「地方だから」仕事が取れないと諦めてる町工場さんは大きな勘違いしており、地方の町工場こそ1番新規開拓のチャンスに溢れています。
都心に比べ、地方はどうしてもメーカーの数や工場が少ないため、地方の町工場は新しい取引先を見つけるなんて夢のまた夢なんて諦め半分な部分が多いはずです。
しかし、地方のメーカーの実情は「地元の町工場が廃業したことで、近場での購買ができず、輸送コストをかけて都心から調達をせざるを得ず、喉から手が出るほど町工場を求めている」のです。
地方は確かに町工場の顧客となるメーカーも少ないですが、メーカーの調達先となる町工場も少ないので、地方のメーカーも調達先が十分に確保ないのです。
この事実を知らずに新規開拓を諦めている町工場さんがあまりにも多いのですが、廃業が増え続ける、この時代では実は都心よりも地方の方がはるかに新規開拓しやすい環境になっているのです。
この記事では地方の町工場こそ新規開拓のチャンスが目の前にある理由を解説します。
都心より地方の町工場の方が新規開拓しやすい理由
町工場の方は都心じゃないと新しい仕事が取れないという考えは今すぐに捨ててください。
どうしても地方には仕事がない、他の会社がやっているので新規提案なんて受け付けてくれないと考え、新規開拓に取り組まないのは大きな損をしています。
廃業がどんどん増えていくこの時代、地方の町工場ほど新規開拓がしやすいものはないのです。
ここでは都心よりも地方の町工場の方が新規開拓がしやすい理由を解説します。
地方メーカーは地元の町工場不足が大きな悩み
町工場の廃業増加で、地方のメーカーは地元で部品供給をしてくれるサプライヤー不足に頭を抱えています。
地方はメーカーの数も少ないですが、町工場の数も都心に比べて少ないため、1社2社と高齢化などで廃業が起こるだけで、地元での部品調達が困難になってしまうのです。
しかし、地方は町工場の数がそもそも少ないので、1社廃業した場合に代わりとなる町工場を工場近辺や県内で見つけることがとても難しいのです。
仮に候補となる町工場を見つけたとしても、既に他のメーカーと取引があり「他の会社の仕事でいっぱい」と受けてもらえないことが大半です。
このように地方では町工場の母数が少ないため、廃業が増えている中でメーカーは工場からのアクセスが近い環境での購買ができなくなっているのです。
ライバルがいないから相見積なし
地方は町工場が少ない、そもそも新規開拓をする町工場は更に少ないという状況なので、地方の町工場さんは相見積で価格を叩かれるリスクが限りなく低く、好条件での受注が可能です。
町工場の誰もが嫌う相見積による価格競争ですが、そもそも相見積は他にも提案している町工場がいる環境でこそ成り立つものであり、地方の場合は町工場が少なく、新規開拓をしている町工場も皆無なので相見積が成り立たないのです。
「新規提案する町工場がなくても、既存サプライヤーがいるじゃないか!」と考える方は安心してください、「既存サプライヤーで調達できるならわざわざ新規の町工場なんて探しません」よね。
また、地方では町工場が少ないため、せっかく見つけた貴重な町工場が嫌がるようなコストダウンの相見積をして、「その価格ならやりません、さよなら」と言われるリスクをメーカーの購買部も強く恐れています。
この相見積なしは廃業が増えるに従って徐々に都心でも増えてきましたが、地方の方が圧倒的に相見積なしの割合が多いです。
相見積できるほど町工場がいない地方は新規開拓をする町工場にとって最高に新規開拓がしやすく、何より十分な利益を確保した仕事の獲得に繋がります。
購買部は近場での調達が何より嬉しい
購買部は何かあった時にすぐに現場に行ける、輸送における無駄なリスクを考えなくていい自社工場から近い距離の町工場からの調達を心から望んでいるのです。
購買部がもしも地元の町工場を見つけられず、遠い距離の町工場から調達した場合に以下のような問題が起こります。
- 輸送距離が長いので輸送中の傷や納入日遅延などのトラブル
- トラブルの際にすぐに町工場の現場に行けない
- 町工場に足元を見られる
距離が遠い納品には輸送トラブルがつきもので、輸送中に傷が付いてもどちらの責任か究明できずに購買部が負担をする、何かあってもすぐに町工場の現場で解決することができないなど、面倒なリスクを抱えることになります。
また、遠方の町工場に注文をするというのは町工場側に「このメーカー、ウチでしか買えないんだな」と勘づかれるのが当然であり、価格にしても納期にしても足元を見られてしまい、購買部が下手に出ざるを得なくなります。
購買部とって遠方からの調達は問題とリスクばかりであるため、自社工場から近い町工場からの調達を何より望んでおり、地方で近場の町工場から新規提案の連絡が来た時には両手をあげて手厚く迎えるくらい貴重な存在なのです。
地方のメーカーの困りごと
地方の町工場が新規開拓しやすい理由がわかったところで、後は具体的に地方メーカーがどんな悩みがあるかを理解すれば、地方の町工場は簡単に新規開拓ができます。
町工場が新規開拓をする際に重要なのはメーカーの購買部が何に悩んでいるかを具体的に把握することで、悩みさえ理解できれば、後は解決するための提案をすればいいのです。
ここでは地方メーカーの購買部が抱える悩みを解説します。
近隣に町工場が少ない
地方メーカーの購買部は自社工場の近隣に町工場が少ないことが大きな悩みの種です。
メーカーは基本的に自社工場から近い距離の町工場から調達することが鉄則ですが、地方は町工場がそもそも少ないので、自社工場の近隣での調達が極めて難しい状況なのです。
遠方の町工場では輸送リスクやトラブルの際にすぐに現場に行けないデメリットがあるので、購買部は近隣での調達を理想としますが、この理想の近隣の町工場に出会えない、出会えても仕事を受けてもらえない状況なのです。
コストが多少高くても、輸送リスクやトラブルの際の対応を考えると、購買部は多少割高でも近隣の町工場を選ぶのです。
それくらい近隣での調達を求めているのですが、なかなかアクセスのいい町工場に出会えず、無駄なリスクを抱え、トラブルの際には時間とお金をかけてしたくもない遠方からの調達をせざるを得ない状況になっています。
町工場を探そうにも時間がない
地方の町工場の購買担当は新規の町工場が本当に欲しいのですが、既存の調達業務や遠方の町工場への手配や対応に時間を奪われてしまい、新規の町工場を自分たちで探す時間が存在しないのです。
都心に近いメーカーは展示会、銀行主催の大きなイベントなどに参加して町工場と出会うかもしれませんが、地方では展示会などのイベントの開催も少なく、展示会に行こうにも東京までの交通費と購買業務を止めて行けるほど余裕もないのです。
購買担当の1日は既存サプライヤーへの発注、納期調整、営業からの短納期依頼、サプライヤーとの折衝などであっという間に終わってしまい、新規サプライヤーを探す時間が存在しないのです。
本来は購買部自ら、ネットや足を使って探すところ、それができずに時間ばかり過ぎて、新規の町工場が欲しいのに手を出せないというむず痒い状態なのです。
本社に怒られながら無理やり手配する
どうしても、地元での調達ができない地方のメーカー工場では都心の本社工場や別工場の生産能力を当てにせざるを得ず、本社工場や別工場の生産計画を止める大問題を起こしながら、無理やりの調達をせざるを得なくなっています。
とある大手の送風機メーカーでは三重県の伊勢に第2工場を構えているが、三重県内での町工場の廃業が増加し、県内での調達が困難になり、大阪の本社工場の仕事を止めてまで伊勢の製品を生産してもらう無理やりな調達が実施されているのです。
調達できないというのは購買部にとってあってはならないため、背に腹は変えられず、盛大に本社に怒られながらも、地方で生産すべき製品を本社工場に加工してもらい社内調達するあり得ない状況も起きています。
上記は地方の町工場が本当に足りていないことを明確に示す例であり、地方メーカーは地元での調達が困難になっています。
地方のメーカー工場は地元での部品調達を実現したいのに、地元の町工場を見つけられない、そのために割高でリスクのある購買を経営層に怒られながらも、仕方なく行なっており、本当に喉から手が出るほど地方の町工場の存在が必要なのです。
地方の町工場が新規開拓をする手順
地方の方が都心よりもはるかに新規開拓しやすいことを理解いただけたなら、あとは地方の町工場は電話をかけて、とてもシンプルに「廃業で困ってませんか?」と一言を伝えるだけです。
町工場は前提として営業の仕方、何を伝えるべきかが分からず、営業したくてもできない状態が共通していますが、ここでは地方の町工場がどうやって新規開拓をするかの具体的な方法を解説します。
地方の町工場はテレアポで十分
地方の町工場が新規開拓で活用すべき方法は電話で連絡する「テレアポ」で十分です。
テレアポは文字通り、電話でアポイントを取る方法ですが、必要なものは電話機だけであり、どんな町工場であっても取り組むことができる1番シンプルな方法です。
最近は町工場が営業が苦手であるという弱みに漬け込んで「フォーム営業」という電話をしないでも問い合わせフォームから連絡すればアポが取れるという方法が出ていますが、絶対に騙されてはいけません。
フォーム営業の代行会社などもありますが、この方法で仕事が取れた町工場は見たことがなく、無駄なコストだけ取られて1つも成果が出なかったという怒りと悲しみの声しか聞こえてきません。
テレアポはコストもかからず空いた時間でできる新規開拓方法であり、地方の町工場の場合は話す内容も1つだけなので営業経験がなくても心配ありません。
その他にもメーカーがネットに必要な技術や製品をオープンに公開して、新規サプライヤーを集める「オープン調達」という方法も存在し、購買部と直接話ができるなど町工場の大半が知らない方法も存在しますので、気になる方は以下の記事から詳細をご確認ください。
余計なことを言わず「廃業で困ってませんか?」でOK
テレアポをしようにも何を話せばいいかわからない、町工場の方は「廃業で困っていませんか?」の一言だけ使ってください。
営業経験がない方がテレアポをすると、絶対にやってしまうのは「たくさん、話し続けてしまう」です。
たくさん話をしてしまうと、待っているのは「結構です」「間に合ってます」のお断り文句で、この言葉が出るのは購買部は聞きたくもない話を永遠されるのが嫌だからです。
よく優れた営業は聞き上手と言いますが、それは製造業の町工場に置き換えても事実で、テレアポでも話しすぎずにシンプルな質問でいかに購買部に話をさせて聞けるかが重要なのです。
地方のメーカーの購買部は「ただでさえ少ない地元の町工場が廃業してしまう」ことによる地元での調達ができなくなることが最大の悩みです。
そんな状況で、「廃業に困っていませんか?」と町工場が話したら、間違いなく飛びつきますよね?
これが「廃業で困っていませんか?」の一言だけでいい理由です。
他にも町工場がテレアポで気をつけるべきポイントや注意点が知りたい方は以下の記事で詳しく解説していますので合わせてご覧ください。
まとめ:仕事が欲しい町工場は今すぐ新規開拓に動き出せ
この記事では地方の町工場こそ新規開拓の大チャンスである理由と新規開拓の方法を解説してきましたが、仕事が減って焦りを感じている地方の町工場には目の前に大きなチャンスが転がっていることに早く気づいてください。
「地方だから新規開拓できない!」なんて考え方は古すぎますし、全くメーカーの購買部のリアルな姿が見えていません。
地方のメーカーは文字通り喉から手が出るほど地方の町工場を求めており、早く連絡が欲しいと手をこまねいています。
しかし、地方のメーカーの新規サプライヤーになれるのは早いもの順で、すぐやらないと他の町工場がいい仕事を取っていってしまいます。
仕事が減って危機感がある町工場の方は今すぐにこの記事の内容を参考に電話に手を伸ばしてください。
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