廃業は大チャンス?町工場は廃業が増えたらすぐ新規開拓すべき理由

町工場の皆さん!周りから「廃業をする」という声が聞こえてきませんか?それは新規開拓をすべきサインなので絶対にこのチャンスを逃さないでください!

関東のみならず、関西でも高齢化を原因とする町工場の廃業が増えていることをご存知ですか?

町工場が廃業してしまうことは悲しいことでありますが、同時にまだまだ現役の町工場からすると新規顧客を開拓する絶好のチャンスなのです。

この記事では現役の町工場にとって廃業が新規開拓の大チャンスであり、廃業が増えた今こそすぐに新規開拓を行うべき理由を解説します。

目次

サプライヤーの廃業はメーカーにとって最大のピンチ

町工場が廃業が増えるということはメーカー側には最大のピンチが訪れていることを町工場の皆さんは理解すべきです。

メーカーの購買部の立場で見ると、既存の普段発注しているサプライヤーが廃業をするのは今まで制作依頼していた部品を作ってくれる存在である町工場がいなくなることを意味します。

これは購買部にとって深刻な大ピンチであり、会社全体として大きな課題が生まれています。

ここではサプライヤーが廃業することでメーカーの購買部に生まれる課題を解説します。

サプライチェーンに穴が空いてしまう

既存サプライヤーの廃業はメーカーにとって構築した購買サプライチェーンに大きな穴が空いてしまうことになるのです。

メーカーは長い年月をかけて自社の製品を構成する部品を安定した品質で納期通り、廉価で提供してくれる町工場を自社のサプライヤーとして育成し、関係を気づいてきたのですが、その関係が廃業で断絶してしまうのです。

メーカーの購買部もサプライヤーの町工場が高齢化や後継者不足で廃業することを止めることはできませんが、これまで長い期間、製品を作ってくれた会社がいなくなってしまうのは大きな損失です。

大阪のメーカーなどは廃業で空いたサプライチェーンの穴を埋められず、自社工場の重要な生産能力で本来はサプライヤーに出すべき製品を加工してしまい、生産余力が失われるという事態にもなっています。

代替サプライヤーが見つからない

既存サプライヤーが廃業してしまった後にその穴を埋めてくれる新たな町工場が見つからない事態に陥っているのです。

廃業で空いた穴を埋めるためには新規の町工場を見つける必要がありますが、他の町工場も高齢化と後継者不足でどんどん廃業しているため、空いた穴を埋めてくれる新規の町工場を見つけ出すことができないのです。

廃業の波は日本全国に広がっており、「関東のメーカーは東北から仕入れる」「大阪のメーカーは九州から仕入れる」など本来、何かあってもすぐに現地に入れる地元の町工場に依頼すべきところ、遠方から仕入れるおかしい調達構造になっているのです。

日本の町工場の廃業は年々増加し、メーカーも自社のサプライヤーが廃業した場合にすぐに穴埋めができる町工場が見つからない二次的な大問題に発展しているのです。

参考までにこれまでは新規サプライヤーからの提案を受けつかなかった大企業などもネット上に調達情報を公開し、オープンにサプライヤーを調達する「オープン調達」をする大手メーカーも増加しました。

大手メーカーとの取引も夢ではない、町工場にとって最も簡単な営業手法である「オープン調達」が気になる方は以下の記事をご覧ください。

あわせて読みたい
営業担当なしで大手企業を開拓可能!?製造業の秘密の新規営業とは? 「オープン調達」を活用すれば、営業担当なし、営業ノウハウなしでも簡単に大手企業との新規開拓を実現できます。 新規開拓といえば、営業担当が飛び込み営業やテレアポ...

新規サプライヤーを探す時間がない

メーカーの購買部は既存の業務をこなすので精一杯で、新規のサプライヤーとなる町工場を探す業務に全く時間が避けていないのです。

メーカーの経営層は町工場の廃業を重く捉えており、購買部へ新規サプライヤーの発掘を指示していますが、現場の購買部はこの新規サプライヤーの発掘に手をつけられないのが実情です。

その背景として、購買部は忙しすぎるのです。

以下は購買部が普段こなしている業務の概要です。

  • 既存調達品の購買手配
  • 各サプライヤーへの納期調整・物流調整
  • 営業からの特急依頼の製品調達
  • 納品された製品の確認

これを日々調達する点数の数に比例して行う必要があり、中にはなかなか連絡がつかないサプライヤー、FAXしかやり取りができないサプライヤーがおり、8時間の業務時間の大半を使っているのです。

仮に新規サプライヤー開拓を目的に展示会に参加する場合、半日ないしは遠方の場合は1日以上仕事を空ける必要がありますが、半日も席を開けるのはリモートワークができない購買部にとって大変難しい選択になります。

このようにメーカーの購買部は新規サプライヤーを開拓したくてもできない状況に陥っているのです。

廃業が増えたら町工場は新規開拓をすべき理由

「新規顧客を作りたい」「利益率の高い取引をしたい」と考える町工場は廃業が増えたいまこそ、新規開拓をすべきであり、このチャンスを逃してはなりません。

町工場の廃業が増えたことでどのメーカーも新規の町工場からの提案を心待ちにしているのです。

これまでは提案をしても「間に合っている」「必要ない」と断られていたかもしれませんが、今は状況が違います。

廃業が増えた今こそ1番町工場が新規開拓をしやすい状況になっていることを理解してください。

ここでは廃業が増えたら、町工場は新規開拓をすべき理由を解説します。

既存サプライヤーの椅子が空く

廃業が増えるということは今まで埋まっていたメーカーの調達先のサプライヤーの椅子が空くことを意味しており、椅子が空くことで町工場は空いた椅子に座り、取引できる環境が生まれたのです。

廃業は本当に悲しいことですが、現役の町工場にとっては空いた椅子に座り、新規サプライヤーとしてメーカーと取引をするチャンスが増えたのです。

高齢化、後継者不足問題は今後も日本の高齢化に合わせて、加速するのでメーカーのサプライヤーの椅子は次々と空いていく未来がそこまで来ています。

これまで町工場が新規サプライヤーとして取引を開始するには以下の条件が必要でした。

  1. 既存サプライヤーが大きな問題を起こす
  2. 既存サプライヤーより安い価格を提示する

①に関しては既存サプライヤーが問題を起こしたタイミングで営業をかける必要があり、運が必要です。

②に関しては安い見積を出すということは利益の少ない取引になってしまい、やっても利益が出ないビジネスになってしまいます。

しかし、既存サプライヤーが廃業した場合は、メーカーはすぐに空いた椅子を埋める必要があるので、安く買うよりも安定して調達できることが優先されるので、利益の少ない取引になることはありません。

このように既存サプライヤーの椅子が空くことで町工場は今までよりも簡単に新規開拓ができるのです。

喉から手が出るほどメーカーは町工場を欲している

廃業発生したメーカーの購買部も自分たちでサプライヤーとなる町工場を探せないので、喉から手が出るほど、新規提案をしてくれる町工場を求めています。

購買部は自分たちでサプライヤーを探せない、どの町工場も他のメーカーの生産で一杯一杯で仕事を受けてくれない状況で新規提案をしてくれる町工場は本当に貴重な存在です。

文字通り、日本全国のメーカーの購買部は喉から手が出るほど新規の町工場からの提案を欲しています。

今までは「間に合っている」という言葉1つで提案をする町工場を適当に扱っていたメーカーも廃業が増えたことでどんな町工場からの提案も聞くような姿勢に変わっています。

購買部からすると経営から新規サプライヤーを探せと言われているが、「時間がなくて新規サプライヤーを探せない」と考えている中で町工場の方から「廃業の問題はありませんか?」と提案が来ようものなら嬉しくて仕方ないはずです。

仮に「うちは廃業はまだ出ていない」というメーカーの購買部がいたとしても「今は大丈夫かもしれませんが、未来の備えはできてますか?」と質問をすると、簡単にアポイントとなることでしょう。

誰も新規開拓をしないからライバルなし

新規開拓をすべきと言うと必ず、「ライバルの町工場と値段の叩き合いになる」「どうせうちがやっても負ける」と言う方がいますが、どの町工場も新規開拓をしていないのでライバルなしで新規開拓が可能です。

本当に新規開拓に継続に取り組んでいる町工場は一握りだけです。

私も10年以上、日本全国で町工場様の新規開拓支援をしていますが、1度も新規開拓で相見積になったことはありません。

ライバルがいない新規開拓ほど簡単なものはありませんし、相見積にならないので、価格の叩き合いも起こらず、しっかりとした利益を確保した上での顧客開拓が可能です。

試しに自社の周りの金属加工に携わる仲間の町工場を見てみてください。

「仕事が少ないね」「毎年この時期は少ないからしょうがない」と言うだけで決して新規開拓で苦労しているなどの話にはならないはずです。

顧客であるメーカーは廃業で困って新規サプライヤーを探しており、ライバルである町工場は誰も新規開拓をしないと言う条件が整ってもまだ新規開拓に取り組まないのはあまりにも勿体無いです。

町工場の新規開拓手順を大公開

新規開拓するべきなのはわかったけど、そもそも新規開拓の方法がわからないという町工場の方へ新規開拓の手順を大公開いたします。

町工場が新規開拓を行うと考えた際に1番困るのは新規開拓の情報がネットの落ちていないということです。

これは町工場では誰も新規開拓をしておらず、ノウハウや方法を発信していないが故に天下のGoogleであっても検索結果で具体的な答えが出てこないのです。

ここでは町工場が新規開拓をする際の手順を具体的に解説します。

テレアポ〜アポ獲得

飛び込み営業は無駄な活動なので必ず電話で事前にアポイントを取ることが最初の1歩です。

町工場が取るべきは最もコストがかからず、少ない労力で簡単に取り組める「電話でのテレアポ」です。

飛び込み営業は成功確率が極めて低い営業活動であり、見えない営業コストばかりかかって無駄な時間を浪費するので、絶対に取り組んではいけません。

飛び込み営業をしないでも新規開拓ができる方法を以下の記事にまとめておりますので気になる方はぜひチェックしてみてください。

あわせて読みたい
製造業は飛び込み営業なしで新規開拓が可能!方法とコツを徹底解説 飛び込み営業をしているもしくはこれから新規開拓で飛び込み営業をしようとしている製造業の方は少し足を止めてください。 新規開拓のために飛び込み営業をすることは間...

ではどうやってアポイントを取るべきかというと、事前に購買部に電話して商談日時の約束をするテレアポがおすすめです。

テレアポが難しいと感じる人が多数いますが、それは聞くべきことを理解していないからであり、以下の2つだけ話せば十分なのです。

  • 自分たちがどこでどんな加工をしているか
  • コストダウンもしくは廃業問題に関する課題がないか質問

電話でアポイントを取るテレアポも何を話すべきなのか、どうやって購買部にアポイントを取ればいいのかわからないという方も多いと思いますので、テレアポの必勝方法を以下に記事にまとめましたのでご覧ください。

あわせて読みたい
中小製造業の新規開拓で「間に合ってます」がなくなるテレアポ必勝法 中小製造業が購買部に対して新規サプライヤー提案をする際にどんな話を相手にすべきかわからない方が非常に多いのではないでしょうか。 テレアポというのは「どれだけ多...

顧客であるメーカーに電話をして、アポイントを取ることに慣れて、自分なりの必勝パターンができれば、アポイントはいくらでも取得できるので、まずは電話での勝ちパターンを見つけることが重要です。

商談〜図面獲得

電話でアポイントを獲得したら、次は直接会って提案をする商談を行い、実力を見てもらうための図面を獲得するのがミッションです。

商談は具体的に以下の流れです。

  1. 会社紹介
  2. ヒアリング
  3. 提案

会社紹介に関してはシンプルに自社が「どこで」「何を」「どんなふうに加工しているか」の3点の説明だけでOKです。

購買部へのヒアリングですが、以下の3つに関して課題がないかを聞くだけで十分で、1つでも課題があれば提案のチャンスです。

  1. コストダウン
  2. 短納期・小ロット
  3. 既存サプライヤーの廃業

今最も購買部が困っているのは「既存サプライヤーの廃業」で、廃業してしまったサプライヤーを探したくても既存業務が忙しくて、探せていない購買部が非常に多いので、新規開拓の際はぜひ質問をしてみてください。

あわせて読みたい
購買部には2つだけ伝えて!製造業の新規開拓方法はとてもシンプル 製造業の新規開拓でやることはシンプルで、多くの企業で成果が出ないのは新規開拓の方法が間違っているからです。 製造業、町工場では「新規売上の創出」「主要取引先1...

商談をしてもその場で図面をもらうことをせずに購買部からの後日の連絡を待ってしまう町工場の方がいらっしゃいますが、待っていても絶対に図面は獲得できません。

せっかく移動時間をかけて、直接会って話しているのにその場で図面をもらわないのは最大のミスです。

必ず商談が終わる前に以下の言葉を伝えることで高い確率で図面をいただくことが可能です。

  1. いくら耳に聞こえのいいことを言っても根拠がない
  2. 根拠は見積の数字で購買部さんに持ってもらいたいです
  3. 既に終わった図面で構いませんので実力を見せる見積をさせてください

この3つの順番で話すことで高い確率でその場で図面をもらうことができます。

見積提出

見積ができる図面を獲得したら、後は見積だけですが、時間が無駄しないためにも見積の前に聞くべきは「指値」の情報です。

アポイントも商談もうまくいって図面をもらって見積を出しても、見積価格が全然高くて、購買に期待値以上の単価を提示できなずに新規開拓が終わってしまったという経験はありませんか。

見積作業はお客さんからお金をもらえる作業ではありませんが、新規開拓をするには必須の作業ですが、何度も空見積をしていては時間の無駄です。

この無駄を省くために購買部に図面をもらった際に「指値を聞く」ことが重要です。

この指値があるなしで見積作業は全くかかる時間が変わるはずです。

ただしストレートに「いくらですか?」と聞くのはあまりにも間抜けなので、以下の聞き方がおすすめです。

  1. 腹の探り合いはしたくないかつ、何度も見積のやり取りをするのは双方にとって時間の無駄
  2. できるできないを含めシンプルにこの場で判断したいので概算価格を教えていただけませんか

「できるできないをこの場で答えるために」と強調するのがポイントで、「この場で答えてくれるのか!」と相手に思わせられると価格を引き出しやすくなります。

【まとめ】廃業が増えた今こそ、町工場は新規開拓を始めよう

この記事では高齢化を迎えた町工場の廃業が増えた今が新規開拓の大チャンスであり、町工場は今すぐに新規開拓をすべき理由を解説しました。

大事なことなのでもう1度、廃業が増えた今こそ町工場が1番新規開拓がしやすい環境が整いました。

今までは新規開拓の電話をしても「間に合っている」「新規の提案はお断り」と言っていたメーカーが手のひらを返して、「ぜひ来てください」「話がしたい」と町工場の訪問を歓迎しているのです。

ただし、この廃業で空いたサプライヤーの席は時間が経てば、他の町工場が提案をしてしまい、どんどんなくなっていくことを肝に銘じてください。

「やっても儲からない仕事を減らして利益を出したい」「1社依存状態から抜け出したい」と考えている町工場は今すぐ新規開拓に取り組むべきです。

弊社は日本で唯一、金属加工業の新規開拓を丸投げで支援する営業支援サービス「AnySales」を提供し、日本全国の町工場の新規顧客開拓を支援しております。

「新規開拓したいが営業できる人材がいない」「自分の時間をかけることなく新規顧客を見つけたい」などの悩みを抱える企業様はぜひ資料請求にてサービス内容をご確認ください。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次