町工場の社長は仕組み化なしでは、外で挑戦する時間が作れない事態に

町工場の社長は工場の仕事を仕組み化しないと、いつまでも現場に縛られて、外で挑戦する時間がなく新しい利益を生み出すことが不可能となり、経営も現状維持が続いてしまいます。

多くの町工場では朝から晩まで社長が現場に張り付いて、仕事を回すことで精一杯となり、本来やるべき新しい挑戦や変化を起こすことができず、1日が終わって、会社に何の変化も起こせないのです。

町工場の社長が挑戦する時間を作るためには現場の仕事を誰でもできるような仕組み化が必須であり、仕組みない町工場の社長は永遠に時間を創出することができず、仕事を回すことで1日が過ぎてしまいます。

町工場を変えるためには利益が必要であり、新たな利益の創出には社外での新たな挑戦が必須です。

この記事では町工場の社長は工場の仕組み化なしでは外で挑戦する時間が作れない事態に陥ることを解説します。

目次

社長はやることが多すぎて外に出れない

日本で一番忙しいのは既存顧客の対応、工場管理、生産管理、材料調達の全てを1人で行う町工場の社長であり、仕事が多すぎて現場や事務所に入りっぱなしの状況が大問題なのです。

基本的に町工場の社長は社長室で経営だけやっているなんて人はいないはずで、基本現場にいて、見積依頼や納品、顧客対応など全てに携わっているはずで1日の大半が既存業務に追われて、社外に出ることすらままなりません。

ここでは町工場の社長が現場や事務所に縛られるのが大問題である理由を解説します。

町工場の社長はとにかく忙しい

外に出る暇なんて全くないほど社内の仕事に縛られているのが町工場の経営者の実態です。

経営者と聞くと、現場は社員に任せて、自分はお客さんとゴルフなんてのはあり得ません、町工場の経営者は誰よりも早く工場に来て、誰よりも遅く事務所を出る、まさに日本で1番忙しい経営者です。

「経営だけすればいい」など夢のまた夢で、現場で経営者自身もモノづくりをして、顧客対応の電話もして、見積依頼もして生産管理もして、材料調達もして、本当に全ての業務を経営者が関わらなければ、町工場の大半は会社が回りません。

現場に人に聞いても、「社長じゃないとわからない」「社長は別件対応中です」と見積進捗を電話で聞いても事務員さんは1つもわからない、現場の人に納期を聞いても「社長しかわからない」と全て社長が仕事を背負い込んでいるのです。

本来、経営者は常に会社の先を見て、新しいことに挑戦し、新たな利益を創出するチャンスを作る仕事をすべきなのですが、町工場の経営者は頭の中にアイディアややりたいことがあっても目の前の仕事をこなすので精一杯なのです。

貴重なアイディアや会社を変える思いつきも、日々の仕事を回すことに精一杯になるあまり、いつの間にか頭の中から消えて、町工場がいつまで経っても現状維持のままとなる。

これが町工場のよくないパターンで、会社を変える経営者が忙しさの振り回されて、本来やるべきことができなくなってしまうのです。

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現場に入り続けるのは最悪

町工場の経営者が外に出ることなく現場に朝から晩まで入り続けるのは経営の面でも人材育成の面でも最悪のパターンです。

多くの町工場では現場の職人さんに混じって経営者の方が作業をしていることが多いですが、経営者の方が現場に入ってしまうと経営と人材育成の面で大きな問題が発生します。

  • 現場に入ると経営に関わる仕事や既存顧客に関わる仕事が止まる
  • 従業員も社長がやってくれる環境に甘えてしまい、従業員の技術研鑽が止まる

1日は平等に8時間しかありませんが、その中で現場に入って作業をしてしまうと、経営に関わる仕事は全てストップとなり、会社の変化を起こす行動が何1つとれず、会社に変化が起きない状況が生まれ、現状維持が続きます。

また、既存顧客対応に関しても現場に入っている時は連絡しにくくなるので、既存顧客への「納期回答が遅れる」「見積回答が遅れる」など既存顧客から催促の電話も多くなり、少しずつ信頼を失うことに繋がります。

人材育成の面でも、社長が現場にいてくれれば、何かあっても「社長に言えばいい」「社長がなんとかしてくれる」という環境になってしまい、従業員の技術成長の機会がなくなり、現場のレベルも停滞してしまうのです。

現場に入ることが悪とは言いませんが、社長が現場に入り続けると、経営も人材育成も全て停滞するという事実を知っていただきたいです。

本来、経営者は従業員ができない仕事、会社に新たな利益を生む仕組みや変化を起こすことが目的であり、現場から離れることが本来は理想なのです。

町工場の社長がすべきは新しい挑戦

現場に入らずに社長は何をすべきか、それは従業員では決してできない新しい利益を生む仕事をすることであり、内向きでなく外向きに将来の利益に繋がる新しい挑戦をすべきなのです。

町工場の社長は本来、工場や事務所にいる従業員ではできないような仕事に時間を使い、取り組むべきなのです。

会社をより良い方向に導くために町工場の社長は新しい顧客を作るための営業活動、新規で加工設備を購入する補助金申請、未来の現場を担う若手の採用、業務のデジタル化などやるべきことが山ほどあるのです。

現場に入ってしまうと、本来やるべきことを横に置いて改革の手が全て止まってしまうことのリスクを今一度理解してください。

社長が現場に入れば、納期遅延も起きず、確かな品質の物が社長の手で作られるかもしれませんが、社長が現場に入り続ける限り、現場は頼り続けて、いつまでも社長の手が現場から離れることはないのです。

現場に入るとは、社長が新しいことに挑戦する時間を失うと同じであり、町工場にとって1番の機会損失であることを自覚してください。

なぜなら、事実として町工場の従業員は「言われたことはやる」が会社を変えるために自ら新しいことを率先して挑戦することは決してなく、それができるのは町工場の社長だけだからです。

町工場の社長はいかに自分が現場を離れても問題ない環境を作るかが重要であり、現場を離れることができれば、本来の新しい挑戦に臨むことができ、会社に変化を起こす状況が生まれるのです。

町工場の社長が最優先で考えるべきは仕組み化

町工場の社長が最優先に考えるべきものは社長がいなくても会社が回るための仕事の仕組み化であり、誰であっても同じ品質で仕事やモノづくりができる環境を作るかなのです。

「社長じゃないと」「社長しかわからない」というのは町工場にとって極めて危険な状態だと認識してください。

町工場の社長は自分が現場にいなくてもいい仕組みを作って初めて、会社を変えるための挑戦に時間を使えるようになるのです。

ここでは町工場の社長が考えるべきが仕組み化である理由を解説します。

「社長しかできない」は会社の限界

「社長しかできない」の数だけ社長には自分の時間を浪費する仕事を抱え込んでおり、抱え込む仕事の数だけ新しい挑戦に使える時間が存在しないと考えてください。

多くの町工場では以下のような「社長にしかできない仕事」が存在するはずです。

  • 見積回答できるのは社長だけ
  • 納期回答ができるのも社長だけ
  • 材料屋とやり取りできるのも社長だけ
  • 既存顧客とやり取りできるのも社長だけ
  • 生産管理ができるのも社長だけ

このように社長しかできない仕事が多ければ多いほど、社長は業務対応に時間を追われてしまい、いつまでも工場や事務所にいなければいけない、つまり外で新しい挑戦ができないのです。

「これは社長しかわからない」という言葉が出る業務は従業員では対応できない仕事という意味であり、仕組み化ができておらず、社長に依存しなければ、仕事が進められない会社として極めて悪い状況なのです。

本来は知識や経験の差に左右されず誰でも簡単に仕事ができて、均一の品質になるのが理想ですが、「誰かしかできない」というのは仕組み化ができていない依存された仕事なのです。

町工場の社長も1人の人間で、仕事が1つも従業員に振れず、自分が他のことをしていても次から次に仕事が降ってきて、いつまでも片付かない、残業ばかりしていては新しいことをする気力も無くなって当然です。

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誰でもできる仕組みが町工場に必要

町工場に必要とされるものは誰かに依存しなくても「誰でも仕事ができる環境」であり、仕事の仕組み化が進むことで、社長の負担がどんどん減る構造が出来上がります。

従業員の誰でもできる仕事が1つ1つと増えていくと、社長が抱え込んでいた仕事が1つずつ減っていき、新しいことに挑戦する時間が生まれます。

仕組みが必要と言っても高額なシステムを導入しなければならないというわけでは決してありませんのでご安心ください。

必要なのはお金をかけずにアイディアと工夫だけであり、お金をかけなくても町工場の仕事は簡単に仕組みにすることができます。

世の中には便利なツールは山ほどあり、適切なツールを選び出せば簡単に町工場の仕事は変わります。

以下の記事では現場の紙の図面管理を工夫とアイディアだけで全てペーパーレスにして未経験で入社した若手でも均一なモノづくりの仕組みを作った株式会社曽我製作所さんの仕事の仕組み化に関して解説していますので併せてご覧ください。

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仕組み化によって時間が生まれる

町工場は仕組みづくりを進めることで、仕事の平準化が進み、誰でも同じ品質でモノづくりができるというメリットもありますが何より1番嬉しいのは仕組み化したことで社長に新たな挑戦ができる時間が生まれるのです。

町工場が変わるには現状から変化するしかなく、そのためには社長が現場を離れて、会社の外で新しい挑戦に取り組むしか方法はありません。

今までは新しい挑戦をしようにも既存の仕事が忙しい、現場に入らないといけないために「時間がない」と言って本来やるべきだった仕事に手をつけずに放置していましたが、仕事の仕組み化をすれば、社長は現場に入る必要がなくなります。

「時間がない」というのは言い訳であり、時間を作るための努力をしてこなかったから現場に入り続けるしかなかったのです。

世の中は絶えず変化しており、町工場はその変化から完全に取り残されてしまっており、現場から出れなかったのも、現場から出ようと考え、自分じゃなくても仕事が回るように仕事の方法を変化させてこなかったのが原因です。

しかし、仕組み化によって現場に入らなくても仕事が従業員だけで回れば、町工場の社長を縛りつけていた仕事は全てなくなり、会社の外に出て思う存分、挑戦できる時間ができるのです。

以下の記事では大半の町工場の経営者は「時間がない」ことが共通課題でしたが、今後も町工場として生き残るためにすべきことを解説していますので併せてご覧ください。

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仕組みで生まれた時間で挑戦する

町工場の社長は仕事の仕組み化によって生まれた時間で何をすべきか、それは今まで町工場が取り組めなかった新しいことへの挑戦です。

仕組みを作ることに成功すると、既存の仕事に手がかからず、町工場の社長には時間が生まれますが、遊んでいてはいけません。

生まれた時間ですべきは今までと違う仕事をする、新しい挑戦こそが町工場を変えるために必要な行動なのでです。

ここでは町工場の社長が仕組み化で生まれた時間ですべきことを解説します。

町工場の社長がすべきは今までにない挑戦

町工場の社長は時間が出来たからといって、現場に入り続けてはいけません、現場にいても町工場には変化が訪れず、変化のチャンスは町工場の外にしか落ちていないからです。

世の中には絶えず変化が起きていますが、町工場は今まで世の中の変化から置き去りにされてしまったために多くが町工場は苦しい経営を強いられています。

この状況から抜け出すためにすべきことは、会社の外での新しい挑戦に取り組むことです。

  • 1社依存を脱する、異業界での顧客を見つけるなどの営業活動
  • 補助金を活用し、生産性を高める、今まで出来なかった加工領域への挑戦
  • 下請けのままでなく自社製品を開発し、消費者と直接繋がる

今までと同じことをしていても結果は変わらず、同じままでは工場を変えることには決して繋がりません。

現状を変えたいのであれば、今までやったことがないことに挑戦してこそ、初めて今まで見えなかった世界や今までなかった顧客との出会いと巡り逢えるのです。

とはいっても、町工場の社長が今までやったことがない挑戦にゼロから取り組むのはなかなかハードルが高く、自ずと時間もかかってしまいます、この記事では町工場が何でもかんでも自社で抱え込むと成長が止まってしまう背景を解説します。

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待ち工場から卒業すると未来が変わる

世の中の多くの工場は仕事を待ってばかりの「待ち工場」が大半ですが、仕事を待つでなく、仕組み化で時間を創出し、仕事を自分たちの手で取りに行く工場に変化することによって未来を変えることができます。

昭和の時代は確かに待っていればいくらでも仕事は入ってきたのは事実です、しかし、令和の時代は日本経済も停滞し、メーカーも十分な仕事が確保できず、もう口を開けて待っていても仕事は町工場に入ってこない状態です。

悲しい現実ですが、これから先も仕事が降ってくるのを待ってばかりの待ち工場は間違いなく衰退、そして最後には廃業の未来しかありません。

でも、仕組み化で時間を創出し、今までやっていなかった営業に挑戦をして、「仕事を待つ」から「仕事を取りに行く町工場」に変化すれば未来は大きく変化します。

結局、会社を変えるためには行動をするしかなく、仕事を取るために行動する量が増えれば増えるほど、種まきの回数が増えて、時間の経過と共に徐々に仕事は増えていきます。

今までとは違う仕事を手に入れれば、以下のような変化が町工場に生まれます。

  • 既存業界では実現できなかった利益の獲得
  • 新たな業界への挑戦で技術の底が上がる
  • 獲得した利益で設備投資と人材投資が可能に

仕組み化で生まれた時間で営業に挑戦することで「待ち工場」から抜け出して、会社の明るい未来を手にするのはいかがでしょうか。

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まとめ:町工場の社長は仕組みを作って時間を創造せよ

この記事では町工場の社長は仕組み化なしでは、外で挑戦する時間が作れない事態に陥る点に関して解説してきました。

町工場の社長はやることが多すぎて多忙であり、本来やるべきことに手が出せない状況というのは重々承知していますが、そのまま1日を仕事に追われて時間だけ過ぎていく日々を送っても会社は現状維持のままで変化はあり得ません。

変化を町工場に起こすためには社長が新しいことに挑戦することが必要であり、そのためには既存業務で奪われている自分の時間を仕事の仕組み化で取り戻す必要があるのです。

「社長にしかできない仕事」を減らし、自分自身が現場に入らなくていい環境を作ることこそ、現状打破したい町工場の社長がすべき最優先事項なのです。

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