コロナ禍の影響を受けて、主要顧客からの注文が減少している中小製造業にこれまでにないほど大きな新規顧客開拓のチャンスが到来していることにお気づきでしょうか。
コロナ禍に陥る前はどのメーカーも既存のサプライヤーからいつも通り、購買をしていれば良かったので、中小企業からの新規営業に対しては「間に合っている」と答えるだけでした。
しかし、コロナ禍に陥ったことで購買担当は今まで通りの購買を行うのが「大丈夫ではなくなった」のです。
その理由はコロナ禍における世界的な経済の停滞を受けて、以下の2つの問題が発生したためです。
- 売上減少分をの利益創出を目的としたコストダウン
- 既存のサプライヤーが黒字廃業
コロナ禍において、購買部はこれまで以上のコストダウンと廃業したサプライヤーが生産していた既存製品の製造先を探す必要性が出ているのです。
この記事では、コロナ禍において中小製造業の新規開拓が簡単になっている理由を解説すると共に、積極的に新規開拓を行いコロナ禍でも新規開拓に成功した企業の成功事例を解説します。
コロナウィルスが購買部に与えた3つの問題
コロナウィルスの影響によって日本の製造業は大打撃を受けておりますが、実態は売上だけでなく、資材や部材調達にも大きな影響を与えているのです。
売上高減少による利益減少によって、購買部はこれまで通り、昔からの付き合いのある会社からいつも通り部材を購入をしていればいいというわけにはいかなくなりました。
むしろ、これまで通りの選択肢ではなく、全く新しい選択肢である購買先を見つける必要に迫られているのです。
ここではコロナウィルスが購買に与えた3つの問題に関して解説していきます。
利益創出を目的としたコストダウン
コロナウィルスの影響を受けて、大半の企業の売上が大幅に減少しており、企業はコストダウンを行うことで少ない売上の中でも利益創出する必要があり、購買部に大きな使命が与えられているのです。
緊急事態宣言や不要不急の外出を控える動きの影響で国内の消費活動が長い期間停滞をしたことで、消費者の購買活動はもちろん、企業の投資活動も停滞を余儀なくされ、国内でモノが売れなくなる状況に陥りました。
コロナウィルスは誰もが予期せぬ突発的な問題ではありますが、企業活動においてはコロナウィルスが蔓延しようとも、株主に対する利益創出の責任を負っているため、少ない売上の中でも利益創出をする必要があります。
企業が利益をコントロールする方法は以下の2つです
- 売上を増大させる
- コスト削減による利益率を向上
前者の売上増大による利益増大はコロナウィルスの影響による景気後退、消費活動の停滞で現実的ではなく、企業が取れる唯一の方法がコスト削減による利益率の向上です。
コスト削減は企業の原価低減活動が影響しますが、最も直接的で効果が早く出るのが「外部購買費用の削減」です。
売上確保ができない以上、企業はコスト削減するしか利益創出の方法がないため、購買部に対して、利益創出を目的としたコストダウン指示が全ての企業で実施されており、購買部は利益創出を目的としたコスト削減の手段を模索している状況なのです。
既存サプライヤーの黒字廃業
コロナウィルスの影響を受けて、長い間、主要サプライヤーとして部材供給を支えていた中小企業がコロナウィルスによるメーカー側の景気後退による発注減少を恐れて、経営が黒字の間に会社を畳むサプライヤーが増加し、メーカーのサプライチェーンに変革の波が訪れています。
通常は経営資金が枯渇して、会社を畳むケースがほとんどですが、コロナウィルスによる長期間の景気後退を予測して、従業員への退職金などを支払える経営体力が在るうちに会社を畳んでしまう黒字廃業が発生したのです。
黒字廃業はサプライヤー側としてはコロナウィルスによる景気後退といつまで不況続くか分からない状況の中で従業員を抱え続けることへの不安が生んだ減少ですが、購買部側からすると長い間、取引のあった発注先が突然なくなってしまい、代替先を見つけ出す必要があるのです。
発注量の少ないサプライヤーの黒字廃業であれば、サプライチェーンに与える影響は少ないですが、何十年も前から取引を行なって主要部品などを依頼していたサプライヤーが黒字廃業した場合は購買部にとって致命的な問題に繋がります。
特に調達コストに関しては、2~3人の会社だからこそ実現していた価格を他の会社に全く同じ品質と価格で製造依頼しても簡単に実現できる会社は滅多にありません。
既存サプライヤーの黒字廃業により、購買部はコスト削減はもちろん、廃業する企業に依頼していた部材の代替発注先を探す必要が出ているのです。
サプライチェーン大改革の必要性
日本企業はコロナウィルスによる売上減少による調達コストの見直しと黒字廃業企業の代替発注先の選定など既存サプライチェーンの大改革に必要が迫られています。
コロナウィルス以前の購買部は従来通り、既存サプライチェーンの中で生産管理の求める部材調達をしていれば、問題はありませんでしたが、コロナウィルスにより「更なるコスト削減」と「黒字廃業先の代替調達先の発掘」がミッションとなっています。
つまり、購買部はこれまでの購買先を見直して、もっと安く買える企業、既存サプライヤーが廃業した場合の第2調達先の発掘と育成が必要となっているのです。
しかし、中小企業の数には限りがあり、有力な技術や生産設備を有する企業はすぐに手がつけられてしまうため、企業による有力サプライヤーの争奪戦にもつながるのです。
購買部は従来通りの調達活動を続けると共に、新しい購買先をいち早く見つけてコスト削減と黒字廃業の代替先というリスクヘッジが急務となっています。
コロナ禍における中小製造業の新規開拓が簡単な3つの理由
コロナウィルスの影響で中小製造業の新規開拓はかつてないほど大きなチャンスが生まれており、どの中小企業にも名だたる大手メーカーからの発注を獲得するチャンスがあるのです。
その背景には購買部がコロナウィルスによってもたらされた課題である「調達コストの見直し」「黒字廃業先の代替調達先の選定」の存在があります。
ここではコロナ禍で中小製造業の新規開拓が簡単である3つの理由を解説します。
購買部のサプライヤー開拓が急務
どの企業の購買部でもコロナウィルスの影響でもかつてないほど新しいサプライヤーを求めています。
コロナウィルスが発生する前は仮に購買部に提案をしても「今は調達先で困っていません」「間に合っています」という言葉を返されて、新規開拓が難しい状況でした。
しかし、コロナウィルスによって購買部が「更なるコスト削減」と「黒字廃業先の代替先」の必要が出たことで中小製造業の新規開拓の難易度が大きく下がったのです。
つまり、これまで既存サプライヤーで事足りていた購買部がコロナウィルスの影響で新規サプライヤーからの「コストダウン提案」や「新規部材供給」が喉から手が出るほど必要となったのです。
そのため、「既存サプライヤーで間に合っている」「課題はない」と新規提案を断っていた企業は軒並み、新規提案の窓口を広げており、電話でのテレアポに対しても提案の機会を与える企業が急増しています。
コロナウィルスの影響を受けて、購買部は既存業務の他に新規サプライヤー開拓が急務となったことにより、中小製造業の新規開拓は簡単になっているのです。
購買部の課題が明確となっている
中小製造業が購買部にすべき提案が明確となっていることも新規開拓のしやすさに大きな影響を与えています。
これまで、中小製造業が行なっていた提案といえば、「こういう加工ができます」「こんな製品を作れます」という自分達の技術を押し出した提案することがほとんどで、その大半が購買部の悩みや課題と一致せず、新規開拓に至らないケースが多かったです。
しかし、コロナウィルスによってメーカーの購買部が抱える課題が明確となったことで、中小製造業は「コストダウン」もしくは「黒字廃業先の代替提案」を行うことで容易に購買部への提案の機会を獲得できるようになったのです。
新規開拓をしたいがやり方がわからないと新規開拓を諦めていた企業も「コストダウン」「廃業サプライヤーの代替提案」の2つの言葉を活用するだけで商談機会を作ることができるのです。
購買部が何に困っていて、どう言う提案をすればわからなかった企業が明確に購買部の課題を認識することで、全ての中小企業に平等に提案のチャンスが巡ってくる状況が生まれています。
サプライヤー開拓が満足にできていない
購買部は新規サプライヤー開拓が急務となっていますが、実態としてどの企業の購買部も満足のいく新規サプライヤー開拓ができていないのです。
購買部が満足にサプライヤー開拓ができない理由は2つです。
- 既存調達業務が忙しく、開拓をする余裕がない
- 緊急事態宣言の影響で企業訪問や展示会に参加できない
購買部は新規サプライヤーを開拓するだけが仕事でなく、生産管理に指示された工程通りに必要部材を遅滞することなく調達する必要があります。
この遅滞のない部材手配にはサプライヤーとの納期折衝や物流手配、トラブル時の納期調整などで多忙を極めており、新規サプライヤー開拓をする余裕がないのが理由の1つになります。
もう1つは、コロナウィルスの影響により中小製造業への訪問や展示会中止により、新規サプライヤーと出会う機会が極端に減少しているためです。
外部企業との接触を避ける目的で外部企業への訪問を制限する企業は多く、その影響でサプライヤー開拓が思うようにできないというケースがあります。
また、効率的に新規サプライヤー開拓ができる展示会参加も、緊急事態宣言などの影響で展示会自体が中止になることや規模の縮小によって思うように新規サプライヤーと出会えないと言う事態に陥っているのです。
購買担当者の中には新規サプライヤーの開拓に前向きで行動を起こしたい方がいらっしゃいますが、その多くが既存業務の多忙さや訪問ができないという理由で満足のいく新規サプライヤー探しができていないのです。
購買部自身が満足にサプライヤー開拓ができていない状況の中で、中小製造業が自らから新規サプライヤーとしての提案を打診すれば、間違いなく商談の機会を手にすることができるでしょう。
コロナ禍で新規開拓に成功し続けている企業事例
ここまで、購買部がコロナウィルスによって被った課題と中小製造業の新規開拓が簡単になっている理由を解説してきましたが、コロナウィルスをマイナスと捉えず、プラスと捉えて新規開拓に取り組んで新規顧客獲得に企業が存在します。
ここではコロナ禍でも購買部への新規提案を行い、新規顧客開拓に成功した企業の成功事例を紹介します。
曽我製作所:3ヶ月で新規売上を0円から300万円に増加
曽我製作所はコロナ禍にも関わらず、主要取引先1社への売上依存を脱するべき新規顧客開拓に取り組んだ結果、わずか3ヶ月で新規売上を300万円に築く事に成功しています。
同社はトラック部品製造を手掛ける企業で、主要顧客の売上が全体の9割を占める典型的な1社依存経営を行なっていました。
長い間、1社依存を続けたことで社内に営業担当は存在せず、主要取引先からの発注を受けるだけの毎日でしたが、経営陣は常に将来の不安を抱えており、「このままじゃいけない」と考えつつも何も動き出せない日々が続くばかりでした。
また、営業をしようにも経営業務や工場の管理をする事に時間を取られて、そもそも営業活動をする時間が存在しなかったのです。
そんな時に中小製造業に特化した営業代行を手がける「AnySales」に出会い、まずはお試し期間とトライアル契約を結ぶと、契約初月にこれまで全く異なるトラック架装業界の顧客開拓に成功。
これまで鉄部材しか製造してこなかった中で、全く異なる業種のステンレス加工の注文を受けることで、売上はもちろん、社内の技術力向上にも繋がり、まさに1石2鳥の効果を得る事に成功したのです。
また、新規顧客業界の制作事例をSNSに掲載することで、個人からの注文はもちろん、他の業者からの問い合わせにも繋がり、わずか3ヶ月で新規開拓の売上を毎月300万円稼ぐまでに至ったのです。
これまで、営業担当がいない、ノウハウがいないと新規開拓を行うことを先延ばしにしてきた中で、外部のプロに営業を丸投げすることで、新規顧客の開拓に成功し、その事例を発信することで、コロナ禍においても新規売上を生み出すことに成功した事例になります。
【まとめ】コロナ禍は中小製造業にとって新規顧客を生み出すチャンス
この記事ではコロナ禍において中小製造業の新規開拓が簡単になっている理由を解説してきました。
コロナウィルスの影響で日本国内のあらゆる購買部が利益創出を目的とした「コストダウン」と「黒字廃業先の代替先」を目的とした「新規サプライヤーの獲得」が重要な課題となっています。
しかし、現状の購買部は既存業務で忙しい、ウィルス感染のリスクから中小企業を思うように開拓できない、展示会に参加できないなどの問題を抱えており、まさに中小製造業からの提案を求めているのです。
そのため、これまで新規開拓をしても「間に合っています」と2つ返事で断られていたから新規開拓を諦めていた企業の皆さんはもう1度、購買部に提案をしてみてください。
必ず、提案をする場を設けていただけるはずです。
私たち、Anytiveは中小製造業に特化した営業代行サービス「AnySales」を提供しております。
新規開拓をしたくても、社内に営業がいない、ノウハウがいないと新規顧客開拓を諦めている、手が出せないでいる企業の皆様に「新規営業の丸投げ」をご提案しております。
ご興味がございましたら、ぜひ公式サイトをご覧ください。