町工場を経営するために今すぐ卒業すべき3つの負の遺産と解消方法

「1社依存」「業務がアナログ」「現場が高齢者ばかり」この3つ全て当てはまった町工場は、今すぐに行動を起こさないと、廃業の未来が待っています。

目を伏せたくなる内容ですが、以下のような状態の町工場は今すぐに変革を起こさなければなりません。

  • 先代社長の頃から長い間、育ててもらった取引先としか取引がない1社依存状態
  • 昔からの仕事のやり方が変わらず「現場は紙だらけ」「無駄な仕事ばかり」など不効率な仕事をしてる
  • 工場の現場に若手が少なく、高齢者ばかりでいつ限界が来るかわからない

上記のような町工場が日本全国に存在しますが、令和の時代に入り、少しずつ限界が近づき、多くの会社が会社を畳まざるを得ない状況になっているのがモノづくりの現場の事実です。

町工場は日本になくてはならない存在であり、今後は団塊の世代の社長が高齢化を迎え、2代目、3代目の後継の方が町工場を支える番となりますが、3つの負の遺産を抱えていては町工場に未来は訪れません。

この記事では、町工場が今後も存続するために卒業をしなければならない3つの負の遺産の内容とその解消方法を解説します。

高齢になり、体にも限界が見え始め、後継者への引き継ぎを考えている町工場の社長、これから会社を継ぐ後継者の方は必見です。

目次

町工場が抱える3つ負の遺産

多くの町工場は令和になった今でも昭和の時代から続く「負の遺産」から卒業できず、時代遅れの経営を抱え込んだままの状態です。

町工場の負の遺産の悪いところは当たり前になりすぎて問題が目立ちにくい、かつすぐに悪影響が出ない時限爆弾のようなもので負の遺産を抱えたままでも町工場は通常通り経営ができてしまう点です

この時限爆弾が平成から令和の時代になって、時間の経過と共に町工場の経営者の頭を悩ませる種になり、負の遺産から卒業ができない町工場は爆弾が爆発し、途端に経営がどんどん厳しくなり、廃業という最悪の未来が見え始めるのです。

ここでは町工場が抱える3つの負の遺産を解説します。

取引先が1社依存

大半の町工場は昔から育ててくれた特定のメーカーとの取引に依存しており、他の取引先がないため、主要取引先の発注に左右される1社依存が負の遺産になっています。

経営をする上での売上先となる企業が1社のみで、他に売上を支える企業がおらず、取引先の業績が悪くなると、一気に売上が減り、経営に大ダメージを受ける、売上の補填先がない状態を指します。

「1社依存」の問題を抱える町工場があまりにも多いですが、これは昭和の時代の弊害であり、日本の経済成長期では仕事が溢れており、1社のメーカーと綿密に関係を築けば、経営が回る状態なので、1社に依存し続けても問題なかったのです。

当然、昭和の時代ではメーカー側も「町工場さんと一緒に成長する、大きくなる」の人情に溢れた人が多く、多少高くても長年の関係があるなどで、サプライヤーの町工場を守る、町工場への仕事を絶やさないという文化でした。

時代が変わり、メーカーは「安ければいい」「長年の関係はもう知らない」の考えに変わり、町工場の仕事を人件費の安い中国に切り替える、流れていた仕事を社内で内製化するなど、利益重視に変わり、昔ながらの町工場との関係から卒業して行ったのです。

その結果、長年の関係がある主要取引先からしか仕事をもらっていなかった町工場はある日、突然ハシゴを外され、長い間、1社からずっと仕事をもらえていたので、他の業界も知らない、営業もしたことない状態が令和の町工場の状態です。

長年、1社と付き合っていればよかったので営業活動をしたこともないので、1社依存から抜け出そうにも営業をどうすればいいのか、どうやって仕事を取ればいい、そもそも営業がわかる人間がいないので新規顧客を取れない負のジレンマになるのです。

業務がアナログのまま

時代が変わり、効率的に仕事ができる時代なのに昭和の時代から変わらず非効率で時間と手間のかかる仕事の仕方を行なっており、新しいことに取り組む時間が失われている状態が町工場の負の遺産の2つ目です。

町工場は深刻な人不足の中で社内にいる人材だけで仕事を回さないといけないのに、いつまでも無駄な仕事に時間を取られる、新しいことに取り組みたいのに、手間がかかる仕事をこなすだけで時間がどんどん奪われていくのです。

具体的に以下のような状態の町工場は業務がアナログなままです。

  1. 図面が紙のままで事務所に溜まっており、すぐに該当図面を探せない
  2. 過去の見積を探すだけで10分〜15分平気で時間がかかる
  3. 現場の製品がどの工程にあり、どの状態なのかをすぐに把握できない
  4. 材料会社に毎回同じ材料の価格や納期を電話で確認している
  5. 簡単な製品でも見積は社長しかできない

どの町工場も、経営者も仕事で与えられる時間は8時間であり、この8時間の間に必要な仕事を全てこなす必要がありますが、それに加えて、負の遺産を抱える町工場では会社を変えるための新しい改革や挑戦に取り組まなければなりません。

しかし、アナログ業務のままでは、無駄な仕事に余計な時間ばかりかかってしまい、一向に新しいことに取り組めない、取り組まなければの危機感は持っているが、いつまでも行動に移せないのがアナログ業務の大問題です。

町工場はこのアナログ業務から卒業できない限り、永遠に経営を変えるための行動を取ることはできません。

現場が高齢者ばかり

モノづくりを支える現場が高齢者ばかりで未来の現場を支える若者が一向に入ってこない、入ってもすぐ辞めてしまう状態が町工場の3つ目の負の遺産です。

現場を見回してください、もしも工場内で働いている人の中に若手が1人もいない、現役の時代が過ぎ、目も悪くなり、体も思うように動かない、急な休みを取ることが多くなった方ばかりの場合は、今すぐに変革を起こすべきサインです。

現場の恒例の職人さんが悪いわけでは決してありません、悪いのは昔から会社を支えてくれる職人さんが高齢になるまで若手が入れて、若手でも仕事ができる環境を用意できなかった点です。

「町工場だから人を集められないのは仕方ない」「3Kだから誰も来ない」というのは言い訳であり、町工場でも常に若手が入る、女性が多数働かれている工場は存在します。

人が集まる町工場と集まらない町工場の違いは「若手でも仕事ができる環境」「職人に依存しない現場」の有無だけです。

「俺の若い頃は仕事は先輩から盗んだ」なんてことを言うような現場に令和の時代の若者は絶対に集まりませんし、どれだけ高額な費用で採用しても3ヶ月と持たないはずです。

町工場は「素人でも簡単で仕事ができる環境」を作る必要がありますが、いつまでも高齢の職人に依存し、「この人しかできない」「〇〇さんの機嫌を損ねたら。。」と職人の顔色を窺って現場を変えられないために未来を作る現場の若手が育たないのです。

高齢者ばかりの現場が悪いわけではありませんが、今いる職人に合わせた仕事の仕方では、現場に若手は入りませんし、育てることもできない、社内の雰囲気も変わらない、社内に新しい風は一向に吹き込まないです。

町工場が負の遺産から脱する方法

町工場が自力で負の遺産から脱するのは極めて難しく、長年続いてきた問題を解決するためには社内には存在しない経験や知識を持つ外部の町工場を知るプロに任せるのが1番であり、1番早く負の遺産からの脱却が実現します。

町工場が社内の力だけで解決することは不可能ではありませんが、既存の仕事をこなすので精一杯であり、負の遺産にどっぷり浸かった状態から180度視点を変えて、知識や経験もない状態から問題解決は極めて困難です。

今までずっと負の遺産にどっぷり浸かった状態から抜け出すのに重要なのは外の力を借りることです。

ここでは町工場が負の遺産から脱する方法を具体的に解説します。

1社依存からの卒業はプロに任せる

町工場が1番苦手な営業、特にはじめましての状態から関係を作り出す顧客の新規開拓は外部のプロに任せるべきです。

1社依存状態の町工場様に3つ質問があります。

  • 社内に営業活動ができる人材がいますか?
  • メーカーから仕事を獲得するためすべき事を把握していますか?
  • 他の業界どんな仕事があるか把握していますか?

おそらく上記の質問に「YES」と答えられる町工場様は1社もいないはずで、大半の会社がどの質問も「No」であり、社内に新規開拓ができる体制が存在しないのです。

昭和の時代は仕事に溢れていたので、町工場は営業をしなくてもよかったために、大半の町工場では営業をしなければならないのに営業機能が存在せず、社内に営業ノウハウが1つも蓄積されていません。

そんな状態の町工場が新規開拓をして、新規顧客を捕まえるの現実的ではありません。

1社のメーカーに1つの業界に依存してしまったために、「取引していない業界のことが1つもわからない」、「営業活動って何を話せばいいの」という状態が生まれています。

かつ、新規開拓の営業をすると言うことは、既存の仕事を止める必要があり、経営者の方が営業する場合は、本来行う経営や現場管理、既存顧客の対応の全てをほったらかして、往復の移動時間などに時間を奪われるのです。

3つの負債を抱える町工場の経営者様は新規の仕事が欲しくても、そもそも新規開拓をする時間を捻出するのが難しいと言う問題もあるます。

営業をしたことがない、得意な人もいない町工場が自力で新規開拓をするのは極めて困難であり、外部の金属加工の営業のプロに任せるのが1社依存状態の町工場の最善種なのです。

以下の記事では営業できる人材がおらず、営業をする時間もなかった町工場をアトツギが外部のプロに営業を丸投げすることで1年間で4つの業界の新規開拓に成功した事例を解説していますので、ぜひチェックしてみてください。

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無料ツールでお金をかけずに効率化

モノづくりとITの両方を理解するプロに任せれば、現場の非効率な業務は世の中にある無料のツールの活用だけで簡単にお金をかけずに解決できます。

町工場の経営者の方は工場の業務効率化において「コストのかかるシステム」を導入して、「町工場の業務を変えようとする外部の人間は絶対に信用するな!」と肝に銘じてください。

町工場が日々、無駄に時間を使っている非効率な業務の大半は世の中に存在する無料ツールや月額数千円のシステムで簡単にすぐに解決ができます。

世の中のDXや効率化を謳うシステム会社は町工場がシステムに弱い事を良いことに、効果のない高額なシステムを勧めてくる構図で、お金を払っても導入しても何も解決せず、社内にシステムなんて無駄という空気だけ作る最悪な状態になります。

本当に町工場の業務への悩みを知っているプロは「高額なシステム」なんて絶対に進めることはあり得ません、その理由は町工場が本当に望んでいる効率化の形が「最低限の費用で実現できる効率化」であることを理解しているからです。

  • 紙の図面管理で保管棚が紙でいっぱい、事務所が紙でいっぱい
  • 受注した製品が今、工場のどこにあるか、どの工程かわからない
  • 材料単価は毎回同じ内容の電話を材料会社に聞いている
  • 職人しか加工方法がわからず、新人がすぐに加工方法を理解できない
  • 見積はExcelで過去の見積がすぐに引っ張り出せない

上記の町工場に絶対に存在する業務の悩みを解決するのに高額なツールなんて不要で、無料ツールを上手に活用すれば、お金をかけない業務の効率化が実現するのです。

誰でも仕事ができる環境を作る

町工場が高齢の職人から依存し、未経験の新人を迎え入れ、育成していくためには、現場でどんな仕事でも「経験や能力に左右されずに誰でもモノが作れる仕組み」が必須になります。

令和の時代で町工場が若手を集め、育てるためには「先輩の仕事は盗め」「図面に全部書いてあるだろ」という文化からはすぐに脱却しなければなりません。

加えて、令和の時代の若者は人とのコミュニケーションが不得意、限りなくできないと考えた上で「先輩職人に聞かなくても仕事ができる」この環境づくりに取り組まなければなりません。

具体的に町工場が変えるべき点は以下の3つです。

  1. ベテラン職人の頭の中にあるモノづくりの知識を見える化する
  2. 「特定の人しか知らない」から「仕事をするために必要な情報が1箇所にある」
  3. 「誰かに聞かないと仕事ができない」から「聞かなくても仕事ができる」に

工場に1人は「技術が極めて高く、在籍歴も長い」けど「人に教えるのが下手」「何かあるとすぐにヘソを曲げてしまう」という職人がいるはずです。

この技術はあるけど扱いが難しい先輩職人に入ったばかりの若手やパートの主婦さんが質問をしないと仕事ができない環境では若手がすぐに潰されるのが目に見えていますよね。

加工方法を誰かに聞かないといけない、必要な治具や加工のポイントをわざわざ聞くという環境は負の遺産であり、必要なのは聞かなくても仕事ができる環境です。

以下の記事では紙の図面管理から脱却し、新人でも加工に必要な情報がすぐに見つけて、経験に依存せず仕事ができる現場作りに成功した株式会社曽我製作所様の事例を解説していますので具体的な改善方法をチェックしてください。

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まとめ:負の遺産を解決するには外部の力を借りろ!

この記事では町工場を経営するために卒業すべき3つの負の遺産と解消方法を解説してきましたが、町工場が負の遺産の問題を解決するためには外部のプロの力を借りるのが最善手です。

時限爆弾である3つの遺産を抱えたままの町工場にはある日以下のような流れで突然、終わりが訪れます。

  • 主要取引先から仕事を引き上げられる
  • 新規開拓をしたくても時間が作れない
  • 現場の職人が歳で限界を迎えるが、若手がいない

今が大丈夫でも、着実に町工場の時限爆弾は爆発までの時間が短くなっており、この事実は変わりません。

町工場は3つの遺産問題を先延ばしにするのでなく、今すぐに解決して、新しい町工場の経営の形を手にしてみてはいかがでしょうか。

弊社は日本で唯一、金属加工業の新規開拓を丸投げで支援する営業支援サービス「AnySales」を提供し、日本全国の町工場の新規顧客開拓を支援しております。

3つの負の遺産を解決するには、町工場の現場とITの両方を理解した外部のプロが必要ですが、弊社はその全てを理解し、全国の町工場様の支援をしておりますので、気になる町工場の方はぜひ資料請求にてサービス内容をご確認ください。

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