町工場の1番の課題は経営者が会社の全ての仕事抱え込んでいるために改革の行動を起こせないことです。
人不足、人はいるけど任せられる人材がいないなどの理由で町工場の多くの経営者は仕事を抱え込んでいます。
何をするにも「社長どうしますか?」「どうすればいいですか?」と聞かれてしまうので四六時中、気を休められず、従業員が帰った後も1人、残業をするような状況では町工場を変革するための時間や行動が取れないのです。
町工場の課題は「人不足」「1社依存」などがありますが、そもそも経営者に考える時間や新しい変革を起こすための行動を起こせないことが最大の課題です。
ここでは町工場の経営者が全てを背負うことで身動きが取れないのが最大の課題であり、身動きができずにいると待っている最悪の未来、そして経営者が自由に身動きを取るために何をすべきかに関して解説します。
町工場の経営者は抱え込みすぎ
町工場の経営者はおそらく日本で1番忙しく、時間がないビジネスマンでその理由は会社の仕事の全てを1人で抱え込んでいるためです。
人手不足はもちろんですが、社内に仕事を任せられる人材がいないために、会社を回すために必要な全てを1人で、9時から18時の時間を超え、毎日残業をして、ようやく既存の仕事が回す、それが抱え込み過ぎる町工場の経営者の1日です。
ここでは日本の町工場で起こっている大きな課題である抱え込みに関して解説します。
経営、営業、生産管理まで全部1人で
町工場の経営者は経営から顧客への営業、現場の生産管理まで全て1人で回していますが、この状況は会社としておかしい状況です。
そもそも営業活動をする営業部、注文を納期通り、求められる品質で生産する工場、会社の方向性を決める経営者など役割分担をして、会社を回すのが会社のあるべき姿です。
しかし、町工場の大半は営業部もなければ、工場を管理し、回せる工場長もいないので経営者が全てを背負い込んで1人で回さざるを得ない状況です。
要は町工場の経営者は1人3役の状態で、1日8時間しかないのに3つの役割をこなし、1人では抱えきれない量の仕事をこなしている状態なのです。
既存顧客の対応をしている時に、現場から「次どうする?」という内線が入り、外出先で顧客と話をしている時に別の顧客から「納期どうなってるの?」と催促の電話が入る、まさに馬車馬に働かざるを得ないのが町工場の経営者です。
以下の記事では町工場の経営において、社長の抱え込みがNGであり、経営が上手な町工場は共通して「手放す」ことに取り組んで成功を収めている点に関して解説をしていますので合わせてご覧ください。
既存の仕事をこなすことで精一杯
3つの役割をこなし、会社を回すために全ての仕事を背負いこむと、毎日既存の仕事をこなすので精一杯の状態になっているのです。
会社を回すためには既存のお客様に満足していただける製品を遅滞なく納期通りに納品しなければなりませんが、これも経営者が1人で背負い込んでいるので、納期を守るために営業も経営もこなした上で生産管理する必要があります。
定時で終われば、いいですが、顧客の希望納期によっては残業が必要、現場に残業してもらうために説得するを繰り返すだけで1週間が過ぎ、気がつけば1ヶ月、そして1年という時間が既存の仕事をこなすだけで過ぎていくのです。
町工場の経営者が仕事を抱え込むと、日々の仕事をこなすことだけで精一杯で新しいことに取り組む、アイディアを練るという時間は存在しません。
そして、仮にこれまでにないアイディアを有していても、アイディアを実現するために取り組む余裕が1つもなく、貴重なアイディアもアイディアのまま終わってしまうのです
以下の記事では成功する町工場は「忙しい」を言い訳にせず、常に新しい取り組みを行うための時間作りをしている方法に関して解説していますので合わせてご覧ください
経営者が抱え込みを続けると待っている最悪の未来
町工場の経営者の抱え込みはその場しのぎであり、抱え込みを続けているといずれ町工場に最悪の未来が訪れます。
経営者が仕事を抱え込むと、一時的には会社は回ります、が時間と共に少しずつボロが出てきて、既存取引先に影響が出たり、未来に備えた準備や変革ができず、会社が変化に対応できなくなり、終わりを迎えることに繋がります。
ここでは町工場の経営者が抱え込みを続けると待っている最悪の未来について解説します。
既存顧客に仕事を引き上げられる
経営者の仕事の抱え込みが続くと、少しずつ既存顧客への対応が疎かになり、不良品を納品してしまうなど、既存顧客への不信感に繋がり、最悪の場合には取引がなくなる未来が待っています。
仕事を抱え込む量と比例して、既存顧客対応をする時間が減っていき、以下のような事態に陥ります。
- 見積回答するまでに時間がかかる
- 依頼された納期から遅延してしまう
- 品質不良の製品を納品してしまう
基本的に町工場は納期が早い製品から優先して対応するため、注文依頼が来ていない見積の優先度は後回しになり、見積依頼が多ければ、現場に入る時間が減り、品質チェックもできない、そうなると品質が悪い製品を納品するという循環です。
最初は「次から気をつけて」と優しい言葉を取引先にかけてもらったが、「見積回答はまだですか?」「納期ですが、納品はまだですか?」という催促の連絡に変わり、その後は徐々に連絡が減り、注文がなくなり、仕事を引き上げられるのです。
既存顧客は町工場にとって会社を回す利益をもたらしてくれる貴重な存在ですが、本来は会社を回すために仕事を抱え込んでいたのに、抱え込みが増えるにつれ、大事な顧客が離れていってしまう未来が訪れます。
会社に変化が起きずに現状維持のまま
仕事の抱え込みを続けると、既存の仕事を回すので精一杯で時間もないので、会社に変化を起こすための新しい行動やアイディアを実現できず、町工場が現状維持のままになります。
世の中は常に変化しており、取引先も競合他社も常に変わっていきますが、経営者が抱え込みを続けると、日々会社を回すことで精一杯になるので、社内に変化を起こすことができません。
例えば、町工場のものづくりの現場は高齢化がどんどん進んでいますが、既に動き出している町工場は未来の現場を支える若手を獲得し、未経験でも仕事ができる環境を用意して、育成に取り組んでいます。
経営者が仕事を抱え込むと、仕事を回すので精一杯で人材獲得や育成、1社依存から抜け出すための未来に備えた準備や行動に手がつけずに現状維持のままで時間だけが過ぎていくことになります。
本来は仕事を現場に任せて、経営者は未来に備えた行動を起こして、社内に変化を起こすべきところ、既存の仕事を行うのが精一杯な町工場は外の世界が著しく変わっているのに、変化に取り残されるのです。
突然訪れる変化に対応できない
仕事の抱え込み続けて、町工場が変化を起こせない、未来に備えられないと、突然訪れる変化に準備をしていないので何も対応ができず、経営を維持できなくなります。
町工場は常に変化の中に存在し、具体的には以下のような変化がこの先に待っています。
- 長年、現場を支えてくれた職人が引退
- 取引先の方針転換で仕事を引き上げられる
- 品質要求が上がり、既存設備では対応できなくなる
町工場の中も外も常に変化しており、現場の高齢の職人も少しずつ限界に近づいており、外にいる顧客も原価低減や品質要求が増え、今まで以上に町工場に求めるレベルが向上します。
そんな中で仕事を抱え、日々の業務を回すので精一杯で未来に備える人材確保や誰でも仕事ができる仕組みづくり、取引先1社に依存しない新規顧客の開拓ができていないと、突然やってくる大きな変化になす術もなく会社が傾いていきます。
変化の波は止めることができず、ある日なんの予兆もなく町工場にやってきます。
経営者が抱え込んで未来に備える準備や行動を起こしていないと、この未来の変化には耐えられないのです。
以下の記事では町工場の共通課題が「時間がない」ことであり、町工場が今後生き残るためにすべきことを解説していますので併せてご覧ください。
町工場の経営者が自由に動くためにすべきこと
この先に大きな変化が訪れる未来は避けられませんが、変化に対応するため町工場ができることは、今のうちに未来に備えて、経営者が行動を起こすことです。
そのためには仕事を抱えこんで日々の業務を回すことに忙殺されていてはいけません。
町工場に大きな打撃を与える未来は必ずやってきます。
そのために今、町工場の経営者が自由に動くためにすべきことを解説します。
誰でもできる簡単な仕組みを作る
経営者が仕事を抱え込みをなくすために必要なのは知識や経験に問わず、誰でも仕事ができる仕組みを作り上げることです。
町工場にとって、「あの人しかできない」は死活問題であり、一刻も早く排除しなければならない大問題です。
- 見積は社長しか作れない
- 納期を知っているのも社長
- 品質管理も社長が管理
上記のような「社長しかできない」から社長が大切な時間を使って、仕事をしないといけない、こんなような仕事がたくさんあるからいつまでも町工場の社長は時間が足りないのです。
必要なものは、社長じゃなくても、誰でも仕事ができるような仕組みです。
例えば、正確な見積でなく概算見積でも従業員が返せれば、社長の負担はかなり減るはずで、これには板厚と幅、長さを入れれば概算価格が出るような仕組みがあれば十分で、この仕組みを作るのにお金はかからず、最短30分でできてしまいます。
このように高いお金をかけて、デジタルすべきと言ってるわけでは決してありませんのでご安心ください。
0円でお金をかけずに無料で出来る仕組みづくりをすればいいのです。
以下の記事では月額数千円の費用で図面管理から誰でもiPadを見れば、ベテランと同じモノづくりができるマニュアルの仕組みを構築した株式会社曽我製作所様の事例を解説していますので併せてご覧ください。
外部のプロに丸投げする
町工場が1番手っ取り早く、経営者が仕事を抱え込む状態から抜け出す方法が外部のプロに丸投げで仕事を巻き取ってもらうことです。
現実問題で町工場の社長の仕事の全てを社内の人材だけで対応するのは不可能で、その際たる例が営業活動で特に、新規顧客を見つける新規開拓です。
町工場で働いている方の99%が営業をしたことがない、そもそも知らない会社に営業活動なんてしたくもないはずで、だからこそ社長が全部背負い込んで、営業をしていたはずもしくは営業をしたいけど時間がないので取り組んでいなかったのです。
こういった社内で得意な人材がいない、ノウハウを持った人材がいない仕事を社内で取り組むのは不可能であり、そのような仕事は外部のプロに丸投げをするのが1番です。
外部に依頼すると、費用がかかりますが、未経験の中で暗中模索で取り組むよりも確実かつ1番早く成果を出すことができます。
社長が抱え込んでいつまでも行動を起こせないのと、外部に丸投げをして、今までできなかった変化を起こす行動をとり、成果が生まれる、あなたはどちらを選びますか。
以下の記事では営業部もいない、営業ノウハウもない町工場が外部の金属加工の営業のプロに丸投げをすることで、異業界のメーカー開拓や大手メーカーの開拓に成功した事例を紹介していますので併せてご覧ください。
まとめ:町工場の経営者は仕事を抱え込みの課題から卒業せよ
この記事では町工場の経営者が全てを背負うことで身動きが取れないのが最大の課題であり、身動きができずにいると最悪の未来が待っており、経営者が自由に身動きを取るために何をすべきかを解説しました。
町工場が抱える最大の課題は社長や経営者が仕事を抱えこんで、身動きがとれないことです。
会社を変えたいと本気で思っているなら、まずすべきは社長が仕事を抱えこみを辞めることです。
仕事を抱え込むのをやめれば、時間が生まれ、新しい挑戦やアイディアの実現に挑戦できるようになります。
町工場は世の中の変化に置き去りにされているのは事実であり、これから先の未来を生きるには世の中の変化に合わせて、町工場も変わる必要があります。
仕事を抱え込むのではなく、経営者が自由に動き回れることが現状を打破する第一歩です。
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