飛び込み営業をしているもしくはこれから新規開拓で飛び込み営業をしようとしている製造業の方は少し足を止めてください。
新規開拓のために飛び込み営業をすることは間違ったことではありませんが、飛び込み営業は営業する側にとって大変非効率であり、営業を受ける側も迷惑を受ける行為でもあります。
また、飛び込み営業とは最も心理的負担の大きい営業活動で、成果が出る確率が低いためおすすめできる方法ではありません。
製造業においては、飛び込み営業なしで簡単に新規開拓をする方法があり、コツさえ理解すれば、1ヶ月で1社新規開拓も可能です。
ここでは、飛び込み営業なしで新規開拓が成功する方法とコツを解説します。
飛び込み営業はやめるべき
新規開拓の手段として飛び込み営業が存在しますが、製造業において飛び込み営業は成功確率が極めて低い、非効率かつ意味のない営業活動です。
飛び込み営業は、営業を受ける側の都合を考えない一方的な活動で、コストと手間がかかるあまりにもかかる手段なので、飛び込み営業をしている製造業はいますぐやめてください!
ここではなぜ、製造業において飛び込み営業をやめるべきなのか、その理由を解説します。
また、以下の記事では町工場がこれから新規営業をする際に必要となる全ての営業ノウハウを解説していますので、ぜひチェックしてみてください。
飛び込み営業は運任せの迷惑な営業活動
飛び込み営業は自社都合を営業先に押し付ける迷惑な行為であり、運に任せた営業活動で、成果は奇跡が起きない限り出ません。
企業で働く人には1日の予定が存在し、会議参加や事務作業など計画を立てて、実行していますが、飛び込み営業はその計画をお構いなしに時間をくださいと一方的にお願いをする迷惑行為です。
仮に飛び込み営業をする営業がメリットのある提案を持ってきても、あなたが仕事の予定でいっぱいだった場合に知らない相手のために時間を割くことを考えますか?
大多数の方が飛び込み営業の方に「忙しい」と一言で帰ってもらうことでしょう。
飛び込み営業は相手の予定を考えずに、行う営業行為で、業務で忙しい方にとっては極めて迷惑な行為であり、悪い印象を与えてしまうため、成果には結びつきません。
飛び込み営業をしたタイミングがたまたま相手の余裕があり、話を聞くという状態であれば、話を聞いてもらえますが、このタイミングに巡り会うまでに何度も訪問をする必要があるため、運任せの営業と言えます。
以下の記事では工場が営業をする際に正しい方法を知らないと絶対に成果が出ない点に関して解説していますので併せてご覧ください。
見えない営業コストが大きい
飛び込み営業は1社新規獲得するために数十万円以上のコストをかけてしまう、とんでもなく営業コストのかかる新規営業活動です。
営業担当が飛び込み営業をする際には工場や事務所に足を運ぶ必要があり、そのためには車での移動時間が発生します。
営業担当が客先に向かうための移動時間もコストであり、仮に時給2,000円の営業担当が往復2時間して飛び込み営業を1回行うだけでも、4000円の人件費とガソリン代、高速道路費用がかかっているのです。
仮に10回飛び込み営業をしても、結果がない場合、企業は売上に繋がらない飛び込み営業に80,000円のコストを支払っているのです。
飛び込み営業は成功確率が低いことに加えて、訪問する移動時間や人件費を考慮すると、非常に効率の悪い新規開拓方法だとお分かりいただけます。
以下の記事では町工場は仕事を失ってから営業しても手遅れであり、危機を感じたらすぐ動きべき理由を解説していますので併せてご覧ください。
製造業が実践すべき2つの新規開拓手法
ここまで製造業の営業活動で飛び込み営業をやめるべきであると解説をしてきましたが、その理由は飛び込み営業だけが新規開拓の方法ではなく、もっと効率的かつ成功率の高い新規開拓手法が存在するからです。
ここでは製造業が実践すべき2つの新規開拓手法をご紹介します。
「飛び込み営業に疲れてしまった」、「もっと効率的に新規開拓をしたい」という方は必見です。
オープン調達企業への提案
最も確実で最も簡単に新規開拓ができる方法が「オープン調達」を実施している企業に対する新規開拓提案です。
新規開拓は飛び込み営業やテレアポをして、購買部にどんな課題があり、どんな製品を必要としているかを突き止めることが当たり前とされていますが、この「どんな製品が欲しいか」をネット上に公開して、オープン調達を実施している企業があるのをご存知ですか?
オープン調達とは文字通り、自社で必要としている部材や部品がどのようなものかを明記し、ネット上に公開することであらゆる企業からの提案を受け付ける調達方法であり、大企業を中心に多くの企業が実施しています。
以下は2021年10月現在のオープン調達を実施している企業のオープン調達ページの例です。
上記のように各種ジャンル別にこんな製品や材料を募集しているオープン調達先企業が存在し、調達品に該当する製品や技術があれば問い合わせをすることで提案が可能です。
また別のパターンとして、明確なカテゴリー分けや製品名を出さずに技術分野ごとに募集をするオープン調達方法も存在します。
このパターンの場合には必ず問い合わせ先の部署名から連絡先まで公式HPに記載されているので、問い合わせをすることで詳細に関しての説明や打ち合わせの調整を行うことができます。
このように飛び込み営業をせずとも、ネットで「資材調達」というキーワードを入力するだけで簡単に新たなサプライヤーからの提案を求めている企業を特定することができます。
また、オープン調達を実施している企業は購買部への直通連絡先をHP上に公開しているので「オープン調達のページを見た」と伝えるだけで簡単に購買部との交渉が可能になります。
このオープン調達は最も簡単にPCさえあれば誰でもできる新規開拓方法なので、これから営業を始める、そもそも営業経験者がいないという中小製造業の方におすすめな方法となります。
オープン調達を活用した製造業、町工場の新規開拓に興味がある方は以下の記事でオープン調達を活用して、新規開拓する方法を詳しく紹介していますのでぜひご覧ください。
テレアポ
飛び込み営業で時間を浪費するのでなく、事前に電話でアポを獲得し、購買部と商談の約束を取り付けるテレアポが効果的です。
飛び込み営業は読んで字の通りアポなしで飛び込んでいく営業手法ですが、テレアポは事前に電話で連絡し、担当部署に対して「こういう提案をしたいのでお打ち合わせがしたい」という形で事前に連絡をしてアポイントを取得し、訪問を行います。
相手の都合を考えない飛び込み営業とは違い、電話をして、事前に提案をすることで相手に価値を感じてもらい打ち合わせの時間を設けてもらうため、移動時間も無駄にならず、事前に相手の状況や課題なども電話で聞けるので効率的な営業活動になります。
営業担当の心理的な負担も飛び込み営業と比べて、少ないのも特徴の1つです。
飛び込み営業の場合は、対面でいきなり「時間をください」とお願いする必要があり、面と向かって嫌な顔やお断りを受けるため、営業担当にとって大きな精神的負担となります。
テレアポの場合は顔は見えない電話越しでの営業のため、断れれたとしても顔の見えない相手に電話越しで断れるので精神的な負担も少ないです。
また、企業によっては購買部署の直通番号を記載している企業も存在するため、調べる手間をかけることで購買部に直接電話をかけることもできます。
移動時間をかけずに効率的に新規開拓ができるので、新規営業をこれから始める人にとって最も初歩的な手段となります。
製造業、町工場においてテレアポを活用した新規開拓に取り組むという方はぜひ以下の記事をご覧ください。
- テレアポをする際に購買部に伝えるべき内容を解説
- 購買部のテレアポの手順を完全解説
中にはテレアポ代行を依頼する製造業の方もいらっしゃいますが、【図面も読めないテレアポ代行では絶対に新規事業は成功しません】のでテレアポ代行を検討されている方は是非以下の記事もチェックしてください。
製造業で新規開拓を成功させるポイント
ここまで、飛び込み営業に代わる2つの営業手法を紹介してきました。
飛び込み営業の他に様々な営業手法があることを理解いただけたかと思いますが、方法はわかったけど、知りたいのは新規営業を成功させることであり、具体的にどのようにすれば新規開拓を成功させられるかが気になることでしょう。
そこでここではこれまで紹介してきた全ての新規開拓手法に通ずる共通の成功に必要なポイントを紹介していきます。
また、以下の記事では製造業の町工場が営業でやったら絶対失敗する方法を解説していますので併せてご覧ください。
業界を事前調査する
新規開拓を成功させるためには相手以上に相手の業界や相手の製造する製品に関する事前調査が新規開拓成功の9割を握っています。
新規開拓における提案側である中小企業の目的は「相手の課題を解決する提案をする」であり、課題解決の提案をするためには相手の課題を事前に把握するもしくは相手の業界固有の悩みを理解しておく必要があります。
具体的には以下のような切り口で調査をすることをお勧めします。
・営業先は何を製造している
・製造製品で加工が面倒な部分はあるか
・業界固有のルールはないか(短納期が多い、加工先が少ないなど)
相手の悩みや課題を事前に把握できれば、自社の設備や加工技術を活用した相手にメリットのある解決方法を提案することができ、購買部側が新しく口座開設をする理由となります。
口座開設は手間のかかる作業であり、口座開設をしてまで付き合うべきメリットがなければ、新規開拓を成功させることはできません。
例えば、自社で面倒なステンレスの溶接と仕上げに時間をかけている会社がある場合、この会社の課題はステンレスの溶接仕上げにかかる時間であり、外注先が溶接から仕上げまで手早く品質を高めて提供すれば、社内の面倒な仕事が1つ減ります。
このように相手が「嫌だな、この仕事やりたくないな」と思っている仕事を特定できれば、新規獲得が成功しやすくなります。
営業活動をする前はトコトン相手の業界を調査して、相手を知り尽くすことが新規開拓を成功させる重要なポイントです。
とはいえ、いきなり知らない業界のことを調査するのは手間もかかりますし、そもそも方法もわからないかと思います。
そこで、弊社ではこれまでの新規開拓経験から各業界の以下の情報をまとめたお役立ち記事を作成しました。
- 業界ごとの特徴
- 業界ごとの購買部が持つサプライヤーへのニーズ
- 具体的な案件図面
これから新規開拓を始める方は以下から無料ダウンロードください。
以下の記事では業界別でどんな仕事があり、具体的に購買部がどんなことに困っているかを図面付きで紹介していますのでぜひご覧ください。
アピールすべきは製造事例
新規開拓をする上でアピールすべきは自社の保有設備ではなく、自社で生産している製品の製造事例です。
新規開拓をする企業の大半は会社案内を開きながら、「こんな設備を有している」「最新設備があります」と購買部に説明されていますが、保有設備のことは購買部はあまり気にしていません。
知りたいのは「どんな製品を製造できるか」に関してです。
購買担当者は普段から製品の仕入れを行なっており、製品や部品に関する知識はありますが、製造工程の全てを理解している人は少なく、保有設備を見せて、何ができるかまで理解できる購買が少ないです。
そのため、購買担当に積極的に提案すべきは自社がこれまで製造してきた製品の「製造事例」です。
紹介すべき製造事例は開拓先の企業と類似する加工品を紹介するのがベストですが、類似する加工品がない場合でも、材質が同じ製品や同様の加工がされている事例であれば効果があります。
また、製造事例には写真だけでなく、加工日数を書いておくと「こんなに早くできるの?」という別の切り口で興味を示してくれるので更なる提案チャンスにも繋がります。
新規開拓を成功させるポイントをもっと深く理解したいという方は以下の記事をご覧ください。
- 購買部が実際に抱えている悩み
- 購買部がサプライヤーに求めている要素
- トラック架装業界と電材業界での実例紹介
逆に設備紹介ばかりすると営業失敗に繋がり、本当に必要なのは製品事例である点も詳細まで以下の記事で解説していますので併せてご覧ください。
【まとめ】製造業は飛び込み営業なしでも新規開拓できる
この記事では飛び込み営業をしなくても新規開拓ができる方法とコツを解説してきました。
製造業の中ではまだ飛び込み営業をしている企業様も少なくありませんが、飛び込み営業は営業活動の中でも精神的の負担が大きく、成功確率の低い手段になります。
間違った方法とは言いませんが、同じ新規開拓をするのであれば、もっと効率的で成功確率の高く負担のかからない方法で新規顧客を開拓すべきです。
中小製造業の中には「そもそも営業担当がいない」という企業様もあるかとは思いますが、「フォーム営業」を使えば営業担当がいなくても自動で新規開拓をする仕組みを構築することだって可能です。
昔からのやり方に拘り続けることなく、営業活動も様々な選択肢の中で自社に最適な方法を活用するべきなのです。
私たち、Anytiveは中小金属加工業の新規開拓に特化した営業支援サービス「AnySales」をご提供しております。
「社内に営業担当がいない」、「既存業務が忙しくて営業活動に時間を割けない」という状況での新規開拓に乗り出せない中小製造業様の営業活動を丸投げで支援しております。
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