町工場は大阪を狙え!なぜ大阪は町工場が新規開拓しやすいのか解説

金属加工業の町工場で新規顧客や異業種の仕事を獲得したいなら、「大阪」こそ宝の山です。

今、金属加工業の町工場が日本で1番新規開拓をしやすいのは「大阪のメーカー」であることをご存知ですか?

大阪と聞くと、「町工場のメッカであり、仕事はないでしょ」と考える人は間違っており、2023年現在、大阪に工場を構えるどのメーカーも新しい町工場からの提案を求めています。

その理由は「横持ち問題」「廃業」「後継者問題」などが原因となり、大手メーカーであっても町工場からの提案を待ち望んでいる状態なのです。

この記事では大阪がなぜ金属加工業の町工場にとって新規開拓しやすいのか、その理由と購買部の現状を解説します。

新規顧客が欲しい、異業種の仕事を手に入れたいと考える町工場の方は必見です。

目次

大阪は仕事が欲しい町工場にとって最高の環境

大阪は仕事が欲しい町工場にとって最高の営業環境が整っているため、簡単に購買部と話ができて、図面獲得できる状況になっています。

ここでは、なぜ大阪が町工場にとって最高の環境なのかに関して解説していきます。

どの購買部もサプライヤー不足で困っている

大阪に工場を構えるメーカーの購買部は共通して、サプライヤー不足の大問題を抱えています。

大阪といえば、モノづくりの街であり多くの町工場が存在し、技術を競っているのが昔のイメージですが、現在はそのモノづくりを支えた町工場が大阪府からどんどん姿を消しています。

高齢化や廃業問題はどこでも耳にするか内容ですが、大阪では深刻な廃業問題が起きており、特に町工場の経営者の高齢化が顕著に起きており、急に体を壊して、いきなり廃業するメーカーにとって最悪のケースが頻発しています。

ある日、いきなりサプライヤーである町工場から「社長が倒れた」という連絡が入り、急に部材が仕入れられなくなる、どこでも作れる簡単な部品だけでなく、メーカーのコア部品を手がける重要なサプライヤーでも突然の廃業が起きているのです。

当然、廃業が起きると購買部は他のサプライヤーとなる町工場を探す必要がありますが、大阪府内のメーカーで一斉に廃業問題が起きているので、「町工場の奪い合い」が起きます。

廃業で町工場の数は減っているのに、どのメーカーも代替先となる新しい町工場を欲して必死に探す、そうなると依頼を受けても町工場側で「他の仕事でいっぱいです」の状況に陥り、メーカー側でサプライヤー不足に繋がっているのです。

つまり、大阪のメーカーは喉から手が出るほど新しいサプライヤーとなる町工場を求めているのです。

大手メーカーもすぐ話を聞いてくれる

サプライヤー不足はもちろん、廃業リスクのある町工場の入れ替えの強い課題意識から大手メーカーであっても町工場からの新規提案を受け入れて、打ち合わせの機会をすぐに作ってくれます。

これまでは間に合っている」「新規取引先は受け付けない」と町工場の提案を聞きもしなかったメーカーが、今ではどんな小さい町工場であっても提案を受け入れて、「すぐに話を聞きたい」と受け入れてくれる状況に変わっています。

これは大手メーカーでも既存のサプライヤー廃業問題が起きている証拠です。

これまでは既存サプライヤーで問題なく仕事が回っていたので新しい町工場の話なんて聞く必要がないと考えていた購買部が廃業問題が起きて、代替サプライヤーが簡単に見つからなくなり、提案してくる町工場が貴重な存在となったためです。

購買部も既存の調達業務が忙しく、自分たちで新しい町工場を1から探すのは大変なので、廃業問題と購買部が町工場を探せない状況が生まれ、新しい町工場からの提案は購買部にとって最高に嬉しい、喉から手が出るほど待ち望んだ連絡なのです。

以下の記事では町工場が大手メーカーの開拓に成功した事例を解説していますので、大手メーカーの開拓を考えている方はぜひ参考にしてみてください。

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ライバルの町工場がいない、営業もしないから相見積なし

廃業問題でライバルの町工場がどんどん減る、廃業問題がない町工場があっても新規開拓をしないので、購買部も比較ができないので相見積にならない環境になっています。

町工場が新規開拓を躊躇する理由の中に「相見積で安く叩かれる」という不安があると思いますが、サプライヤーが足りてない大阪では値段よりも安定調達する方が優先順位が高くなっています。

加えて、相見積は基本的に比較する町工場が他にいて成立するものですが、大阪ではその比較先になる町工場がいない、新規開拓をするような町工場が少ないので、新規開拓した町工場しか購買部の目に映りません。

そもそも廃業をした工場の代わりとなる町工場が見つからない状況で、「安く買い叩いてやろう」なんてことを考えるよりも「この町工場を逃したら、加工先が見つからない」という考えてしまうほど切迫しているのです。

それに、新規開拓に継続的に取り組んでいるような町工場は100社に1社もないので、新規の町工場が同じ案件を取り合って相見積になるという状況はまずあり得ません。

そのため、この記事を読む町工場の方が大阪で新規開拓に取り組めば、ライバルもおらず、相見積もりもされない最も有利な環境で新規開拓ができるのです。

大阪のメーカーが抱える課題

大阪が町工場にとって新規開拓しやすい環境であると同時にメーカーの購買部は新規の町工場が喉から手が出るほど欲しい3つの大きな課題を抱えています。

新規開拓がしやすい環境に加え、購買部が顕在化した課題を有している点が町工場が大阪のメーカーを新規開拓すべき理由になっています。

ここでは大阪のメーカーが抱える問題を解説します。

大阪特有の横持ち問題

大阪のメーカーでは調達において、部材を町工場の間で何回も横持ちする調達方法が大きな問題になっています。

これは大阪固有の問題ですが、大阪の町工場は基本的に加工範囲が限定されており、曲げしかやらない町工場、溶接しかやらない町工場など完全に分業化されており、完成品を仕入れるまでに何度も製品を横持ちする必要があるのです。

横持ちが多いということは物流コストが割高になることはもちろん、納期も長くなり、購買部にとってデメリットでしかありません。

極め付けは購買部が負担する発注の手間に関する問題です。

仮に1つの製品を3つの加工先を横持ちして仕入れる場合に購買部は3社に連絡をして、納期や物流の手配をしなければならなくなり、納期調整が起きた場合3社とのやり取りが必要になり、手配業務だけで業務時間の大半を使ってしまうのです。

ワンストップでレーザーでの抜き、曲げ、溶接、仕上げまで対応できる町工場であれば1度連絡すれば、購買部の発注は終わるのに横持ちをする会社の数だけ手間がかかっています。

大阪のメーカーの購買部は残業が多く、その原因は調達製品の大半がこの横持ち問題が関わる調達で手配と町工場への調整業務が多すぎることです。

大手メーカーでは朝7時から夜の22時まで働かないと調達ができないなどの残業問題も起きており、横持ちをすればするほど物流コストに加え、購買部の残業による人件費が必要になる状態なのです。

横持ちの手間がかかるほど、購買部は残業が増え、更に手が回らないので人が追加で必要になり、製品の見積ではわからない見えない人件費が山ほどメーカーにのしかかるのです。

つまり、仮に調達コストを20%削減したとしても、通常の業務で残業を積み重ねたら、コスト削減以上の赤字になっているのが横持ち問題が購買部が抱える大きな課題となっています。

既存サプライヤーが次々と廃業

高齢化や廃業問題は昔から耳にするかと思いますが、大阪では深刻な廃業問題が起きており、中には高齢な経営者が急に体を壊して、いきなり廃業するなどメーカーにとって最悪のケースが頻発しているのです。

  • コア技術を担っていた町工場が病で生産対応不可に
  • 高齢な社長がいきなり倒れて、廃業

通常は事前にメーカーに相談し、既存生産品の代替先を見つけるための一定期間を設けた上でメーカーとの合意の上で廃業するのが一般的ですが、上記のように大阪では「突然の廃業」が起きています。

購買部にとって、突然の廃業は1番避けたい問題ですが、大阪ではいきなり、サプライヤーがいなくなる環境になっているのです。

サプライヤーの廃業が原因で、メーカーは自社の外注先としてサプライヤーを囲い込むので、大阪では発注したくてもどの町工場も他の仕事でいっぱいで発注できないのでサプライヤー不足が起きています。

その結果、本来は外注先で加工すべき製品をメーカーが自社工場の重要な生産リソースを使って自社生産したり、残業時間を増やして付加価値の低い生産をメーカーが行わざるを得なくなっています。

廃業が増えたら町工場は新規開拓すべき理由に関して詳しく知りたいかは以下の記事で詳細に解説していますので併せてご覧ください。

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後継者がいても安心できない

大阪のメーカーは高齢化問題はもちろん、後継者の能力が不足するサプライヤーに強い危機感を抱いています。

高齢化問題が原因で町工場の廃業が多くなっているのが大阪ですが、一方で後継者がいる町工場も存在しますが、この後継者の能力不足がメーカーの購買部の頭を悩ませています。

具体的な悩みは以下のような内容です。

  • 加工相談しても「親父に聞かないとわからない」と後継者が頼りにならない
  • 技術に対する知見が薄く、加工相談ができない
  • 先代に比べるとレスポンスが悪い

購買部の方に話を聞くと共通しているのは「親父に聞かないと」「親父しかわからない」というワードが出てくる後継者の町工場があまりにも多いとの声でした。

後継者なので一定の現場経験はあるが、作業者としての経験であり、見積や加工技術に関しては知見や経験がなく、「親父に聞かないと」という自分自身で答えを出して提案ができる後継者がいない町工場にメーカーは強い課題を抱いています。

先代とは昔からの付き合いで助けてもらったが、後継者があまりにも実力不足であり、将来に渡って信頼して部品制作を依頼できるかというビジネスの観点で見た場合にメーカーは大きなリスクとして捉えているのです。

そのため、購買部では過去から付き合いがあったとしても、後継者が信頼たり得る存在でない場合は、信頼できる町工場に切り返す動きに着手しています。

購買部の抱えている課題や悩みをもっと詳細に知りたいという方は以下の記事で購買部の実態を詳しく解説しておりますので、併せてチェックしてみてください

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大阪のメーカーが必要とする町工場の特徴

大阪のエリア、そして大阪のメーカーがどれだけ新規開拓しやすいか理解したところで、具体的に大阪のメーカーは新しい町工場に具体的にどのような点を求めているか知りたくないでしょうか。

ここでは大阪のメーカーが必要とする新規のサプライヤーとなる町工場の特徴を解説します。

ワンストップ調達

大阪の購買部はとにかく1回の見積依頼、1回の発注で必要な情報、必要な製品を提供してくれるワンストップ生産を提供してくれる町工場が大好きです。

廃業や横持ちの問題が顕在化するまでは加工ごとに複数社に見積を取り、加工ごとにそれぞれ発注する面倒で手間のかかるスタイルを取っていましたが、町工場が減ったことや購買部自らの残業の問題でこの昔ながらの調達はできないのです。

そこで大阪のメーカーはとにかく購買活動に時間がかからない、定時で購買部が帰るためには今まで手間をかけていた発注業務を効率化する、つまり3回発注連絡していた業務を1回の発注で済ませる必要があるのです。

また、トラックでの横持ちは見えない物流コストがかかる、物流手配に手間がかかるなどデメリットが多すぎるので、1回の発注で抜き、曲げ、溶接、後処理まで全てこなしてくれるワンストップ加工ができる町工場を重宝しています。

ワンストップ加工ができる町工場は購買部にとって以下のメリットがあります。

  • 見積依頼が1回で済む
  • 物流コストが最低限で済む
  • 調達にかかるコミュニケーションが最小限で済む

大阪エリアでワンストップ調達ができる町工場はどのメーカーに提案しても間違いなく話が聞いてもらえる、かつ提案をすれば図面獲得ができるなので大チャンスです

VE提案ができる

大阪の購買部はただ注文を待つだけの「待ち工場」でなく、既存製品に加工面でVE提案をしてくれる町工場を求めています。

購買部に評価してもらいたいなら既存の図面を見て、「加工方法を変えませんか?」「こっちの方が工数がかからないです」とVE提案をするべきです。

購買部にとって廉価で高品質なものを納品してくれる町工場は当たり前の存在であり、町工場は仕事を取るために価格で競い合ってしまうと、薄利の商売となり、やってもやっても利益の出ない商売に手を出すことになります。

しかし、VE提案を行い、メーカーの設計部分に提案活動をする町工場は仮に多少価格が高くても町工場は採用するべき町工場と判断してくれます。

理由としてメーカーの製品設計をする設計部には以下のような課題があるのです。

  • 昔ながらの設計方法を変えようとしない
  • 加工に関する詳しい知識を持っていない
  • 材料に関する知識も薄い

メーカーの設計では基本同じ業界で似たような製品を製造するので、昔ながらの設計を踏襲し、外部の最新の加工方法や加工技術を知らない「井の中の蛙」状態で割高な加工方法や無駄に頑丈に作るなど設計に大きな問題を抱えているのです。

設計担当も自社のことしか知らないので外部でどんな技術が多く採用されているかを知らない「井の中の蛙」なので外部で採用されている加工方法を基にもっと最適な加工方法を提案してくれる町工場は非常に貴重なのです。

また、購買部にとっても設計部がややこしい設計にして調達が困難になるという悩みも抱えているので、町工場のVE提案で調達が楽になれば、購買部にとっても調達しやすい製品になるので設計部と購買部の両方に気に入られるのです。

廃業リスク・後継者問題なし

大阪のメーカーは周りの町工場で起きている廃業と後継者問題を極めて大きな課題と捉えているので、廃業リスクがない、後継者も経営を回せることをしっかりと示すことが重要です。

廃業と後継者問題は実のところ購買部よりも経営層がかなり敏感になっており、コストも品質面もデリバリーもいい町工場だとしても廃業リスクと後継者リスクがある場合に経営層が口座開設NGを出すケースも増えています。

経営層は長年取引をしていた関係であっても廃業リスク、後継者が不安定な町工場の場合は取引量を減らして、段階的に切り替えをするという強気な姿勢です。

その背景として、サプライチェーンを脅かすリスクの高い町工場を抱え続けると、突然の部品供給の断絶はもちろん、代わりになる町工場が見つけにくい状況を鑑みて、サプライチェーンを脅かす存在は早めに排除するという考え方なのです。

そのため、購買部としても提案をしてくる町工場に対して、最初に見るポイントが会社が高齢化していないか、後継者がしっかりとしているかというポイントでここでつまづくと、まず口座開設ができません。

購買部が町工場を判断をするポイントは以下です。

  1. 社長や経営層が高齢化していないか
  2. 社長が高齢なのにずっと現場に張り付いていないか
  3. 後継者は経営はもちろん、技術に精通しているか

上記のようなポイントを購買部は見ているので町工場は先んじてこの部分の不安を解消する説明ができれば、購買部とスムーズに話をすることができます。

そのため、メーカーと打ち合わせをする際は1回目の必ず、「社長・経営層手が高齢化していない」「後継者も技術がわかり、経営をうまく回している」と具体的な例を持って説明する必要があるのです。

まとめ:大阪の町工場で仕事が欲しいならすぐに新規開拓せよ

この記事では仕事が欲しい町工場は大阪のメーカーを狙うべきで、なぜ大阪は町工場が新規開拓しやすいのか解説してきました。

大阪のメーカーでは既存サプライヤーの廃業と大阪エリアの町工場固有の分業制が原因となる横持ち問題が大きな課題となっており、課題解消のために新しい町工場からの提案を待ち望んでいます。

経営層から直接購買部に「新しい町工場を探せ」と指令が出るメーカーもいるくらい大きな問題ですが、現場の購買部は既存の調達業務で忙しく、展示会などで新しい町工場を探す余裕もないので、町工場からの提案が1番嬉しいのです。

仕事が欲しい町工場にとってこれだけ大阪のメーカーが困っており、新しい町工場を喉から手が出るほど欲している状況はまさにチャンスでしかありません。

「日に日に仕事が少なくなっている」、「既存業界では将来が不安」と考える町工場の方は今すぐに大阪のメーカーへの提案を始めてください。

とはいえ、新規開拓をしたことがない町工場の方が明日から急に新規開拓をするのは難しいと思います。

弊社は日本で唯一、金属加工業の新規開拓を丸投げで支援する営業支援サービス「AnySales」を提供し、日本全国の町工場の新規顧客開拓を支援しております。

「時間が捻出できず、自分では営業に取り組めない」「新規開拓したいけど営業方法がわからない」など新規開拓に悩みを抱える町工場様はぜひ資料請求にてサービス内容をご確認ください。

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