製造業の町工場で新規開拓の営業をしても成果が出ないのは間違ったやり方や、成果の出ない方法で取り組んでいることが原因です。
製造業の営業方法やノウハウはネットで調べても出てきません。
それは過去から製造業において新規開拓に取り組む人が少なく、更にはネット上にノウハウを公開するような人がいないが故に町工場はノウハウなしの難易度が高い新規開拓に取り組まなければならないのです。
情報がないので多くの町工場は間違った方法で新規開拓に取り組んでしまい、いつまでも成果が出ない新規開拓に疲弊して、やがて新規開拓に取り組まなくなる構図になっています。
ここでは製造業の町工場が新規開拓の営業の中でやっていたら成果が出ない営業方法を解説します。
成果がでない3つの営業方法
新規開拓の成果が出ない町工場の大半は間違った方法で営業活動をしていることが原因です。
どれだけ地道に営業活動に取り組んでも、そもそもの営業方法が間違っていたのでは成果は出ません。
また、町工場の課題や悩みに漬け込んで、成果が出ないと分かりながら、楽な新規開拓な方法としてITツールの活用を進めるIT会社なども発生しています。
ここでは成果が出ることがなく、町工場が取り組むべきでない営業方法3つを紹介します。
飛び込み営業
飛び込み営業は1番成果が出ない新規開拓の方法で取り組むための時間と労力は全て無駄です。
営業方法がわからなくても、手早く取り組める方法が飛び込み営業ですが、絶対に成果に繋がることはありません。
その理由は飛び込み営業が運任せの営業方法であるためです。
飛び込み営業は商談相手である購買部の都合を無視して、勝手に訪問をする無礼な営業方法であり、そもそも守衛さんがいるような大手企業では購買部に会うことさえできません。
企業で働く人には1日の予定があり、その予定の中で仕事をしているのに、飛び込み営業はそんな予定を問答無用で無視して「時間ください」と訪問する営業活動です。
購買部は日々の業務で忙しいのに、誰ともわからない人間の突然の訪問を迎え入れるわけがありませんし、「いいよ、話をしよう」なんて奇跡にも近い確率を信じるのが飛び込み営業です。
飛び込み営業をせずに、新規開拓できる方法に関して詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。
テレアポ代行
購買部へのアポイントを代行してくれるテレアポ代行業者に依頼しても、町工場の方が本当に出会いたいメーカーや仕事にたどり着くことはありません。
町工場の中にはそもそも電話でアポイントを取るのが苦手、アポを取る時間がないからと言ってテレアポ代行を依頼しても絶対に成果に結びつきません。
その理由はテレアポ代行を行う業者はモノづくりを知らず、経営や現場にとって最適な仕事を理解してないからです。
テレアポ代行は依頼主である町工場にとって、どんな仕事をとるべきか、どんな図面が最も現場に負担はないかなんて考えていません。
考えてるのはいかに「アポイントの数を増やすか」だけで、数を増やすという考えに町工場が本当に必要とるすアポイントという概念はないです。
そのため、以下のような問題が発生します。
- 町工場の加工範囲でない企業のアポを取る
- アポイントのゴリ押しで商談に行ったら10分で終わってしまった
- やっても利益の出ない仕事を安請け合いする羽目に
トラックのフレームなどの厚板の加工が中心の町工場に精密板金のメーカーのアポを取る、なんてことをテレアポ代行は普通にやってしまうのです。
そして、時間がない中で仕事を止めて、往復の移動時間をかけて商談に行ったら「とりあえず時間ください」のゴリ押しアポで、わずか10分で商談が終わり、移動時間が無駄になる最悪のケースもザラに発生します。
時間がないから苦手だからとアポ代行を頼んでも、意味のないアポしか取れないので、成果に繋がる可能性はありません。
以下の記事では町工場がテレアポ代行を頼むべきでない理由と町工場が本当に依頼すべき新規開拓支援会社の見つけ方を詳細まで解説していますので気になる方はぜひ記事をご覧ください。
フォーム営業
町工場が「営業DX」やテレアポをせずにアポイントが取れるなどの甘い言葉に騙されて利用してしまうのがフォーム営業ですが、これもコストだけかかって成果が生まれない営業の1つです。
ITやデジタル化が進み、営業活動をデジタル化する動きが出ており、その方法として企業が用意するお問い合わせフォームに営業メールを送る「フォーム営業」を行う町工場が増えてます。
しかし、「フォーム営業」は楽かもしれませんが、購買部と具体的に話をして、図面をもらうことはできません。
その理由は以下のとおりです。
- フォーム営業のメールが購買部にそもそも辿り着かない
- お問い合わせフォームのメールを購買部は見ない
- フォーム営業を提供するIT会社は製造業を知らない素人
フォーム営業で送付するメールが購買部に辿り着くことは皆無であり、仮に辿り着いたとしても普段関わりのないお問い合わせフォーム購買部がそのメールを見ることはありません。
製造業のメーカーでお問い合わせフォームに送信したメールは購買部でなく、経理や総務などの関係のない部署が確認をするので購買部宛の内容を見ても、よくある営業メールと捉えて、無視してしまうのです。
また、フォーム営業を提案するIT企業は製造業に関してこれっぽっちも知識を持ってないので、「とにかく送りましょう」「数を打てば当たります」など具体的な提案方法は1つも出してきません。
また、フォーム営業はそれなりの費用が必要で月額10万円以上かかるのが普通であり、費用対効果があまりにもない手法です。
購買部が嫌がる営業の特徴
仮にアポイントが取れて、商談ができてもいつも「何かあったら連絡する」と言われ、図面を獲得できていないのは購買部が嫌がる営業をしていることが原因です。
せっかくアポイントが取れて、商談の席を獲得しても図面が取れなければ、見積ができないので、仕事を獲得することができません。
ここでは購買部が嫌がる町工場の営業の特徴を解説します。
ひたすら喋り続ける営業
1番購買部に嫌われる営業は商談することに焦ってしまい、ひたすら喋り続ける営業です。
基本的に営業というのは「どれだけ相手から情報を引き出すか」「困りごとを聞き出すのがミッション」ですが、新規開拓の経験が少ない町工場は焦ってしまい、ひたすら購買部へ話し続けてしまいます。
はっきりと言うと、「購買部が何も話してくれない商談」は商談ではなく、ただ町工場が一方的に自己紹介をしているだけで大失敗です。
慣れていない商談で事前に用意した話すべきリストを全て話し切ることが目的になっているのが原因ですが、話し続ける限り、成功は訪れません。
町工場の新規開拓で大事なのは「購買部に話をさせる」ことで、そのためには購買部が共通して抱える課題を理解した上で、決まった質問を投げかけて、「購買部の問題」を聞き出すことです。
そのため、成功する商談というのは実はシンプルで、以下のような流れになります。
- 軽い自己紹介
- 購買部にお決まりの質問を3つする
- 購買部が話し続ける
- 課題解決できる方法を説明
- 実力確認の見積図面の依頼
喋り続けるでなく、お決まりの質問を3つだけして「購買部がひたすら話し続ける状況」を作るだけで町工場の営業はミッションクリアなのです。
以下の記事で購買部の共通課題と質問すべき内容をまとめていますので併せてご覧ください。
設備紹介ばかりする営業
町工場が勘違いしているのが購買部は設備紹介の説明なんて1つも求めていないのに、ひたすら自社の設備を自慢げに説明する営業は本当に購買部に嫌われます。
「設備の話を聞いても、何の興味も湧きません」「設備を聞いても、それで何を加工しているかわかりません」これはどの購買部の担当もおっしゃるのですが、町工場の大半が商談で自社の加工設備の話を延々としているようです。
おそらくですが、購買部に提案すべき内容がわからないからとりあえず、「こんな設備があります」「最新鋭のこれがあります」などと町工場は話をしていると思うのですが、この設備紹介は嫌われる原因になっているのです。
なぜなら、購買部が本当に知りたいのは町工場が「普段、どんな製品を加工しているのか」「どんな領域の仕事をしているのか」という点です。
購買部は以下のような流れで自社にメリットのある町工場かを判断しています。
- 製品事例を見る
- 自社の加工品と類似する加工品がある
- 詳細の確認をして、対応可能か判断する
- 図面を出す
大事なのは「メーカー側の部品と類似する製品があるか」という点で、加工設備を紹介されても、類似製品があるか判断できないので、購買部は図面を出すという考えまで行き着かないのです。
そのため、町工場は求められていない加工設備の話をするのではなく、本来購買部が知りたい「どんな製品を作っているか」が簡単に理解できる製品事例の話をすべきです。
以下の記事では町工場の営業失敗は設備紹介のせいであり、本当に必要なのは製品事例である理由を詳細まで解説していますので、併せてご覧ください。
町工場が営業する前にすべき2つのこと
町工場がメーカーに新規開拓の営業をする前に必ず「購買部の悩み」を理解し、「1番簡単な資料送付後のオープン調達」で経験を積むことをお勧めします。
「仕事が欲しい」「新規取引先が欲しい」と焦る気持ちはわかりますが、成功確率がない新規開拓に時間を無駄に使うよりも事前準備をしっかりと行うのが、成功の近道です。
ここでは新規開拓をする前に町工場が行うべき2つのことを解説します。
購買部を理解する
町工場が新規開拓を成功させたいなら「購買部を理解する」ことが重要です。
新規開拓の営業というのは結局「購買部の課題」を解決する存在であることを購買に伝えることです。
つまり、自分たちが課題解決ができる存在と証明するためにはそもそも購買部が「どんな課題を抱えている」「何に対して悩んでいる」のかを理解する必要があるのです。
相手の課題を理解せずに話をしても、商談はうまくいきませんが、逆に購買部の課題さえ理解していれば「こいつはよく理解しているな」「この町工場なら課題を解決してくれるかも」と前向きな印象を与えることができます。
町工場が知るべき購買部の課題は大きく3つに分かれます。
- コストダウン
- 小ロット・短納期
- 廃業問題
上記をそれぞれ理解することが町工場が新規開拓の前にすべき重要な事前準備です。
購買部の抱える課題に関して詳しく知りたい方は以下の記事で購買部の抱える課題を細かく解説していますので、ぜひ確認してみてください。
オープン調達で経験値を積む
新規開拓はスポーツ同様にある程度の練習として実践経験が必要なので、町工場は1番簡単に商談ができるオープン調達を活用して商談経験を積む必要があります。
町工場にとって新規開拓は苦手な仕事の1つであり、経験方法な人材がいるという企業は皆無で、いきなりやったこともない商談をして図面を獲得するのは至難の業です。
スポーツ同様に新規開拓もある程度、経験を積むと以下のような状態になり、新規開拓が簡単になっていきます。
- いつも聞かれる質問が何となくわかる
- どのように話せば、興味を持ってもらえるかわかる
- 図面を引き出しやすいフレーズがわかるように
経験を積むためには商談の数を増やす必要がありますが、そこで活用すべきなのは「オープン調達」です。
オープン調達はメーカーがWeb上に自社が必要とする加工技術や仕入れたい部材を明確に掲載し、全国から町工場の提案を募る方法で、今すぐに新しい町工場を欲している状態のメーカーなのです。
通常はテレアポをしても「間に合ってます」「新規提案はお断りするように」などの聞きたくもない断り文句がオープン調達では存在しないのです。
また、オープン調達は購買部直通の番号がWebサイトに記載されているので、受付を通さず、直接アポイントができるので商談経験を積む際に極めて簡単な方法となります。
オープン調達の活用方法や具体的な提案方法の手順を以下の記事で解説していますので気になる方はぜひ、詳細を確認してください。
【まとめ】間違った手段や営業では町工場に仕事は増えず、時間の無駄
この記事では製造業の町工場がやってたら成果が出ない営業手法を解説してきました。
多くの町工場は新規開拓を間違った方法で取り組んでおり、その間違いが原因で成果を生むことができないのです。
「仕事が欲しい」「新規取引先を増やしたい」と強く願うのであれば、1度自社の取り組む営業方法を見直してください。
誤った営業を繰り返すのでなく、正しい営業方法で購買部に価値を伝えることが重要です。
まずはこの記事で自社の取り組む営業活動と一致する部分はないか見直しをしてみるのはいかがでしょうか。
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