中小企業の中でも「DX(デジタルトランスフォーメーション)を実施したい」と考える企業が増加していますが、考えた矢先にぶつかるのは「何から始めればいいのか?」「アイディアはあるけど実現方法がわからない」という悩みであり、多くの中小企業を悩ませています。
大企業とは違い、中小企業にはデジタル人材と呼ばれる高度なIT知識を有した人材が在籍していることは稀であり、ほとんどの中小企業ではシステム担当の人材が不足しています。
このように専門知識を有した人材が社内にいない場合は、DXを進めるにも進め方やノウハウが不足しているために、社内だけでDXを進めることは極めて困難でした。
しかし、2021年に入って国が中小企業のデジタル化の促進を支援する制度である「中小企業デジタル応援隊」の登場やプログラミング不要でシステム開発ができる「ノーコード」の登場で人材やノウハウが不足していた企業でもDXを推進する環境が整ってきているのです。
そこで、この記事では中小金属加工業のデジタル化を支援するサービスを運営し、数多くのアプリ開発を行なってきたAnytiveが、中小企業がDXを推進する際の3つの方法と便利なサービスを解説していきます。
中小企業がDX推進を行う前にチェックすべき点
日本の至る所でDXという言葉が使われており、企業の中でも「DXに取り組もう」という声が高まっていますが、具体的にどのようにDXを推進していくのかという道筋は明確になっておらず、現場任せになっている企業が大半なのです。
上記のように経営トップがDX戦略を推進しているのはわずか44.2%であり、大半の企業は全て現場任せでDXを推進している状況です。
大企業でよく聞くのは「トップダウンでDXを実行しろ」という具体性のない指示だけが出されて、現場が困惑しているという悩みであり、大企業であっても「DXの推進方法」を理解している企業が圧倒的に少ないのです。
DXの推進方法は社内の状況によって選べる選択肢が変化するため、DX推進を始める前に社内におけるDXの目的と活用できる予算や人員を整理する必要があります。
そこでここではDX推進を始める前にチェックすべき3つのポイントを解説します。
DXで実現したいゴールの策定
中小企業においてDXを推進しようと考えた場合に最初に考えるべきはDXを実現することによって、どのような効果を社内にもたらすのか、つまり「DXで何を実現したいのか」というゴールや目標を設定することです。
多くの企業は自分たちがどの領域のDXを実現するのかが明確になっていないままDX推進を始めています。
DXという言葉は様々な領域のデジタル化を大きく1つにまとめた言葉であり、その中身はそれぞれ異なるゴールを持ったデジタル化となっているのです。
以下がDXの対象となる領域の一例です。
- 業務自動化(AI・RPA導入)
- 業務効率化(省力化・システム化)
- ビッグデータ解析
例えば、業務自動化をDXのゴールとした場合、人が行なっていた業務をシステムへの置き換えが必要となり、DX推進に必要な予算や人員も大規模なものとなります。
一方で業務効率化であれば、業務を置き換えではなく業務を省力化することが目的となり、自動化と比較すると予算も人員も抑えることが可能です。
このように、DXは目的ごとに必要な予算や人員が大きく変動するものであり、予算や人員によってDX推進に活用できる選択肢の幅も大きく異なるのです。
DX推進を考えた際はまず、「DXを通じでどのような変革を社内に起こしたいのか」というゴールを策定し、ゴールから逆算して、何ができるのかという選択肢を明確にすることが重要です。
DX投資予算の明確化
DX推進には一定額の投資が必要となるため、DX推進前にどの程度のIT投資予算を捻出できるのかを明確にする必要があります。
DXが進まない企業でよくあるのが、DX投資予算の明確化ができていないと、現場中心にDXプロジェクトを策定し、業者選定を済ませて、稟議を上げたところ、投資予算が高いという理由で稟議を却下し、プロジェクトが白紙になり、ゼロからやり直すという事態に陥ります。
投資予算が明確となっていない状況では、経営者然り現場ではどの選択肢を選ぶことができるのかという基準がない状態でDXの推進方法を選択することになります。
DXを実現するシステム開発は投資予算の額によって選択肢の幅は大きく変化し、限られた予算しか利用できない場合は外部のシステム開発会社に依頼していたのでは、無理ではありませんが、中途半端なシステムしか用意できないので、違う方法を検討する必要があります。
中小企業においてDX投資予算として巨額の金額を用意できる企業はなかなかないですが、予算の範囲内でできることは多岐に渡りますので、まずはDX推進の方法を決定する上で投資予算の明確化は必須となります。
誰がDX推進責任者となるのか
中小企業においてDX推進を行う場合は社内のリソース状況の確認が必須であり、特に「誰にDX推進をリードしてもらうのか」というDX推進責任者の策定が必須となります。
DX推進責任者の策定とありますが、多くの中小企業でDX推進責任者となっているのは現場の従業員ではなく、社長自らもしくは専務などがリードをする場合がほとんどです。
中小企業は潤沢に従業員がいることが少なく、限られた人数で業務を回しているため、既存業務に加え、DX推進という業務負荷の高い仕事をこなせる人材が不足していることにあります。
社長や専務がDX推進責任者となるのは悪いことではなく、自社の現状やDXによってどのような変革を起こしたいのかを直接業者に伝えることが可能となり、意思疎通がスムーズに進むメリットがあります。
しかし、中小企業の社長や専務などの経営層はとにかく忙しく、日中は現場の業務を全てこなし、空き時間は極めて少なく、十分に時間をとってDX推進に臨めることは極めて少ないです。
そのため、社長や専務が時間を事前準備しなくても、数回のMTGで意図を汲み取り、DX実現のプランを提案できるような業者に依頼するもしくは自分たちでシステムを組める仕組みを利用するなどの選択肢を取る必要があります。
投資予算はもちろんですが、誰がDX推進をするかでDX推進で活用すべき選択肢も変わるので、注意が必要です。
中小企業におすすめの3つのDX推進方法
ここまで、中小企業がDX推進を始める前に確認すべき3つのポイントを解説してきましたが、DX推進前に3つのポイントが明確となっていれば、自社が活用できるDXの推進方法が明確となります。
社内のリソースや予算が足りない状況で大企業と同じような方法でDX推進をしても、成功には繋がりません。
大切なのは自社の状況に最適な方法でDXを推進することにあります。
ここでは中小企業がDX推進する際に活用すべき3つの方法をご紹介します。
中小企業デジタル応援隊事業
デジタル化やITシステム導入などの専門知識を有したIT人材から社内のデジタル化やアイディア実現の支援を実質1時間500円で受けられる制度が「中小企業デジタル応援隊事業」です。
この制度は中小企業基盤整備機構機構が実施しており、デジタル人材不足で社内のデジタル化を思うように進められない中小企業の「IT人材不足」の課題を解決することが目的の制度になります。
昨今の人材不足の世の中で高いITスキルを有した人材の給与は高騰しており、十分な給与を用意できない中小企業は人材確保が難しい状況です。
しかし、中小企業デジタル応援隊事業を活用すると、国から1時間あたり最大3,500円の支援を受けられるため、中小企業は1コインの500円で時給4,000円のIT人材から支援を受けることが可能になります。
対象となる事業は以下の通りになります。
- デジタル化の課題分析・改善策の提示
- テレワーク環境の構築
- ECサイト構築
- キャッシュレス決済対応
- 業務改善システムの導入
デジタル化に関わるコンサルティング業務が支援対象となっており、その対象範囲は多岐に渡るので中小企業が抱える課題や要望の多くは大小関わらず支援対象となります。
制度の利用方法は非常にシンプルで、企業情報を登録後に実現したいデジタル化や改善対象の業務を明記するだけで、適切なIT人材とマッチングができるので、低コストで負担の少ない方法でデジタル化を図りたい方におすすめの制度です。
アイミツ
開発したいシステムがある程度イメージできているもしくは業務課題が明確である場合にお勧めしたいのが、自社の開発要望の実現に最適なシステム開発会社とのマッチングができるのが「アイミツ」です。
システム開発において、開発すべきシステムも明確となっている段階で大きな悩みになるのは「どの会社に頼めばいいのか」「依頼する際にどのような情報を用意すればいいのか」という課題です。
ほとんどの中小企業ではシステム投資を行うのは稀であり、システム開発の経験がある担当者が非常に少ないため、どのシステム会社に依頼すべきか、どんな情報を事前に用意するべきかが分からないのです。
その上、日々の業務で忙しいため、システム開発会社探しの優先度は低くなりがちで、いつの間にか時間だけ過ぎてしまうというケースが多いです。
そんなシステム開発会社探しに悩む方の課題を解決し、簡単に適切なシステム開発会社とのマッチングができる「アイミツ」です。
システム開発を希望する中小企業はアイミツに作りたいシステムの説明・対象となる業務・予算間などを記載するだけで条件にマッチした複数のシステム開発会社をアイミツが自動でマッチングしてくれるので、中小企業側は情報登録するだけでシステム会社探しが完了します。
マッチング候補となった企業にはあらかじめシステム開発に必要な情報が共有されているので、何度もMTGをしなくても、複数の開発会社から提案を受けて、最適な会社を手間なく選ぶことが可能となります。
日々の業務が忙しく、システム開発会社を探す暇がないと考えている中小企業の方は「アイミツ」に最適なシステム開発会社選びを任せてみてはいかがでしょうか。
Anytive
漠然とやりたいことはあるけど、「次にどうすればいいか分からない」「十分な予算が用意できない」という課題を持っている方はAnytiveのノーコード開発サービスを利用することをお勧めします。
中小企業のシステム化が進んでいない現状がありますが、中小企業の現場ではシステム開発を行いたいという意思を持った方が多くいらっしゃいますが、皆さんに共通するのは「実現方法がわからない」という点です。
簡単なら自分の手で作る意思もあるが「どうしていいかわからないし、調べる時間もない」という方がほとんどで、外部の会社に依頼しようにも「十分な予算がない、何を説明すればいいか」という状態で身動きができないのです。
しかし、Anytiveのノーコード開発であれば、低コストでシステム開発が可能なので、予算の心配でシステム開発を止める必要はありません。
また、Anytiveの開発者は中小企業における業務理解が深いため、1時間のMTGで現状とシステム要望を伝えるだけでその場でプロトタイプシステムを用意し、目で見てシステムを触りながら議論をすることが可能となります。
通常のシステム開発ではこのスピード感は不可能であり、1時間の時間でプロトタイプシステムが完成させられるのはAnytiveが採用しているノーコード開発だからこそできるものです。
漠然とやりたいことはあるが、予算の問題や実現方法が分からなくて、アイディアの実現を止めている中小企業の方にお勧めなサービスとなります。
【まとめ】中小企業のDX推進は自社の状況を踏まえて適切な方法を選ぶ必要がある
この記事では中小企業がDXを推進する際の3つの方法と便利なサービスを紹介してきました。
DX推進と聞くと、小難しいことをたくさんしなければならず、中小企業にとってハードルの高いものと考えられていますが、現実はそこまで難しいものではなく、DXに取り組む前に自社の状況を把握して、適切な方法を選択することができれば、中小企業でもDX推進をすることが可能です。
DX推進に失敗する企業に共通するのは自社の状況を理解せずに、不適切な方法でDX推進をしてしまうことであり、大多数の企業は本来選択すべき方法とは異なる方法でシステム開発を進めて、DX失敗に陥っているのです。
予算がなくても、人材がいなくても自分たちの状況と外部の適切なサービスを選択すれば、中小企業でも低コストで手間もかけずにDX推進が実現します。
中小企業のDX推進に大切なのは「自社の状況にあった方法を選ぶことができるか」という点なので、これからDX推進に取り組む中小企業の方はぜひ、自社の状況を理解することから始めてみてください。
私たち、Anytiveは中小金属加工業で活躍するアトツギの方々に新規顧客開拓・デジタル化・補助金活用の3つをご提案しております。
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