工場を経営しているが、1社依存の顧客からの売上が減少し続けている、孫請けで利益が全く出ない状態から抜け出したいと思って自社で営業をしているが、全く成果が出ないのは間違ったやり方をしているからです。
これまで営業をしなくても仕事が流れ続けていた時代が変化し、日本の景気の後退に合わせて、徐々に経営が苦しくなってきている町工場が今までやってこなかった営業に取り組む姿が多く見られますが、その町工場の大半が成果が出ていません。
営業できる人材もいない、ノウハウもない中で努力しているのに成果が1つも出ない本当の原因は間違った営業のやり方をしているからです。
町工場が仕事を取るための営業にはモノづくりの考え方と同じで正しい方法で営業をしないと、望む結果である仕事を獲得することができません。
本当に多くの町工場がメーカーへの正しい営業のやり方を理解せず、間違ったやり方で時間を無駄にしているのです。
この記事では工場が自分達で営業するなら知っておくべき正しい営業のやり方とよくある間違った営業のやり方を解説します。
工場は営業のやり方を知らずに損してる
多くの工場の経営者の方は経営、現場の管理、従業員の管理など本来すべきことを置いて、営業活動を行っているのに正しいやり方を知らないが故に多くの損を被っています。
本来、正しい営業方法を知っていれば、損をせずに仕事を楽に獲得できるのに、正しいやり方を知らないだけど多くの遠回りをしているのです。
ここでは工場の営業のやり方を知らないが故に工場の経営者が被っている損に関して解説します。
苦労の無駄
正しい営業のやり方を知らずに営業をしていると、工場の経営者の方は仕事を取るために無駄な苦労をし続ける羽目になります。
基本的に今まで営業をしたことがない工場の方が営業をすると、苦労の連続が待っており、具体的に以下のような内容です。
- やったこともないけど、電話でメーカーにテレアポをする
- 何を喋ればいいかわからないまま、メーカーと商談をする
営業担当がいる、営業ノウハウがある町工場は日本で皆無であり、工場が営業をする場合は、暗中模索の中でもがくことになります。
「何を伝えればいいか」「どの順番で説明すれば」が分からないので、苦労してテレアポしても、何度も無下に断られ、商談に行っても、従分に話せず、終わってしまうような苦労をすることになるのです。
しかし、正しい営業の方法さえ知っていれば、こんな無駄な苦労はしなくていいのです。
テレアポでも商談の場でもメーカーの購買部に伝えるべき内容は勝ちパターンが存在し、それさえ知っていれば、無下に電話で断られることも、商談が10分で終わることもあり得ません。
正しい営業のやり方を知っているだけで町工場の方は無駄な苦労をなくすことができるのに、知らないだけで本来しなくていい苦労をしているのです。
時間の無駄
正しい営業のやり方を知っていれば、最小限の時間で新規営業ができるのにやり方を知らないが故に本来の2倍、3倍、それ以上の時間を工場の経営者の方は犠牲にしているのです。
基本的に工場で営業をするのは経営者の方ですが、工場の経営者はおそらく日本でトップに入るほど多忙なはずです。
誰よりも早く工場に来て、事務仕事を片付け、日中は工場で自ら生産を手伝い、空いた時間で材料調達、お昼も食べずに既存顧客対応、定時が終わっても見積依頼の対応で残業するなど、既存業務が多忙で営業なんてする時間がないはずです。
しかし、会社を存続させるために忙しい時間を縫って、営業活動に取り組んでいますが、間違った営業のやり方することで、本来30分あればアポが1件取れるところ、8時間かけてようやく1件アポが取れるなど時間を大幅に浪費しています。
商談するにはメーカーに行く必要があり、片道1時間なら往復2時間の移動時間は工場の全ての本来やるべき自分の仕事を止めなければなりません。
往復2時間かけて、メーカーに向かっても、何を話せばいいか分からず、10分も経たずに商談が終わってしまえば、移動時間の全てが無駄になります。
このように正しい営業のやり方を知らないだけで工場の経営者は、大事な時間を無駄にしてしまっているのです。
以下の記事では町工場の多くが「時間がない」で悩み苦しんでいる中で、将来にわたって生き残るために本当にすべきことを解説していますので併せてご覧ください。
努力の無駄
正しいやり方を理解せずに行わう工場の営業活動は残念ながら、全ての努力が無駄になります。
「努力は裏切らない」の言葉がありますが、これは正しい努力をした場合には文字通り、努力の量に比例した成功を収めますが、間違った努力は成果に結び付かず、ただの無駄な努力になってしまいます。
工場の方が現状を変えるために企業努力として営業活動に取り組むのは素晴らしいことですが、現実的な話をすると間違った営業のやり方をする限り、図面獲得したり、試作のチャンスを得るなどの成果は出ません。
メーカーの購買部もよく分からない工場から変な営業を受けて、図面を出してくれるほど優しくありませんし、企業同士のやり取りなので、間違った営業をする工場よりも正しい営業をする方に仕事を出すのが当然です。
間違った営業の続けるのも努力ではありますが、間違った努力であり、そのためにかけた労力や時間は全て無意味なものです。
工場が自分たちで営業に取り組むなら、間違った営業をしてはなりません。
せっかく忙しい中で営業の時間を捻出するなら最小の労力と時間で成果を得る正しい営業のやり方を理解することが必須です。
以下の記事では町工場が社内で新規開拓をすると人も辞めるし、成果も全く出ない最悪のシナリオになる理由を解説していますので併せてご覧ください。
工場でよくある間違った営業のやり方
工場の方は「知り合いに聞いた」もしくは「ネットで町工場の営業を知らない人が書いた情報」を鵜呑みにしてしまい、基本的に間違った方法で営業をしています。
社内に営業をしたことがある方がいない、どの方法が最適かわからないが故に間違っていることに気づけずにひたすら成果が出ることがない営業方法で時間を無駄にしてしまうのです。
ここでは町工場がよくある間違った営業のやり方を解説します。
飛び込み営業
絶対に成果が出ないかつ運任せで営業を受けるメーカーにまで嫌われるてしまい、営業をするたびにメンタルが落ち込んでしまう最悪の営業方法が飛び込み営業です。
昔は飛び込み営業を「ドブ板営業」と呼び、「昔は電話帳にある会社の住所にひたすらアポなしで営業をした」と豪語する昔の方がいらっしゃいますが、申し訳ないですが、令和の時代で飛び込み営業を進めるのは時代錯誤もいいところです。
今の時代、セキュリティーの観点でどのメーカーでも当たり前のように守衛さんがいますし、アポがない会社は事務所にさえ入れてもらえません。
何よりアポをとっていない町工場の営業にあってくれるような心底優しい購買部さんは存在せず、飛び込み営業をする町工場はメーカーからすると「失礼だ、アポもないのか、怪しい」と3つの最悪の印象を抱かれます。
工場の方は自分が飛び込み営業の立場に立ってみると、どれだけ飛び込み営業が迷惑なものか理解できるはずです。
町工場の方が一生懸命、納期に間に合わせるために現場でモノづくりをしているのに、いきなり知らない会社の人間が「すいません、時間ください」なんて言ってきて、町工場の方は話を聞きますか?
絶対に聞かないはずですよね?、「帰って」と一言で終わらせる、これが飛び込み営業が間違った営業の方法である理由です。
以下の記事では製造業の工場が飛び込み営業を絶対にしてはいけない、やめるべき理由を解説すると共に飛び込み営業をしないでも、新規開拓が可能な方法を解説していますので併せてご覧ください。
フォーム営業
営業が苦手でできればテレアポをしたくないという町工場の弱みに付け入るモノづくりを知らない業者が町工場に成果が出ないと知りつつも高額な値段で提案をするのがフォーム営業です。
本当に多くの町工場がIT会社の口車に騙されて、導入して結果が1つも出ることなく、お金だけ無駄になるのがメーカーの問い合わせフォームに営業メールを自動送信するフォーム営業ツールを導入しているのが実情です。
フォーム営業は以下のような仕組みです。
- 営業メールと送信先のメーカーのHPアドレスを用意する
- システムにメール内容を登録する
- メーカーが用意している問い合わせフォームにメールを自動送信する
要は電話をする代わりにメーカーの問い合わせフォームに営業メールを送るという仕組みで、クラウドサービスを提供する会社が新規開拓の方法として多く活用していますが、町工場でもこの方法を採用することが多くなりました。
しかし、フォーム営業は町工場の営業に適していないという事実をフォーム営業を提供する会社は隠しており、そもそも町工場のモノづくりを知らないくせに「営業で手間暇かけずに成功します」「自動で顧客が増えます」と宣伝しているのです。
なぜ、フォーム営業が間違っているのかはシンプルで購買部は「問い合わせフォームに来たメールなんて見ない」からです。
そもそもメーカーの問い合わせフォームの目的は製品を購入してくれるお客様からの質問に応えるための設けているものであり、営業を受けるためのものではないので、メーカーは求めていない無駄な営業メールを忌み嫌います。
また、この問い合わせフォームに届くメールを受け取るのは購買部ではなく、総務部であり、他の営業メール同様に「いつもの営業メールだ」と削除されて購買部に届くことは絶対にありません。
これがフォーム営業が町工場に営業として間違っている理由です。
商工会議所に相談に行く
営業がわからない、どうすればいいか分からない町工場の方が商工会議所へ何度も足を運んで相談に時間を使うケースが増えていますが、商工会議所に行っても仕事が生まれることは決してありません。
シンプルに商工会議所はモノづくりを知りませんし、メーカーの購買部から図面を引っ張ってくるような能力がある人材がいないのでいくら相談しても、「マッチする企業があれば連絡します」だけで電話が鳴ることはありません。
確かに商工会議所には販路開拓という名目でサービスを提供していますが、それはビジネス交流会などのイベント関連で相談に来る1社1社を対応するようなことは少ないはずです。
何より商工会議所にはメーカーとの繋がりはありませんし、いくら町工場の方が自社の強みや製品事例を見せても、そこからメーカーの購買部に連絡して、動き出してくれるようなことはありません。
考えてみてください。商工会議所にはたくさんの会員企業がいます。その中で1社だけのために自分の業務時間を使って、仕事を獲得し、紹介するようなことをするでしょうか。
商工会議所には「事業承継」「後継者育成」「デジタル化」など様々な相談が舞い込んでおり、対応する経営指導員の数も限られており、そんな中でなんの繋がりもないメーカーに町工場を繋げられると思いますか。
おそらく親身に相談には乗ってくれるはずですが、具体的な方法や企業の紹介は何度足を運んだところで出てこないはずです。
顧客が欲しいけど、営業ができない、どうすればいいか分からないからと言って、商工会議所に相談するのは間違っていますし、何度通っても、顧客が増えることはありません。
正しい工場の営業のやり方
工場が新規顧客を開拓するにあたって正しいやり方さえ理解し、実践できれば、設備が古かろうが、他にない技術がなくてもどんな町工場でも新規開拓が可能です。
モノづくりと同様に正しい加工方法(営業方法)を知っているのと知らないのでは結果に大きな違いが出ます。
ここでは新規開拓がしたいと考える、町工場が行うべき本当に正しい営業のやり方を2つ解説します。
テレアポ
工場の営業において、楽をしたい気持ちはわかりますが、1番正しい営業の方法は電話をかけて購買部に事前にアポイントを取るテレアポです。
多くの工場の方はテレアポと聞くと、必ず次のようなネガティブなことを考えるはずです。
- 何を話せばいいか分からない
- そもそも電話でアポを取る方法は?
- どこにかけるべきなの?
しかし、工場の方は電話で購買部に事前に連絡をしてアポイントを取ることを乗り越えなければ、1社依存から抜け出す、新しい仕事を勝ち取るということはできません。
世の中は技術が発展し、「AIで営業」「営業を自動化する」などのツールが多く登場していますが、製造業ではそんなツールを使っても営業先である購買部は昔ながらのテレアポでの営業が前提となっているので無意味です。
またテレアポはおしゃべりが上手な人間だからできることで自分達にはできないと思っている方は大きな思い込みをしてチャンスを逃していると自覚してください。
町工場がテレアポで受付を突破して、購買部と話してアポイントを取るために電話で話すべき内容は実は勝ちパターンが存在し、その言葉さえ理解していれば、口が上手くなくても誰でも簡単にアポイントが取れます。
重要なのは受付を突破し、購買部があなたの工場に興味を持つために必要な魔法の言葉を知ることであり、魔法の言葉さえ知っていれば、毎日電話でアポを取ることは夢ではありません。
具体的に町工場がテレアポでメーカーに電話をかけて、購買部からアポイントを取るための方法は以下に記事で紹介をしていますので併せてご覧ください。
オープン調達
工場が営業をする際に1番簡単で、絶対に商談ができるのが「オープン調達」の活用ですが、日本で99%の町工場の方がこの1番難易度が低い営業方法を活用していません。
オープン調達をシンプルに説明すると以下の通りです。
- サプライヤーを求めているメーカーがネットに調達情報を公開
- 具体的な必要技術、購買製品がHPで全て確認できる
- 購買部の直通の連絡先が確認できる
町工場の方がなぜオープン調達をすべきか、その理由は「メーカーがサプライヤーを必要としている」「必要とする技術や製品が全てわかる」「受付を通さずに購買部に連絡できる」のです。
テレアポだったら、電話でまずは受付を突破して、購買部から必要な技術を聞き出してと、やるべきことが多くありますが、オープン調達ならネットで調べれば、簡単にメーカーと商談ができるのです。
これだけ新規開拓をしたい町工場にとって簡単な方法は他にはありませんが、多くの町工場の方はこのオープン調達を知らず、苦労してばかりなのです。
新規開拓をしたい方はまずはオープン調達から取り組んで、商談で何を聞かれる、何を話せばいいかなどを実際の商談の場で感じてみるとその後の新規開拓がスムーズに進むいい経験を得られるでしょう。
以下の記事では金属加工を町工場に向けた新規開拓のノウハウを全て徹底解説していますので、これから営業に取り組む方は必読です。
まとめ:正しいやり方で営業すれば、工場の仕事が取れる
この記事では工場が自分で営業するなら知っておくべき正しい営業のやり方とよくある間違った営業のやり方を解説してきました。
多くの町工場は新規開拓を間違った方法で取り組んでおり、その間違った方法が原因で一向に成果が出ず、時間ばかり無駄にしている状況が生まれています。
苦手な営業に取り組むのは苦労が多いはずですが、正しい営業のやり方さえ理解すれば、最小限の時間と労力で新しい取引先を開拓することが可能です。
営業活動をする前にまずは正しい営業のやり方がなんなのかを見つめてみてください。
きっとあなたの営業活動の結果が変わるはずです。
とはいえ、今まで営業活動をしたことがない町工場の方が新規営業をするのはとても難しいはずです。
そこで弊社は日本で唯一、金属加工業の新規開拓を丸投げで支援する営業支援サービス「AnySales」を提供し、日本全国の町工場の新規顧客開拓を支援しております。
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