【口下手OK】聞き上手が中小製造業における新規開拓成功のコツ

中小製造業で新規開拓を考える人は「何を喋ろう、どんな話をしよう」と打ち合わせ前から悩む人が多くいますが、新規開拓の場で「上手く喋る」必要は決してなく、成功のコツは「聞き上手」になり、どれだけ相手から「聞き出せる」かです。

営業の仕事は「喋り上手」でいろんな話をして、相手から信頼を得ることが必要なので、口下手では難易度の高い新規開拓はできないというイメージを持っている人が中小製造業には多いです。

中小製造業の新規開拓を多く手がけ、電話だけで上場企業の新規開拓を成功させてきた筆者の経験から、中小製造業の新規開拓に必要なのは「喋る力」ではなく「相手から聞き出す力」です。

つまり、自分がどれだけ喋れるかではなく、どれだけ相手から聞き出すかが重要な能力になります。

この記事では「話し上手」ではなく「聞き上手」が中小製造業の新規開拓のコツである理由を説明すると共に実際にどのようなことをテレアポや新規商談時に聞き出すべきかを解説します。

なかなか新規開拓をしてもアポが取れない、図面を獲得できないと悩み中小製造業の方は必見です。

目次

中小製造業の新規開拓で「聞き上手」が成功するコツの理由

話し上手でなきゃいけないの先入観を捨て、「聞き上手」が中小製造業の新規開拓のコツであることを理解してください。

「いっぱい話さないといけない」「商談の際は話続けないといけない」という考えを持って、テレアポでも商談の時も話すことで頭がいっぱいになってせっかくのチャンスを見過ごしている方が実に多くいらっしゃいます。

新規開拓で重要なのは「聞き上手」になることであり、多くをしゃべる必要はありません。

ここでは「聞き上手」が中小製造業の新規開拓における成功のコツである理由を解説します。

話し過ぎは相手に嫌悪感を与える

テレアポで商談でもとにかく「こんな設備があります」「こんな加工してます」と一生懸命に話をしないといけないと思われがちですが、話し過ぎは購買部からすると「間に合ってます」と言いたくなるような嫌悪感を与える原因です。

話しすぎてしまう原因は以下のような点です。

  • 話さないといけないプレッシャー
  • 沈黙に耐えられない
  • 何を聞けばいいかわからない

中小製造業で新規開拓に慣れている方は滅多にいないため、何をすべきかがわからず、とにかく「話続ける」方が多く見受けられます。

しかし、この「ひたすら話続ける営業」は電話や商談相手の購買部の方からすると「自分勝手で迷惑な相手」と言う印象を与えてしまいます。

例えるなら、あなたが現場で忙しく溶接作業をしている時に自分の都合や要望を聞かずに「一方的に自分の説明をし続ける業者」が購買部から見た話し続ける営業の姿です。

こんな営業をされたら、嫌じゃないですか?

求めてもいないことを永遠話しつづけて、時間を奪われたら、「この人の話聞きたくない、早く帰ってもらおう」と思うのが普通の方の印象です。

このように「話し過ぎる」新規開拓の営業をしていては絶対に新規開拓を成功させることはできません。

「話し上手」ではなく「聞き上手」が成功の鍵

中小製造業の新規開拓を成功させるコツは相手からニーズや困りごとを聞き出す能力「聞き上手」になることです。

重要なことなのでもう1度、新規開拓において「話し上手」である必要はなく、成功させるコツは「聞き上手」であることです。

新規開拓に失敗する企業は「いかに自社が優れた技術で加工ができるかを」説明しますが、新規開拓に成功するいる企業は全く逆で「いかに購買部が困っている加工や部品調達の内容を聞き出して理解するか」の全く逆のアプローチをしています

サプライヤーの立場にある中小製造業が提供する価値はメーカーが求める製品を作り出す「加工技術」であり、購買部から見た価値は「求める製品を低価格で、決められた納期で高品質なものを提供してくれる」と言う関係にあります。

つまり、新規開拓の際に中小製造業が提供すべき価値は「購買部が求める加工技術」を提供することであり、購買部は「自分たちに不足する加工技術を補ってくれる会社」の存在や提案を求めているのです。

しかし、初めての電話、初めて商談をする際には相手である「購買部が求める加工技術が何で、どんな困り事があるのか」を把握できていないので、新規開拓をする際は「購買部が求めているサプライヤーへの価値を聞き出す」必要があります。

話し上手である必要がない理由がわかりましたか?

どれだけ自社や加工設備に関する優れた説明を長い時間したところで、メーカーの購買部は全く嬉しくなく、むしろ関係ない話を永遠されていると感じ、「間に合ってます」「うちは新規お断り」と言う断り文句が出てくるのです。

中小製造業が新規開拓ですべきは「話し続ける」ことではなく、相手が求める加工技術や新規サプライヤーに望むニーズを「聞き出す」ことこそ新規開拓成功のコツなのです。

購買部から聞き出すべきポイント

「聞き上手」にならないといけないと分かっても、実際に「じゃあ、どんなことを購買部からき聞き出すのかわからない」と悩む方が多くいらっしゃるのではないでしょうか。

購買部から聞き出すべきポイントは新規開拓を何度も行い、何度も断られる中での「試行錯誤」から気づきを得られますが、皆さんに何度も断られる思いをしてもらいたくありません。

そこでここでは新規開拓時に購買部から聞き出すべきポイントを解説します。

小ロット・短納期対応

購買部が共通して課題となっている1番のポイントはエンドユーザーの求める「小ロット・短納期品の手配」であり、「小ロット・短納期品」の調達に関して聞き出すのが1つのポイントです。

中小製造業の新規開拓をする側としては「安定的な売上が見込める大ロットの製品」をターゲットにすることが多いかもしれませんが、これは絶対にしてはいけません。

大ロットの仕事は「生産効率が良いのでメーカー側で生産」ないしは「既存サプライヤーに出している」ことが大半であり、メーカー側で困っているケースはほとんどなく、仮にあっても取引のない企業に相談をするケースはほとんどありません。

つまり、購買部からしても生産方法が既にあるので困っていない仕事ではないため、質問をしても「間に合ってます」が待ち受ける質問になるのです。

しかし、「小ロット・短納期」は真逆で常に購買部の課題として挙がる厄介な仕事で購買部にとっての悩みの種です。

中小製造業の方ならわかるかもしれませんが、「小ロット・短納期の仕事」は現場からすると作業負担の多い仕事であり、短納期であるため、既存の仕事を調整して、特急加工する必要のある面倒な仕事なので、どのサプライヤーも嫌がる仕事です。

この「どのサプライヤーも嫌がる」と言うのが新規開拓時の大きなポイントで、購買部からすると以下のような悩みになるのです。

  • 既存のサプライヤーがどこもやってくれない
  • 対応してくれるけど、高額な見積価格
  • 手配までに時間がかかる

つまり、購買部は「小ロット・短納期の仕事」を受けてくれるサプライヤーが不足しており、常に課題を感じながら日々の調達を進めているため、この課題を解決してくれるサプライヤーの存在は大変大きな価値になります。

購買部から聞き出すべきは「現状の調達で小ロット・短納期品」での課題を特定することにあります。

既存サプライヤーの廃業

中小製造業側でも大きな問題になっている「高齢化」「後継者不足」の問題はメーカーの購買部にとっても共通の大きな課題であるため「既存サプライヤーの廃業」に関して聞き出すこともポイントの1つです。

メーカーの購買部にとって「既存サプライヤーの廃業」は既存製品が今後調達不可に繋がる「死活問題」で年を追うごとに既存サプライヤーが続々と廃業をしていくため、どのメーカーでも経営課題になるような大きな問題です。

「高齢化」「後継者不足」は中小製造業側だけの問題ではなく、メーカーにとっても「今後の調達ができなくなる」と言う重要な課題であるため、この問題に関して質問をすると、多くの購買担当から「困りごと」を聞き出すことができるでしょう。

既存サプライヤーの廃業に関する聞き出しはどのメーカーでも課題が顕在化しており、聞き出しやすい質問であると同時にどの後のどんな製品でどんな加工かも綺麗に聞き出すことができます。

  • どのメーカーさんでもサプライヤーさんの廃業の影響があるようですか?いかがですか?
  • やはり貴社内でも廃業はありますか?具体的にどんな加工を依頼しているのですか?
  • どんなLOTでどのくらいのサイズの製品ですか?

こんな感じで違和感なく質問ができるので、既存サプライヤーの廃業は手軽に必要な情報を聞き出すことができます。

具体製品名の提示

購買部が新規開拓提案をする中小製造業に最も興味を抱くのは「自社が製造する部品」に関する質問を投げかけてきたタイミングです。

事前に新規開拓先のメーカーの業界を事前調査する必要がありますが、最も効果の高く、購買部の信頼を得やすい聞き出しポイントになります。

電話をしてきた中小製造業が、自社製品や構成部品を把握し、「この製品ってこんな課題ありませんか?」「この製品は塗装もあって調達が大変じゃないですか?」などの質問をしてきたら、「なぜ知っているの?」と興味を抱くことでしょう。

この方法は新規開拓前にメーカーの事前リサーチをする必要があり、少し手間のかかる作業になりますが、事前リサーチを適切に行えば新規開拓成功の確率を格段に向上させることができます。

新規開拓に経験のない企業はどの企業にどんな仕事があるのか皆目見当もつかないと考える企業様もいらっしゃるでしょうが、以下のホワイトペーパーで「中小金属加工業の新規開拓しやすい業界」を解説しておりますので、併せてご覧ください。

ここまで中小製造業が「聞き上手」になって聞き出すべきポイントを解説しましたが、具体的にどのように購買部に質問すべきかわからない方に「購買部を理解しろ、中小製造業が「新規開拓する方法」は簡単だった」の記事をご覧ください。

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【まとめ】購買部に上手に話すでなく「上手に聞き出す」こそ成功のコツ

この記事では中小製造業の新規開拓を成功させるコツを解説してきましたが、新規開拓を成功させるために「話上手」である必要はなく、いかに購買部から悩むを聞き出すかという「聞き上手」であることが重要です。

中小製造業が新規開拓をするためには「営業能力の高い人材が必要」「話上手でないと仕事が取れない」という考えは間違っており、適切な情報をいかに購買部から聞き出して、「購買部の課題」を見つけることが成功のコツなのです。

もちろん、素人でもできると言う訳では決してありませんが、事前に「どんな質問をして、どんな情報を聞き出すか」この1つを徹底して考えて、相手に質問をし、もしも答えが期待でないなら違う質問をするを繰り返すことが聞き出す精度を高めることにも繋がります。

中小製造業でとにかく「話しすぎている人」はスタイルを今すぐに「聞き上手に徹する」ことをお勧めします。

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