中小製造業の新規開拓で「間に合ってます」がなくなるテレアポ必勝法

中小製造業が購買部に対して新規サプライヤー提案をする際にどんな話を相手にすべきかわからない方が非常に多いのではないでしょうか。

テレアポというのは「どれだけ多くの数をこなすか」が重要であり、断られた回数に比例して、購買部へのトークの精度が工場していきます。

しかし、テレアポは経験のない方にとっては難しい新規開拓方法であり、事前知識もなしに挑戦して何度も断られる苦しい経験をするのは誰も望んでいないのではないでしょうか。

ネットを検索しても、製造業とくに中小製造業がサプライヤーとして提案する際のトークスクリプトの成功例やポイントなどをまとめる記事は皆無なので、事前知識を得ようにもその手段が存在しないのも事実です。

そこでこの記事では8年間、中小製造業の新規開拓支援を行い、テレアポで上場企業から中堅企業まで多くの企業から新規取引を実現させた筆者が中小製造業のテレアポ成功率が上がる必勝法を解説します。

これからテレアポで購買部にアポをとっていく、テレアポをしているが苦戦しているという方は必見です。

目次

事前調査こそテレアポ成功を左右する

テレアポはどれだけ上手く話すではなく、どれだけ上手く相手から情報を引き出せるかが重要で、ただ電話をすればいいではなく、どうやって相手に興味を持ってもらうかの戦略が必要になります。

多くの企業様がこの戦略の部分が抜けており、「上司に言われたから電話をする」「なんとなく近くの会社に電話する」と戦略なしのテレアポをするが故になかなか結果に繋がらないというケースが多く見受けられます。

ここではメーカーの購買部に電話をする前に考えるべき戦略を解説します。

購買部のどんな課題を解決するのか

購買部がサプライヤーに求めているのは「購買活動での課題解決してくれること」で、どの課題解決に繋がる提案をするのかをテレアポ前に決める必要があります。

テレアポをする際に、購買部に対してどの課題を解決するために電話をするのかを把握せずに電話をかける企業が多く存在しますが、課題解決するテーマを決めていないと相手の興味関心を得ることは難しいです。

購買部の困り事とは業界によって大小さまざまですが、基本的に共通する点は以下の3つです。

  • コストダウン
  • 納期短縮
  • 既存サプライヤーの廃業

購買部のミッションは「適正価格で商品を決められた納期に調達する」ことであり、このミッションはどの企業であっても同じです。

そのため、電話をかける前にまずは相手の課題を解決するのかを決める必要があり、事前に解決する課題を決めることで相手の興味関心を得るためにどんな質問をすべきかがわかるようになります。

業界ごとの課題は様々で外からでは具体的にどんな課題があるのかわからないという方は「業界別の購買部が抱える課題」の記事で各業界の困りごとをご確認ください。

具体的に提案する対象部材を理解する

解決する購買部の課題を決めた後は具体的に購買部が取り扱う部材を事前に理解し、「制作過程のどこに手間がかかるのか」「どんな問題がありそうか」を事前調査する必要があります。

この提案対象部材を事前に理解するのはテレアポの成功率を極めて高める重要な事前調査です。

なぜなら、テレアポの際に「提案部材の具体名」を伝えると購買部の信頼度と興味関心度を高めることができるからです。

例えば、あなたが建材を扱うメーカーの購買部で以下のような企業からそれぞれ電話があった場合、あなたはどちらに興味が湧きますか?

A社:〇〇で板金加工を行なっています。購買部様とコストダウンに関する提案をいただきたいです。

B社:〇〇で板金加工をしていますが、貴社の業界でよく使われる【振り留め金具】のコストダウンに関して提案させていただきたい。

上記の2社はコストダウンの課題解決に関する同じ提案を打診していますが、同じ内容なのにB社の提案の方が興味が湧きませんか。

「なんでこの会社、この製品のこと知ってるんだろう」「この部品に関する知見があるのかな」と自然と興味関心が湧くはずで、反対にA社の提案は他の会社から来るありきたりな電話なので「間に合ってます」の断り文句が出るはずです。

このようにテレアポ先で扱う部材名称を理解しているだけでテレアポ先の会社からの興味関心を得る度合いが大きく違います。

事前調査には少し手間がかかりますが、電話の前の1手間をかけることでテレアポの成功率を大きく高めることができます。

解決課題と提案製品を仮説検証する

解決課題と提案製品を事前調査して、ある程度目星がついた後は、「仮説した課題と提案製品」を実際にテレアポの中で質問をして本当に購買部が事前調査した課題と提案製品に悩みを抱えているのかの検証が必要です。

どれだけ事前調査に時間をかけても、「100%間違いなく相手が想定する課題を持っている」ということはあり得ません。

事前調査した課題と提案製品が本当に購買部が頭を抱える内容であるかをテレアポを行って直接確かめる必要があります。

この仮説検証は事前調査した課題と提案製品を確認するだけでなく、仮に事前調査内容が間違っていても「他にどんな困り事がありますか?」「他の製品で手間がかかる製品はありますか?」と相手から正しい答えを引き出す機会になります。

事前調査の結果が間違っていても全く問題ありません。

あなたが行った事前調査は仮に間違っていても、購買部から「この電話相手はうちの業界を理解しているな」「話をするべき価値がある会社」と感じてもらえるきっかけになるからです。

事前調査した課題と提案製品が合致すれば、その2つの提案は業界に共通する課題なので以降のテレアポで使い回すことが可能で、仮に間違っても購買部から直接、課題と具体製品を聞き出せるので、どっちに転んでも購買部の課題を知れるのです。

購買部へのテレアポ手順

購買部に連絡をする際にいきなり工場に「購買部様いらっしゃいますか?」と電話をしている企業様は間違ったテレアポの掛け方をしており、正しい手順でテレアポをすることで購買部様に繋がる確率は格段に向上します。

時間をかけて、正確に事前調査をしても、肝心の購買部に話をして事前調査内容の確認が取れないと、せっかく調査した内容を確認できずに終わるため、ここでは購買部と直接話をするための断られにくく、繋がりやすいテレアポ手順を解説します。

①本社連絡で購買部の所在確認

いきなり工場にかけるのはNGで、まず本社番号に電話をして、「購買部がどこにいるのか」を確認する必要があります。

工場に直接かけるのがダメではありませんが、本社に最初にかける方が購買部にたどり着く可能性が高いのが事実です。

購買部は「本社にある場合」「工場にある場合」の大きく2つに分かれるため、本社への電話で電話先の購買部はどちらに属しているのかを事前確認することが最初の1歩目です。

受付担当に説明する場合は「1つ質問をしたいのですが、購買部様にご相談のためにご連絡しましたが、購買部様はこちらで宜しかったでしょうか?」の最小限の説明だけで大丈夫です。

本社の所在を確認する段階で「自社が何をやって、どんな提案をするのか」は説明する必要はありません。

あくまでも購買部が本社と工場のどちらにいるのかを質問するだけで十分です。

購買部の所在が確認できたら、次に質問すべきは「どちらの番号にお掛けすればよろしいですか?」と直通番号を確認することです。

直通番号さえ手に入れれば、今後のテレアポで受付を通さずに直接購買部と話ができるので極めて重要なポイントになります。

工場に電話をいきなりするのではなく、まずは本社に事前確認をすることにご注意ください。

②本社受付担当のお名前を確認

本社に電話をかけた際に担当してくれた窓口の方のお名前は必ず確認してください。

なぜ、受付担当の方のお名前が必要なのか?と感じる方が多くいるかと思いますが、この方法こそ私が8年間で何度も失敗する中で身につけた購買部への必勝アプローチで、この方法を使って「間に合ってます」と断られるケースはほとんどなくなりました。

例えば以下のような同じ内容で2名の方から新規提案の電話が来たら、あなたはどう思いますか?

A:購買部様はいらっしゃいますでしょうか?コストダウンのご提案をしたくご連絡しました。

B:本社の〇〇さんからこちらの番号と伺い、コストダウンのご提案をしたくお電話させていただきました。

同じ内容の電話でも間違いなく「B」の電話に対しては丁寧に対応するのではないでしょうか。

その理由は事前に本社の受付の方に案内してもらったという事実があるからです。

誰の案内もなく突然電話をしてきた人間を重要視する方は極めて少ないですが、「本社の〇〇さんから案内を受けた」という一言があると、本社の方からの案内だから話を聞かなければならないという風に購買部の方が感じてくれるようになります。

事前に本社に電話をするのは購買部の所在を明らかにすることだけでなく、事前に本社の受付担当の方のお名前を知るために必要な重要な手順なのです。

③購買部には慌てずシンプルに説明と質問

いざ、テレアポでターゲットとなる購買部と話す機会を得ても焦らずに、シンプルに相手に自己紹介と質問をしてください。

テレアポは「間に合ってます」「新規取引はお断りしています」と断られることが多く、滅多に購買部と話をすることができないので、いざ購買部が電話に出てくれたら、つい焦って早口で説明してしまったなんて人も多いのではないでしょうか。

でも大事なのは以下の2つだけです。

①簡潔に自己紹介する

②相手の課題を引き出す質問をする

ついつい、長く話してしまう方が多いですが、短くシンプルに以下のような流れが適切です。

購買担当

はい、お電話代わりました
購買部の〇〇です。

中小製造業

はじめまして!
〇〇市にて板金加工を行なっている
〇〇製作所の加藤です!

購買担当

はい、どうも

中小製造業

お電話した件ですが
貴社のコストダウンと納期短縮に関するご提案でご連絡しました
■■の部材を扱ってますよね?

購買担当

はい、うちでは■■は扱っていますね
(なんでこの会社は■■を知って、課題も知ってるんだろう)

中小製造業

■■でエンドユーザーさんから長穴加工を求められた際に
金型がなくて対応できないなんてことありませんか?

購買担当

確かに長穴加工の要望は多いです
サプライヤーさんで保有していない金型の時は
調達に苦労しています

中小製造業

やっぱりそうですよね!
弊社の場合、■■をレーザー加工で
どんなサイズの長穴も加工できます!

ぜひ、1度ご提案をさせていただけないでしょうか?

購買担当

うちの部材もよく知ってるし、課題も知ってるから
安心できるな。。。。。

はい、1度ご来社ください。

自社がどんな設備をどれだけ持っていて、どんなことをしているなどは話が長くなり、相手がもう聞きたくないと思わせてしまうので「相手から質問を受けない限り」は話す必要はありません。

購買部と話ができるところまで漕ぎ着けたら、「シンプルな自己紹介と事前調査で判明した部材名や課題を質問する」この2つだけを徹底するのが重要です。

このくらいの量なら覚えなくても予め紙に書いて、順番に話すでも十分です。

【まとめ】中小製造業は正しいテレアポ方法を知れば新規開拓は夢じゃない

この記事では中小製造業が新規開拓のテレアポをする際に「間に合ってます」が言われなくなるテレアポ必勝法を解説してきました。

中小製造業が新規開拓に失敗する理由は正しい新規開拓のテレアポ方法を知らないのが原因であり、テレアポ成功の必勝法は誰でも気づくことができますが、「何度も断れても気づきを得るまで電話をする」ことができないためです。

ベンダーで寸法を出す際にいつまでも伸び値を間違えていては指定寸法が出ないのと同じで、テレアポも正しい方法をアプローチをしないと絶対に結果は出ません。

ただ、ネット上にも中小製造業の新規開拓に関するテレアポノウハウが落ちていないが故に成功体験がいつまでも出てこないのです。

私は必勝法に気づくまで、「何度もめげずに電話をしてください」とは決して思いません。

そんな苦しく辛い思いをするのは私だけで十分で、私が8年間のテレアポの中で気づいた成功方法を全ての中小製造業様に活用いただければと思います。

弊社は中小金属加工業の新規開拓を丸投げで支援する営業支援サービス「AnySales」を提供し、日本全国の町工場の新規顧客開拓を支援しております。

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