【町工場虎の巻】金属加工の町工場向け!新規営業ノウハウを徹底解説

金属加工を行う町工場が苦手な新規営業でメーカーへどのような手段で連絡をし、どのような話をすればいいか、営業ノウハウがない町工場が明日から新規開拓できるノウハウを解説します。

日本の町工場の大半は新規開拓はしなきゃいけないと分かっているが、以下の理由から新規開拓ができていないのです。

  • 営業部が社内に存在しない
  • 営業ノウハウが社内に存在しない
  • 営業するための資料が存在しない

1社依存先の仕事が減って、売上がどんどん減ってる、なのに営業部がなく、ノウハウも存在しないのでいつまで経っても1社依存から抜け出すための新規営業ができない町工場の現状です。

しかし、町工場の営業は難しいものではなく、営業部がなくても新規営業のノウハウさえ理解し、営業するために必要な資料さえ用意できればどの町工場も新規営業に取り組み、顧客獲得が可能です。

ここでは金属加工を行う町工場が明日から新規営業に取り組むための営業のやり方をアポイントを取るところから商談で図面をもらうまでのノウハウを解説します。

目次

町工場が取るべき新規営業のやり方は2つ

町工場が新規営業を取り組む際にやるべきことは「テレアポ」「オープン調達」2つだけで十分です。

新規営業の方法は他にも存在しますが、ここで解説する「テレアポ」「オープン調達」が1番簡単かつ、確実な方法であり、顧客獲得の成果を得るまでに最短の時間で済みます。

ここでは金属加工の町工場が新規営業で取り組むべき2つの方法を解説します。

テレアポ

昭和の時代から続く古いやり方ですが、電話さえあればどの町工場でもできる1番簡単で明日から始められる新規営業方法がテレアポです。

読んで字の通り、メーカーに電話をかけて購買部に電話でアポイントを取るのがテレアポの方法で、必要なものは電話だけなのでどんな町工場でも明日から取り組むことができます。

テレアポをする際の手順は以下の通りです。

  1. PCでメーカーの名前を調べて、電話番号を確認する
  2. 固定電話 or 携帯でメーカーの本社に電話をかける
  3. 購買部に提案をして、商談のアポイントを取る

アポイントが取れるのは口がうまい営業ができる人間と思われがちですが、購買部が興味を示す魔法の言葉を伝えるだけで簡単にアポイントが取れます。

テレアポをする際に大事なのは購買部が何に興味を示すのか、何に課題を持っているのかを理解するのが重要です。

以下の記事では購買部が抱えている課題と各業界に存在する外注部材を図面付きで解説していますので気になる方はぜひチェックしてみてください。

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オープン調達

新規サプライヤーとして町工場をネット上で大々的に公開し、必要な部材から加工、購買部の連絡先まで全て記載してあり、町工場にとって1番簡単な新規開拓方法が「オープン調達」です。

オープン調達は営業経験がない町工場であっても、営業するために必要な情報がメーカーの購買部から聞き出さなくてもネット上に全て書いてあるので、口下手であっても相手の必要なものを知った上で提案することができます。

通常の新規営業では1度メーカーに電話して、電話に出る受付の方に新規営業をしたい旨を伝えて、購買部に取り次いでもらう必要がありますが、オープン調達では購買部の直通番号がネットに書いてあるので受付に断られることもありません。

  • 「サプライヤー募集 金属加工」の検索で町工場を求めているメーカーを特定できる
  • メーカーが必要としている製品と技術がネットに記載されている
  • 購買部の直通番号が記載されている

こんなに新規営業が苦手な町工場にとって最適な新規営業方法は他にはなく、「オープン調達のページを見ました」の一言だけで購買部との話が進むので、新規開拓を始める町工場はまずはオープン調達から始めてみましょう。

オープン調達の詳しい活用方法や活用する際の営業手順を詳しく知りたい方は以下の記事を併せてご覧ください。

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町工場がテレアポで話すべき内容と手順

町工場のテレアポは難しいことを伝える必要は何もなく、ただ手順通りに話すだけで簡単に受付を突破して、購買部に話ができて、商談のアポイントを取れますが、必要なのは正しい手順で話すことだけです。

多くの町工場が電話でアポイントを取るテレアポに苦手意識を持っていますが、それは正攻法を知らずに何を話すべきかわからないまま電話をかけるからです。

正しい正攻法さえ知っていれば5回かければ1回はアポイントが取れるようになります。

ここでは本来何百回もかけて自分で解明するテレアポの正攻法を公開いたします。

STEP1:本社に連絡して購買部の直通番号を特定する

多くの町工場が間違えているのは電話をかけてすぐに「購買部さんお願いします」と言うことで、最初は「購買部さんはこちらでよろしかったでしょうか?」とあえて本社に聞くことが大事です。

大半のメーカーの購買部は工場にあることは皆さん、承知の通りですが、「なぜ本社にかけるのか?」と思いませんか。

その理由は以下の2つです。

  1. 購買部の直通番号を手に入れる
  2. 本社の対応してくれた人の名前を手に入れる

本社にかけると、十中八九の確率で「購買部は工場にあります!」と返ってきますので、お礼を伝えた上で「どちらに電話をおかけすればいいですか?」の一言で簡単に購買部の直通番号が手に入ります。

購買部の直通番号さえあれば、工場の受付で断られることはありませんし、今後継続的に連絡を取ることもできます。

また、1番大事なのは購買部の電話番号を聞いた後に必ず、「お名前を伺ってもいいですか?」と受付の方に名前を聞いてください。

この受付の方の名前を聞ければ、購買部に対して「本社の〇〇さんにこちらの番号にかけるように言われた」と言えるようになり、相手も本社から聞いてるなら話を聞かなきゃという状況が作れるのです。

STEP2:購買部に自社が何者か伝える

購買部と話をするときに絶対に無駄なことを話すのはNGで、大事なのは「シンプルで簡潔」に自社のことを伝えて、まずは話を聞く体制を作ってもらうことが重要です。

購買部に繋がったのに失敗する町工場は大抵、「喋りすぎる」「一方的に自分の言いたいことを話す」の2つのミスを犯して、購買部から「結構です」「間に合ってます」と一言で電話を切られるのです。

テレアポに成功する町工場は以下のようにシンプルかつ簡潔に自己紹介をして、相手の興味を引く言葉を投げかけます。

  1. 〇〇市で板金加工を行なっている株式会社〇〇です
  2. コストダウンと小ロット対応に関してご提案したくご連絡しました。

成功する町工場は上記の2つだけ話して、購買部が興味を持てば、相手が色々と質問をしてくるので、町工場側は質問に答えるだけです。

大事なのはシンプルであり簡潔であることで、ダラダラ話した瞬間に購買部はいつもの営業電話だと認識し、「間に合っている」の言葉を返してきます。

絶対にダラダラ話してはいけません、簡潔にシンプルが重要です。

以下の記事では町工場が購買部にテレアポする際の実際のトークシチュエーションや「間に合っています」と言われなくなる必勝法をまとめていますので併せてご覧ください。

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STEP3:購買部の課題を特定する

購買部に興味を持ってもらえたら、後は購買部がどんな課題を有しているかを3つの共通課題の中から特定して、解決策を提示すれば、アポイント獲得です。

テレアポの目的はアポイントを取ることですが、なんの課題特定もないアポイントは商談の際に話す内容がなく、到着して5分で町工場は帰宅することになります。

テレアポで大事なのはアポを取る際にしっかりと購買部の課題を特定し、解決できることを提案した上でアポイントを取ることで、この課題特定さえあれば、商談で話すべきことも事前に決めることができるのです。

購買部の課題を特定するのは難しいと感じる方も安心してください、購買部の課題は大きく次の3つしかありません。

  1. コストダウン
  2. 小ロット対応
  3. 廃業問題

1番と2番に関してはどのメーカーも共通して持っている課題であり、比較的どのメーカーの購買部に話しても興味を抱いてもらえます。

3番に関しては廃業が進む現在で最も購買部が興味を示す課題で、特に都心部では大阪、地方では大量に町工場の廃業が起きており、メーカーの中には地元で調達ができない課題を持っており、喉から手が出るほどサプライヤーが欲しい状態です。

話し方としてはシンプルに「原価低減のご支援をします」「小ロット対応の調達に困ってませんか?」「廃業が起きていませんか?」だけで十分です。

以下の記事では購買部が普段どのような悩みを抱えており、どんな提案を欲しているのかをまとめ、業界別の課題例まで詳細に解説していますので併せてご覧ください。

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町工場が商談で話すべき内容と手順

テレアポを乗り越えて、商談の場に着いたのに話すことがわからない、商談の仕方がわからない方という方は商談の正攻法さえ理解すれば、商談の度に図面を獲得して見積を出せることでしょう。

よく商談をしても図面をもらえないと嘆く町工場の方が多いですが、それは図面をもらうために必要なことをしていないのが原因で、間違ったやり方をしているので当然の結果なのです。

正しい商談をすれば、購買部は必ず図面を提供してくれます。

ここでは町工場が商談で話すべき内容と手順の正攻法を解説します。

STEP1:調達課題の確認

商談の場で町工場がすることは購買部が現在どんな状況でどんな課題があるのかをヒアリングすることで、決して町工場は自社のことを話してはなりません。

新規開拓は相手の課題を解決することで取引する価値を見出してもらうことであり、購買部の課題を把握せずにいては、一生新規開拓は成功しません。

そこで商談が始まったら、町工場は購買部に質問をして課題を引き出すことが最優先です。

どうやって質問すればいいかわからないという方は「廃業が増えてますが、サプライヤーの状況は変わらないですか?」と質問をしてみてください。

この質問のいいところは「廃業問題」も聞けるし、サプライヤーが短納期に対応してくれない、原価削減に協力してくれないなど全ての課題を1つの質問で触れられることです。

質問をしても中々返してくれない購買部もいるじゃないか!と考える人は「他のメーカーさんでは〇〇のような課題が多く、困っているそうですが貴社にも当てはまりますか?」の聞き方をしてください。

メーカーって大抵、自社の競合や他のメーカーのことには興味津々す、その理由は購買部は社内にしかいないので、外の世界を知らないから、競合が何をしている、どうやっているかは気になってしまうのです。

購買部の課題を聞き出す質問をすると、「この製品の加工できるところがない」「この製品の価格を落としたいが、既存サプライヤーではできない」など具体的な答えが返ってくるので、町工場が次に話すべき内容がどんどん手に入るのです。

このように購買部がどんな課題を有しているのかを特定するのが商談の第1歩です。

以下の記事では町工場が商談の場で購買部から聞き出すべき課題や話しすぎなくても聞き上手に回れば、簡単に商談を成功させれる理由を解説していますので併せてご覧ください。

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STEP2:技術力と製品を事例集で伝える

購買部の課題を特定したら、いよいよ自社の価値である技術や製品事例を紹介し、メーカーにこの町工場は取引する価値があると思わせるフェーズに入ります。

STEP1で購買部の課題を聞き出せたら「どんな製品のコストダウンをしたいのか」「どんな既存サプライヤーが廃業したか」「どの部材を小ロットで手に入れたいのか」を把握できたら、後はそれを解決する技術と製品事例を見せるだけです。

よく何を話せばいいかわからないと悩む町工場は相手がどんな悩むを把握しているか、わかっていないから見当違いの説明をしたり、見当違いの製品を見せるから購買部は興味をなくすのです。

でも課題さえ理解していれば、相手に説明すべき自社の技術や製品事例が自ずと決まってきますよね。

技術力を説明する際は必ず技術に合致する製品の写真と一緒に説明をする必要があります。

人間は口だけで説明されても、理解することが難しいですが、実際に加工された製品の写真を示しながら話すと「似たような製品だよ」「これのサイズ違いはできるの?」と購買部がどんどん興味を持ってくれます。

商談においては絶対に製品事例集を持っていくのが必須で、製品事例の写真さえあれば、町工場が喋らなくても購買部が写真を見て「どうやってるの?」「これのおおよその納期は?」と質問をたくさんしてくれます。

商談では相手の持つ課題を解決する技術とそれを基に製作した製品をセットで説明することで購買部に「この町工場は付き合うべきかも」とポジティブに思ってもらうことができるのです。

STEP3:自社の実力を見て欲しいと依頼

町工場の大半が新規開拓をして図面をもらうことができない理由、それは「図面をもらうための魔法の言葉」を使っていないからです。

「何か案件があったら連絡します」よく購買部がこの言葉を町工場に投げかけますが、これは翻訳すると「多分案件はないよ」です。

おそらくですが、「何か案件があれば」と言われて本当に後日、購買部から連絡を受けたことがある町工場はないはずです。

町工場で新規営業をしているなら図面は絶対に商談に訪問したその場で獲得する段取りを踏まなければなりません。

そのために必要な魔法の言葉、それは「口で説明しても、意味がないので弊社の実力を見てください」の一言です。

この言葉のポイントは「「安い」「早い」など耳に聞こえがいいことを言っても実際の実力である見積を見てもらうのが早いですよね?だから図面をください」と購買部が図面を出さざるを得ないストーリーが出来上がるからです。

ただ単に「図面ください!」だと「なんで図面を出さないといけないの?」となりますが、「実力を見てもらうために図面ください!」なら確かに町工場の実力が知れるし、あわよくば安く仕入れられると購買部が図面を出す理由になります。

この言葉を知っているのと知らないのでは新規営業の成功率は大きく変わるので、絶対に魔法の言葉を使うのを忘れないでください。

新規営業の前に町工場が絶対に用意すべき資料とは

新規営業に失敗する町工場の大半は新規営業する際に必ず必要になる資料を購買部に提出しないのが原因です。

多くの町工場は会社案内だけ持って、購買部に新規営業をしていますが、会社案内を持って行っても意味がないのです。

新規営業を絶対に成功させるためにはここで紹介する「製品事例集」と「提案書」の2つが必要不可欠です。

ここでは町工場の新規営業に必要な2つの資料に関して解説します。

製品事例集

購買部に一生懸命に話をしないでも製品事例集を手渡すだけで購買部は強く興味を示し、商談が盛り上げり、その場で図面を持ってきてくれるきっかけになるのが「製品事例集」です。

製品事例集は自社が普段製作している製品写真と以下の情報だけ記載すれば、完成する資料でどんな町工場であっても簡単に製作できる資料です。

  1. 納品する業界
  2. 材質
  3. 板厚
  4. 製品サイズ

なぜ、導入事例集が必要なのか、それは購買部がその場で町工場の技術や製品を理解してもらうためです。

百聞は一見に如かずの言葉通り、購買部も耳で聞くより、写真で目で見る方が簡単に町工場の技術や製品を理解することができます。

もちろん、口がうまければ、製品事例集なしでもいいのですが、町工場の皆さんは口だけで購買部さんがイメージできるように全てを説明するのは難しいですよね。

製品写真さえあれば、「これと似た製品があるよ」「これってどうやって加工しているの?」と購買部が興味を持ってたくさん質問してくれるいい雰囲気が出来上がります。

新規営業をする際に製品事例集がないのは成功確率がほとんどないまま無謀な営業をしているようなものです。

製品事例集はどんな町工場でも簡単に製作できる資料なので新規営業をする際は絶対に持っていくようにしましょう。

以下の記事では会社案内を持っていく町工場が新規営業に失敗する理由と製品事例が商談を円滑にしてくれる理由を解説していますので併せてご覧ください。

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提案書

提案書をメーカーに持っていくだけで、メーカーからとんでもない町工場が来たという差別化を得ることができます。

基本的にメーカーに営業をする町工場は「会社案内を出す町工場が3割」「会社案内も出せない町工場が7割」の割合で会社案内を出せるか出せないかのレベルですが、提案書を出す町工場なんて皆無です。

そんな中で提案書を持って行ったら、メーカーがざわつき、「すごい町工場がやってきた」という評価を受けることに購買部の頭に鮮烈な記憶を与えます。

また、基本的に購買担当は町工場からの提案を受けると、購買部内に情報共有しますが、その際に会社案内だけでなく提案書があれば、他の購買担当も気になって町工場からの提案を確認します。

これはメーカーへの新規営業をしていないと気がつけないのですが、購買担当は口座開設をする際に購買部長に稟議を挙げますが、その際にどんな町工場か説明する資料を作る手間があるのです。

しかし、町工場が事前に提案書を用意すると、購買担当の資料を作る手間を省くことができるので尚更喜ばれます。

提案書に必要な構成は以下のとおりです。

  1. 自己紹介
  2. 課題の列挙
  3. 解決策の提示

提案書は1度作ってしまえば、2回目、3回目のメーカーに出す際はメーカーの名前を変えれば使いまわすことができるので1回作る手間をかければ、あとは使い回し放題な便利な資料です。

せっかく苦労して手に入れた新規営業の商談のチャンス、提案書を持っていくだけで新規取引先獲得のチャンスが上がるなら絶対に持っていくべきだと思いませんか?

まとめ:金属加工業の町工場は成功方を使えば、新規開拓は簡単

この記事では金属加工を行う町工場が明日から新規営業に取り組むために必要な新規営業のノウハウを全てを解説してきました。

新規営業のノウハウさえ理解していれば、どんな町工場でも新規営業をして、新たな取引先との商売を始めることができます。

「新規営業をしたけど、全くダメだった」「まだ営業してないけど、やっても無駄」と考えている町工場の方はこの記事で解説しているノウハウを活用してぜひ、新規営業に取り組んでみてください。

特に1社依存状態の町工場さんは黄色信号のピンチですので、明日から新規営業に取り組んでください。

とはいえ、今まで営業活動をしたことがない町工場の方が新規営業をするのはとても難しいはずです。

そこで弊社は日本で唯一、金属加工業の新規開拓を丸投げで支援する営業支援サービス「AnySales」を提供し、日本全国の町工場の新規顧客開拓を支援しております。

「1社依存状態から抜け出したいけど、営業経験もなく営業担当もいない」「既存顧客の対応が忙しく、営業活動をする時間を捻出できない」という方はぜひ資料請求にてサービス内容をご確認ください。

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