金属加工業の成功している町工場の共通点は「忙しい」を言い訳にせず、常に時間を作るための努力と仕組みづくりをしているのです。
残念ながら多くの町工場は「忙しい」を理由に変化することなく時間だけが過ぎて、いつまでも停滞したままです。
外部環境が変化して、町工場の廃業が起きても、廃業で空いた椅子を勝ち取ろうと新規開拓もせず、社長が常に現場に入り続ける環境を変えようとしない町工場があまりにも多いです。
はっきりと言いますが、自分たちで挑戦や改善に取り組まない限り、変化は一生訪れず、いつまでもギリギリの状態で疲弊しながらの経営のままです。
しかし、一方で町工場の中には成功を収め、残業をすることなく、十分な利益を確保し、社長が現場にいなくても仕事が回る工場も存在し、違いは「忙しい」を言い訳にせず、常に時間を作り出すことで、新しい挑戦に取り組んでいるのです。
この記事では成功する町工場はいかに「忙しい」を理由にせず、新しいことに取り組み、変化しているのか、残念な町工場との違いを解説します。
残念な町工場の共通点
成功する町工場の紹介をする前に残念な町工場がどういう特徴を持っているかを知る必要があります。
成功から程遠い町工場は「忙しいから」という言葉をよく使い、忙しいから変化に取り組んだり、新しいことに挑戦することをしないのです。
ここでは残念な町工場の共通点を解説します。
言い訳で新しいことに挑戦しない
基本的に残念な町工場は「忙しい」「時間がない」を言い訳にして、新しい挑戦や改革に取り組もうともしません。
残念な町工場の経営者が使う言い訳は以下の通りです。
- 見積作成で忙しい
- 既存顧客対応が忙しい
- 現場作業が忙しい
- 営業する時間がない
- 新しいことに取り組む時間がない
外部な環境の変化などで常に危機感はあるのに、後ろ向きな言葉が行動よりも先に出てきて、新しいことに手を出さないのです。
目の前に新しいことに取り組むチャンスやパートナーが現れても、「やらないといけないと思うんですけど。。」「やりたいんですよね。。」と中途半端なことを言って、結局やらないのが残念な町工場です。
「チャンスに後ろ髪はない」という言葉があるようにチャンスは悠長に待ってくれませんので言い訳をしている時点で変化するチャンスを目の前にして逃しているのです。
社長が営業、経営、人材、経理、現場の全てを抱え込んでしまう町工場が多く存在しますが、この抱え込みはNGであり、社長に限界が来るのはもちろん、新しい取り組みに取り組めない理由を解説していますので以下の記事も併せてご覧ください。
時間を捻出する仕組みを作らない
残念な町工場は忙しい、時間がない状態から抜け出すための仕組みを作らないので、いつまで経っても経営者が現場から離れられない、顧客対応を任せられず、新しいことに挑戦しないのです。
基本的に町工場はどこも「人不足」なので、経営者が現場に入らずに済むことは稀ですが、そんな中でも仕組みを作って経営者が現場にいなくても、仕事が回り、経営者が新たな挑戦に専念できる町工場も存在します。
しかし、残念な町工場は「時間がない」「忙しい」ばかりで現状を変えることを考えず、目の前の仕事に忙殺され、新しいことに挑戦するための時間の捻出に取り組まないのです。
毎日毎日、同じ作業の繰り返している、もっと効率化にできるのに無駄な作業ばかりしていては、いつまでも時間は増えません。
時間を捻出するためには既存の仕事の取り組み方を変える、ITツールを導入して効率化するなどに取り組めばいいのですが、その取り組みを行わないのです。
やれば、いくらでも時間は捻出できるのに、取り組まず、いつまでも現場に張り付いて時間がない環境に甘んじるのです。
「時間がない」と感じている町工場の方は以下の記事で、今後も町工場が生き残るためにすべきことを解説していますので、併せてご覧ください。
本来やるべきことを後回しにしている
「時間がない」「忙しい」を言い続けて、本来やるべきことを後回しにして、ずるずると変化のない時間を過ごす町工場があまりにも多いです。
よくいませんか?「あ〜今年もこの時期は暇だね〜」「みんな仕事が薄いね」と毎年同じことを言う知り合いの町工場がいて、自分もその話を聞いて、自社だけじゃない、みんな一緒だからしょうがないと考える人。
でも、他の会社と同じことをしていたら、いつか痛い目を見ると本当はわかっているのではないのでしょうか。
自社が取引している業界が年々、売上が減っている、ジリジリと利益が減っていく経営状態を目の前にして、本来やるべきことを実はわかっているのではないでしょうか。
でも目の前の仕事をこなすので精一杯で本来、1番に時間をかけて取り組むべきことを後回しにしてしまい、1年が過ぎて、また1年と言う繰り返し。
新しい挑戦や取り組みはすぐに成果が出るほど簡単なものではありません。
時間をかけて、種をまいてコツコツ育てる必要があり、やばいと思って、始めた時にはすでに手遅れなのです。
でも実に多くの町工場が本来やるべきことを後回しにしているのが実態です。
忙しいを言い訳にしない町工場の特徴
成功する町工場は忙しいを言い訳にしない、そして忙しい状態を悪だと考え、常に時間を作るための仕組みづくり、環境づくりに取り組んでいます。
「忙しい」と感じる仕事を効率化して、時間を作る。
「この人しかできない」は「誰でもできる」に職場を変える
「自分たちが苦手な仕事」は外部のプロに任せて、変化を止めない
これが「忙しい」を言い訳をしない町工場の特徴です。
ここでは詳しく時間作りに取り組み、成功する町工場の取り組みを解説します。
忙しいで終わりにせず、効率化に取り組む
成功する町工場は「忙しい」と感じた際にその「忙しい」と感じる原因を突き止めて、効率化もしくは省力化、自動化ができないかを考えるのです。
世の中の町工場はみんな人不足で、充足している会社なんて滅多にありませんが、人不足でも成功する町工場と忙しさに埋もれる町工場で大きな違いがあるのです。
それは「忙しい」をすぐに解決するか、そのまま人海戦術で時間をかけて対応するかの違いです。
仕事が忙しいと、作業に時間を奪われてしまい、新しい挑戦ができなくなりますが、この忙しいを効率化・省力化できれば「時間」が生まれるので成功する町工場は「忙しい仕事」を見逃しません。
「忙しい仕事」には理由があり、段取りなのか、仕事の仕方なのか、能力が原因なのかを見極めて解決する方法を特定し、現場を素早く改善するのが成功する町工場です。
少しでも「忙しい仕事」を放置すると仕事が積み重なり、あっという間に時間を奪われてしまいます。
その無駄な仕事に時間を奪われるのが成功する町工場の経営者は大嫌いなので、無駄を見つけ次第、すぐに効率化することで貴重な時間を奪われない環境づくりに取り組んでいるのです。
職人化や属人化を許さず、誰でもできるに
「あの人しかできない仕事」「後輩に仕事を教えず自分の仕事を守る職人」を成功する町工場は許しません。
令和の時代になっても「先輩の仕事を見て盗め」「自分の仕事がなくなるのを恐れて、ノウハウを共有しない」ような職人が未だに存在します。
その人しかできない属人化状態を現場で作ると、のらりくらりと仕事をされ、自分しかできないことをいいことにワガママを言う職人に振り回される。
後輩に仕事を教えないから、いつまで経っても後輩が育たないし、生産性が悪くなる。
成功する町工場は職人化と属人化は町工場にとって害悪と考え、誰でもできる、仕事の経験年数に左右されずに仕事ができる環境づくりを行います。
また、成功する町工場は現場で経営者自身が属人化してしまうことは絶対にしません。
経営者が現場にいる限り、時間は永遠に生まれず、やりたいことや新しい挑戦に手を出せなくなり、会社の成長が止まるからです。
成功する町工場は経営者が工場に入らなくても仕事が回ることを大前提に考えており、そのために必要な仕組みづくりに余念がないのです。
苦手な仕事は外部のプロに任せて進める
成功する町工場は自社が社内でできないこと・苦手なことは全て外部の信頼できるプロに丸投げして、短期間で成果を出すことにしています。
多くの町工場は全て社内で完結しなければならないと考えて、苦手なことでも1から調べて取り組もうとしますが、その時間が無駄と考えています。
一生懸命調べて、勉強して時間を使っても、結果や成果が出ないのは無駄な時間です。
成功する町工場はとにかく、新しいことに取り組み続けて常に変化することを第一に考えており、苦手なことに社内で取り組んで時間を使う、苦手でわからないからと足踏みをする時間を嫌います。
自分たちがすべきでないと判断したら、即座に外部のプロに依頼をして任せてしまうのです。
「外部のプロに任せたらお金がかかるじゃないか」ということを言う町工場が多いですが、結果的にプロに任せた方が自社でやるより何倍も早く成果が出るのです。
社内で時間をかけて、新しい取り組みが進まない、結果も出ないで停滞するよりプロに任せて、新しい挑戦を成功させることのほうが何倍も価値があるのです。
町工場が何でもかんでも自社でやるべきでない理由、自社で抱え込むと会社の成長が止まる理由を詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。
成功する町工場が取り組む時間の捻出方法
町工場は確かに共通して、「時間がない」ですが、そんな中でも工夫や考え方だけで時間を捻出し、新しい挑戦や改革に乗り出す町工場は存在します。
成功する町工場は時間を捻出することに余念がなく、そして無駄なことに時間を使うことを極端に嫌います。
ここでは成功する町工場がどうやって時間を捻出しているかを具体的に解説します。
自社が苦手と感じたら外部に依頼
時間を捻出している町工場は自社が苦手だと思う仕事は無理に挑戦せず、得意な外部のプロに依頼してしまうのです。
人には得意不得意があるように、会社にも得意不得意があり、自分たちが苦手なことに取り組んでも結果や成果が出るのに時間もかかりますし、勉強するための時間も必要です。
町工場にとって時間は有限であり、限られた時間をどこで使うかが重要です。
すべきでないことに時間を使っていてはいつまでも会社は変わりませんし、結果もついてきません。
技術集団である町工場は技術にひたむきに向き合うべきであり、自分たちがやるべきでない苦手な新規開拓やデジタル化は外部のプロにすぐに丸投げしてしまうのです。
時間を捻出する町工場は苦手なことを1から勉強して、取り組むのではなく、外部のプロに任せて丸投げしてしまい、自分たちは得意なことに専念する時間を作る、まさに分業で時間を捻出しているのです。
自分たちが苦手なことに取り組むより外部の専門家やプロに任せたほうが短時間で結果が出るので時間も無駄に使わず、最速で結果を出せるので遥かに効率的です。
時間が拘束される業務を改善する
成功する町工場は無駄に時間を浪費している業務を改善することに余念がありません。
町工場には以下のような時間を奪っていく作業がたくさんあります。
- 毎回、材料屋に材料単価を電話で聞く作業
- 加工する図面を図面保管棚に行って、毎回探す作業
- 加工状況が外でわからないから毎回事務職に聞く作業
- FAXを確認するために会社に戻る作業
- 材料在庫を外で見れないから毎回、電話する作業
- 図面の手書きが読めないから先輩に聞く作業
町工場には時間を奪う仕事が本当に山ほどあり、そのせいで経営者が現場から離れることができず、いつまでも新しいことに着手できないなんて最悪の状況に陥るのです。
よく「デジタル化」「DX」と言葉だけ使ってシステムを入れようとするコンサルタントがいますが、町工場が効率化をするべき真の理由は経営者が拘束される時間を減らしてやりたいこと時間を創造するためだとわかっていないのです。
成功する町工場は「経営者がいつまでも現場にいないといけない状況」を悪だと考え、いかに自分がいなくても仕事が回るかを考え、現場の効率化、そして自動化に取り組んでいるのです。
よく効率化、デジタル化と話すと「予算があるから」「ITに長けた人がいる」と他所だからできるという言い訳をする方がいますが、そんな事で効率化を諦めるようでは、決して時間を創造することはできません。
もしも、町工場のあなたが毎回、図面棚まで行って図面を探して目的の図面を探すのに10分も20分も無駄にしているなら以下の記事が役に立ちます。
以下の記事では「予算なし」「IT人材なし」の状態でもアイディアだけで、紙図面のペーパーレス化を実現し、職人依存を排除し、誰でも同じものが作れる現場を創造した事例記事ですので、仕組み化の方法を知りたい方はぜひチェックしてください。
「とにかくやってみる」ことを重要視
成功する町工場は決してやりたいと思った新しい挑戦を自分の胸やアイディアのまま終わらせることなく、とにかくやってることを重要視しています。
町工場の中には以下のような人がいます。
- やりたいけど時間がないと言い訳する人
- やるべきだと思いながらいつまでも手を出さない人
- できない理由ばかり挙げて自分を誤魔化す人
色々な町工場を見ていますが、本当に残念な町工場の経営者には「やりたいんですけど。。。」「忙しくてなかなか。。。」と本当は日々危機感を感じているのに、手を出さない人があまりにも多いです。
成功する町工場は「やりたい・これはいい」と思った瞬間にすぐに手を動かしてアイディアを形にすること、とにかくやってみるのです。
「時間がないなら時間を作れ、やるべきと思うならすぐやれ、できない理由があるなら、できるようにしろ」と考えるのが成功する町工場ですが、残念な町工場はいつまでも動き出さないのです。
とにかくやればいいだけで、やればきっと新しいことや気づきが生まれるので、その気づきをもとに更に掘り進めていくと自分たちが求めていた成果に結びつくのです。
ただし、やらなければずっと環境は変わりませんし、経営者がずっと現場に入らないと回らない町工場のままです。
新しいことに取り組む時間が欲しいなら、とにかく「やってみればいい」のです。
まとめ:成功する町工場は時間の捻出を最優先にしている
この記事では成功する町工場は「忙しい」を言い訳にしない。時間を作る具体的な方法に関して解説してきました。
町工場が成功しているか、否かを見分けるポイントはシンプルで社長が現場に張り付いていないと回らない町工場は成功しているとは言えません。
それは社員が少なかろうが関係ありません、社員が少なくても社長なしで回っている成功している町工場は存在します。
成功する町工場は「忙しい」と感じたら忙しい原因を突き止めて、すぐに仕組みにする。
自分たちが苦手なことは外部に任せて、自分たちは時間を得意なことに回す。
この考えが町工場が成功するために必要であり、「忙しくて何もできないなら」まずは忙しい原因を取り除くことに取り組むべきです。
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「時間が捻出できず、自分では営業に取り組めない」「新規開拓したいけど営業方法がわからない」の悩みを抱える町工場様はぜひ資料請求にてサービス内容をご確認ください。