に帰れず、ずっと1人で事務所で処理するような生活に陥るのです。

社長が孤軍奮闘する町工場に未来が暗いワケ

残念ながら社長が1人で孤軍奮闘する町工場の未来は暗い道が待っています。

その理由はシンプルに社長が外に出て新しいチャレンジができずにずっと工場が停滞のままで変化することなく化石になってしまうからです。

ここではなぜ社長が孤軍奮闘する町工場には暗い未来が待っているのかを解説します。

社長が事務所と現場から出られない

社長が1人で孤軍奮闘していると、1日の間で事務所や現場にいる時間が長くなり、外に出ることができなくなります。

町工場の経営者がずっと事務所にいても何も状況は変わりませんし、誰も新しいチャンスを持ってこないので「待ち工場」になってしまいます。

現状に強い危機感を感じているけど、自分はずっと事務所や現場でバタバタしてますでは日に日に危機感が大きくなるだけです。

町工場が変化するチャンスは社内ではなく工場の外にあり、自分の足でチャンスを探さない限り、町工場の現状が変わることはありません。

それなのに目の前の仕事を片付けるためにずっと社内にいるのは本末転倒ですよね。

社内であたふた働いていて、急にメーカーがこの仕事やってください!とあなたの工場に来ると思いますか?

そんなの夢のまた夢であり、自分の足でメーカーに伺って提案をして仕事を勝ち取ることが町工場の経営者が今すぐにすべきことですが、事務所と現場から出られないのでは、新しいチャンスを掴むことはできません。

町工場の社長は現場からすぐに出かけないと会社の未来を変えることは不可能です。

以下の記事では何も行動をせずにただ待つだけの「待ち工場」には消滅の未来しかなく、生き残るためには行動して顧客開拓をすべき理由を解説していますので併せてご覧ください。

あわせて読みたい
待ち工場は消滅!?町工場が生き残るために今すぐ新規開拓すべき理由 取引先からの発注削減など年々、仕事が減少しているのに何もせず、口を開けて仕事を待つばかりの「待ち工場」に未来はありません。 年々、仕事が減っているのに新しいこ...

会社の変革に繋がる行動が起こせない

孤軍奮闘を社長が続けると、経営者として本来すべき会社を変革するための行動が起こせません。

町工場の多くは昭和の時代から変化をすることなく、過去のやり方のまま、令和まで過ごしてしまい、もはや時代に取り残された化石寸前の状態であり、生き残るためには早急な変化が必要なのです。

変化をするには今までとは違う方法や取り組んだことない挑戦をするなどの行動を起こす必要があります。

しかし、長い間、古い考えや昭和のままの仕事への考えにどっぷり浸かった町工場が変化するにはものすごくパワーが必要ですし、何より今日行動して、明日変わるものでもなく継続して行動し続ける必要があります。

例えば、現状の1社依存や孫請けから脱したいと考えて、1日営業したところで新しい顧客なんて見つかるわけがなく、毎日継続して営業して初めて蒔いた種が咲いて、新しい顧客との商売が始まりますよね。

これと全く同じで、会社を変えるには営業だろうが、働き方、デジタル化だろうが、すぐに結果が出ることはなく、毎日でも毎週でも継続して取り組む必要があるのですが、孤軍奮闘する社長には時間がなく、継続的な行動なんて不可能です。

よく聞く言葉が「危機感はあるけど、時間がなくて」この言葉を使う経営者の方が町工場に非常に多いですが、時間がないと言い訳をしていたら、一生会社を変えるための行動が起こせぬまま、廃業という道に陥るのではないでしょうか。

以下の記事では「時間がない」が町工場の共通課題であり、時間を作るためにすべきことを解説していますので併せてご覧ください。

あわせて読みたい
「時間ない」が町工場の共通課題。町工場が生き残るためにすべきこと 新しいことに取り組みたい、挑戦したいが「時間がなくて、取り組めていない」の課題を持つ町工場の経営者様が非常に多いです。 町工場ではいつまでも同じことをしてはい...

経営者の人生が苦しくなる

経営者が1人で孤軍奮闘を続けると、会社はもちろんですが、経営者の人生も苦しく困難な状態に陥ってしまうのです。

町工場を経営していたとしても、経営者自身にも私生活があり、奥さんや旦那さんがいて、子供もいる普通の家庭を持つ1人の人間で仕事だけでなく家族の時間を作らなければならない存在なのです。

しかし、町工場を回すために孤軍奮闘をしていると、帰る時間はいつも遅く、家族とご飯を一緒に食べられない、本当は家族サービスをしたいのに土日も工場で仕事をすることになり、私生活はもちろん、家族が蔑ろになってしまいます。

最初は応援してくれていた家族も、だんだん一緒にいる時間が減ったことで関係にもつれが出てきたり、子育ての些細な意見の違いで喧嘩になるなどの私生活に問題が出始めるのです。

特にアトツギの経営者の方で多いのが、跡を継いだ町工場の立て直しで1番パワーが必要な時期に子供がまだ小さく、奥さんに子育てを任せてしまい、奥さんの精神的に参ってしまって、工場だけでなく家庭でもトラブルが起きてしまうケースです。

人生の大半の時間を占めるのが仕事であり、その中でも1人で孤軍奮闘する経営者は私生活にも悪影響が出てしまい、会社だけでなく家族やプライベートでも頭を抱える最悪の事態にもなりかねません。

町工場の社長が私生活を取り戻す方法

町工場の社長が私生活を取り戻すためにすべきことは「仕組みを作る」ことですが、仕組みだけで解決しないなら「苦手な業務を外部のプロに任せる」ことです。

孤軍奮闘しないといけないのは「社長では対応できない環境」と「何でもかんでも社長が抱え込むこと」が原因です。

ここでは町工場の社長が孤軍奮闘を抜け出して私生活を取り戻す方法を解説します。

誰でもできる仕組みを作る

町工場に1番必要なものは能力や職歴に関係なく「誰でも同じ成果が出せる仕事の仕組み」を作り出すことです。

「社長に聞かないと」「社長しかわかりません」というワードが出る町工場は「誰でもできる仕事の仕組みがない」証拠です。

なんで社長が孤軍奮闘しないと会社が回らないのか、それは社長なしでも従業員が仕事ができる仕組みが存在しないから、いつになっても社長の手から仕事が減らないのです。

孤軍奮闘するのが嫌なら、町工場の社長は今すぐに「自分がいなくても会社が回る」ために何をすべきかを今すぐに考えてください。

社内に仕事の仕組みさえ存在すれば、従業員はいちいち社長に聞かなくてもその仕組みの通りに仕事をすればいいだけなので、必然的に社長がやらなくてもいい環境が出来上がります。

大手企業ではカリスマ社長が引退して、後継者に譲ったのに、数年後にまた社長に戻って、会社を回す事態が起きてますが、これも「カリスマ社長じゃないと会社が回らない」のが原因であり、カリスマ社長なしで回る仕組みがないのが問題です。

町工場に重要なのは「誰でも仕事が仕組み」で仕組みを1度作れば、社長がやらないといけない仕事が1つ、また1つと従業員に任せることができ、社長は本来すべき仕事に時間を使うことができるようになります。

「平日に社長はゴルフしてる」というクレームを聞きますが、これは実は社長なしでも町工場が回る仕組みがしっかり確立できている証拠であり、平日に社長が現場におらず、外でゴルフをしていても何の問題もないのです。

町工場は昭和の時代から、変化せずに進んできてしまった化石状態であり、状況を変えるには変化が必要であり、変化を起こす行動には社長が自由に動ける時間が必要なので、仕組みづくりは町工場の経営者の最重要課題になります。

以下の記事では町工場の社長は仕組み化なしでは、工場から出かけて、外で挑戦する時間が作れない事態に陥る点を解説していますので併せてご覧ください。

あわせて読みたい
町工場の社長は仕組み化なしでは、外で挑戦する時間が作れない事態に 町工場の社長は工場の仕事を仕組み化しないと、いつまでも現場に縛られて、外で挑戦する時間がなく新しい利益を生み出すことが不可能となり、経営も現状維持が続いてし...

外部のプロに丸投げする

町工場の経営者は自分が得意でないと感じる領域の仕事は、無理に自分で解決しようとせず、外部のプロに丸投げで依頼して、限られた自分の時間を有効活用することが重要です。

高校卒業から現場に入って、モノづくりならなんでも自分でできるが、営業は1度もしたことがないのに、自分で0から始めて、成果を出せますか?補助金申請なんてしたことないのに自分で調べて書類を全部作る余裕はありますか?

なぜか、町工場の経営者の大半は自分が経験したことがない、得意でなくむしろ苦手な仕事も全部抱え込んで1人でやろうとしますが、抱え込みはNGですし、いつまで経っても手がつけられず、やるべきタイミングで実行できないことが大半です。

ただでさえ目の前の仕事で忙しいのに、やったこともない、苦手な仕事に1から取り組むのは非効率的ですし、そもそも時間に余裕がないですよね。

1番やってはいけないことは「今すぐやるべきこと」を「時間がない」「後でやろう」と言い訳をして、実行することなく時間を過ごすことであり、危機感があるのに自分が動けないなら外部のプロに丸投げで仕事を任せて仕事を進めるべきです。

外部のプロに丸投げするメリットは以下の点です。

  • 依頼したら、町工場の社長から仕事が1つ減る
  • 最速で成果が出る
  • 会社が変化する

外部のプロとはその仕事に精通した人材であり、必要情報だけ伝えれば、町工場の社長が動かなくても勝手に仕事が進み、望む成果が勝手に手に入れることができ、会社に変化をもたらすことができます。

世の中のルールに「町工場は全ての仕事を自分でやらなければならない」なんてどこにも存在しません。

町工場の経営者にはゼロから調べて、その仕事にだけ集中できる環境は存在しないので、危機感はあるけど、全く手がつけられない仕事が1つでもあるのなら抱え込むでなく、今すぐに外部のプロの手を借りて解決することをお勧めします。

以下の記事ではアトツギ世代の工場経営は苦手な分野の丸投げが当たり前であり、外部のプロの力で最速で成果を生み出し、工場を変革している点を解説します。

あわせて読みたい
アトツギ世代の工場経営は丸投げ!苦手な仕事は外部のプロに任せる! 工場を経営するアトツギ世代は自社で苦手な仕事に苦労して取り組むことは決してせず、外部のプロに丸投げすることで従業員そして経営者自身の負担をゼロにして大きな成...

反対に何でもかんでも町工場が自分たちで取り組んで解決しようとすると、全部中途半端になって1つも成果が出ない事態に陥る点も解説していますので併せてご覧ください。

あわせて読みたい
町工場は何でもかんでも自社でやるな!抱え込むと成長が止まる理由 得意でない苦手なことも全て自社だけで取り組む町工場に待っているのは1つも改革が進まず、いつまでも変化が訪れない未来です。 実に多くの町工場が苦手なことであって...

まとめ:経営者が孤軍奮闘しないで済む環境を構築せよ

この記事では町工場の社長が私生活を捨てて、四六時中働いて、孤軍奮闘しないと会社が回らない経営状態がどれだけ問題かを解説してきました。

社長が自分の私生活を犠牲にしないと会社が回らないのは大問題であり、社長だけが頑張るという環境もおかしい状態です。

もしもこの記事を読んでいるあなたが今も孤軍奮闘で働いているのであれば、今すぐに仕組みを作ることに注力してください。

もしくは会社として取り組むべきことがあるのに、経験がない、やり方がわからないで手を止めているなら今すぐに外部のプロに相談して、変化を起こすべきです、

町工場にはこれ以上停滞している余裕はなく、停滞する時間が長いほど、廃業の道が近づいていると理解してください。

もしもあなたが「1社依存から脱したい」「下請けから卒業したい」「新しい仕事が欲しい」と感じているが、営業ができない、やり方が分からないで躊躇しているなら弊社に営業を丸投げしてみませんか。

弊社は日本で唯一、金属加工業の新規開拓を丸投げで支援する営業支援サービス「AnySales」を提供し、日本全国の町工場の新規顧客開拓を支援しております。

「新規開拓をしたいけど何から始めればいいかわからない」「時間がなくて営業できない」「新規開拓を丸投げしたい」などのお悩みを抱える企業様はぜひ資料請求にてサービス内容をご確認ください。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次