新規開拓をしない町工場に待ってる最悪の窮地は人材も設備が老朽化を迎えても、人を増やせず、機械も買えず、縮小を続け工場を廃業する未来です。
悲しいことですが、新規開拓をして新たな顧客、新たな利益を確保しない町工場に未来はありません、これは揺るぎない事実です。
工場内を見渡してみて、もしも以下に当てはまるならそれは最悪の未来に近づいている証拠です。
- 現場で働いてくれるのは高齢の方ばかりで、若者が1人もいない。
- 設備も昔のもので、メンテナンスを重ねて維持して使っている
- 何をやっても新しい人が取れない
- 新しい加工設備をしばらく購入していない
町工場における「人」も「設備」も消耗品であり、タイミングを見て、新しい人を入れる、新しい機会を入れることで「更新」をする必要がありますが、多くの町工場が消耗品である「人」と「設備」が限界まで老朽化しているのです。
この老朽化に歯止めがかけられず、時間ばかり過ぎて新規開拓をしなかった町工場から1つずつ順番に廃業をしているのです。
この記事では新規開拓をしない町工場に待っている人材と設備に関わる最悪の窮地に関して詳しく解説します。
新規開拓しない町工場は老朽化で窮地に
「新規開拓をせずとも、現状があるから」と新規開拓をする必要ないと行動をしない町工場は1歩ずつ会社の柱に老朽化のヒビが入り続けています。
日本の大半の町工場が新規開拓をせずに売上が減っても、新しい顧客を見つけずに昔からの顧客と付き合い続けていますが、これが大問題だと気づいている町工場があまりにも少ないです。
ここでは新規開拓をしない町工場に待っている「人材」と「設備」の老朽化と待っている窮地に関して解説します。
高齢化で職人が辞めるけど、人が取れない
新規開拓をして新しい利益を生む顧客を確保しないと、老朽化を迎え、引退をせざるを得ない職人さんに変わる新しい人材の獲得ができません。
お気づきかとは思いますが、日本は人手不足はピークであり、大企業のメーカーであっても人材獲得に苦戦しており、給与の大幅上昇、待遇改善などあらゆることをして人をかき集めてるほどです。
そんな中で「3K」と言われる町工場が人を集めるのは至難の業です。
仮にどれだけ工場が綺麗、仕事がしやすい、残業がなくても給料は20万円であれば、工場が汚く、残業が多いけど給料は30万円の工場に人は応募してしまいます。
仕事を探す方は基本的に応募先の会社を比較をしますし、その比較の対象は「給料」であり、最低賃金もどんどん上がる中で町工場は他の会社に負けない給与額を提示しない限り、人は絶対に採用できないのです。
新規開拓をしない町工場は応募者が求める給与額を出すために必要な利益が既存取引先1社では確保できず、昔と変わらない安い給料を提示せざるを得なく、誰1人として若手を取ることができず、人が辞めるけど取れない状況から抜け出せません。
町工場は現場に人がいないと、モノは作れませんし、人がどんどん辞めていくと、今までできていた品質や納期が守れず、1社しかいない顧客からクレームを言われ続け、終いには取引縮小という未来も待っているのです。
機械更新ができない
周りの町工場が「自動材料替え付きのファイバーレーザー機」「より高速加工できるマシニングセンター」など新型設備を購入しても、新規開拓をしない町工場は購入に充てられる利益がないので、設備更新できず、競合との差が開くばかりです。
町工場は保有している加工設備でメーカーに提案できる加工も提示する見積金額もある程度決まってしまい、保有している設備が町工場の競争力の源泉です。
しかし、昭和の時代に生まれた加工設備と令和の時代に生まれた最新設備では加工スピードも品質も、設備にかかる電気代も全く異なりますし、最新鋭の設備に昭和の設備は逆立ちしても勝てません。
昭和から続く設備をメンテナンスし、延命することは悪くありませんが、顧客であるメーカーが望む「低単価と高品質」を実現するには最新設備が不可欠であり、町工場は設備導入し続けないと仕事が減る未来は避けられません。
しかし、設備投資をするには利益を購入費用に当てる必要がありますが、新規開拓をしない町工場は、既存設備のメンテナンス費用の捻出で精一杯で最新設備を購入する利益が存在しないのです。
事実として機械更新ができない町工場に待っているのは以下の悲しい現実が待っています。
- 競合他社に見積で勝てず、1社依存先の仕事量が減っていく
- メーカーの求める製品品質が出せず、仕事が取れない
- 売上の根幹を支える製品を内製化される
町工場が仕事を獲得する際に比較されることは必須であり、古い機械を使い続け、最新設備を入れられない設備の老朽化が続くと、新しい仕事はおろか、既存の仕事を失うことにも繋がるのです。
新規開拓なしでは窮地から抜け出せない理由
現状の取引先との関係に満足し、新規開拓をしない限り、町工場は窮地から抜け出すことは不可能です。
新規開拓をしなくてもできるだろうと町工場の方は残念ながら、間違っており、町工場が人と設備の老朽化を止めるためには十分な利益が必要であり、利益の創出には新規開拓が必須です。
ここでは新規開拓なしでは町工場は窮地から抜け出せない理由を解説します。
既存業界では利益確保は不可能
町工場は1社依存をしている取引先や既存業界から人材確保や設備導入をするための利益を確保することは不可能です。
不可能と言い切るその理由は、既存取引先との間で販売価格は昔から確定しており、その過去から決まっている価格を上げることはメーカーからの不信感に繋がるからです。
考えてみてください。1個1000円で提供する製品を人材確保や設備投資のために急に「1500円にします!」なんて既存取引先に言って「いいですよ」と了承するようなメーカーはどこにもおらず、「なぜ今までの価格を急に上げるのか?」「もう取引したくないのか?」とメーカーが思い切り不信感を抱くはずです。
このように町工場は既存取引先と昔から取引をしているため、価格が既に固定で決まっており、上がることはないけど下がることしかない、昔からの見積で加工単価がおおよそ把握されているために既存業界で新しい利益を確保できないのです。
また、日本経済は戦後から右肩下がりに落ちており、比例して、メーカーの出荷数も減少している中で、ただ待っているメーカーから利益率の高い仕事が町工場に降りてくることは決してありません。
せいぜい、落ちてくるのは中国で散々値段を叩かれて、ロットが少ないなどを理由で断れ、国内で生産するしか無くなったやっすい仕事だけです。
このように既存業界ではこれまでの長い関係性や日本経済が低迷し、成長が見込めない背景から新しい利益をもたらすことが不可能であり、既存業界だけと取引しても決して町工場は窮地を抜け出せない理由です。
以下の記事では高利益が欲しい町工場は今すぐに異業界を開拓すべき理由となぜ既存業界では利益が出せないのかを詳しく解説していますので併せてご覧ください。
人材獲得にはお金がかかる
人材不足が進んだ日本国内では人を採用するために必要なコストがどんどん上昇しており、人が集まりにくい町工場に関しては今までの時給や制度で募集をしても人が見向きもしない状況なのです。
2023年10月から全国平均最低賃金は1004円、アルバイトやパートの平均時給は1211円など人件費や人不足が原因で高騰し続けており、人を雇うためにかかるコストはどんどん膨らんでいます。
自社で応募者を集められない場合にエージェントを活用すると1人採用するのに50万〜100万円はくだらない費用を払う必要があるなど、町工場が人材確保するために必要なコストは年を追うごとに跳ね上がっているのが現状です。
つまり、町工場が今まで通りの時給や働く環境を提供しても検討はおろか、誰も町工場の求人を見ることはなく、そもそも応募すら来ない状況であることを理解してください。
そのため、町工場が人を雇うにはこれまで以上にお金がかかり、提示する給与額を増やす、求人広告の枠を増やす、SNSに挑戦するなど追加の手間のお金も必要ですが、新しい仕事なしに増え続ける採用コストに対応するのは不可能なずです。
加えて、採用が仮にできたとしてもせっかく手間とお金をかけて採用した人が1ヶ月も経たずに辞めてしまったなんてことになればかけたお金の全てが無駄になります。
早期離職を防ぐ現場の仕組みや素人でも仕事ができる環境を作るためのコストなど、人を辞めさせない仕組みも作るにはこれまたお金が必要です。
新規開拓しないで「人を採用するコスト」「人を定着させるコスト」の両方を既存取引先からの仕事で捻出できますか?
仕事ありきが出ないと設備を入れられない
設備投資をする際に、町工場は顧客からの指示された仕事をするための設備導入、いわば「仕事ありきの設備導入」は迷いなくできるかと思いますが、顧客から仕事をもらえるか分からない「仕事なしの設備導入」はできないはずです。
町工場の設備導入のパターンは以下の2つです。
- 先行投資型:将来にこの加工が必要と先見の明で設備を早期導入する
- 仕事ありきの導入:メーカーから仕事をいただき、対応するために必要な設備を購入する
大半の町工場は後者のメーカーから仕事の内示を受けた上での「仕事ありきの設備導入」で設備導入するのですが、新規開拓をしないとそもそも新しい仕事に出会えないので、どの設備を購入すればいいか分からないのです。
先行投資型の設備導入は仕事がない中でも将来に必ず需要が来るという期待からの導入であり、リスクはかなり高いですが、需要を見間違わなければ、先行利益を獲得することができます。
しかし、後者の「仕事ありきの導入」は設備導入する前に新しい仕事の情報や図面が必須であり、新規の仕事がなければ設備導入が進まないので、一向に設備を入れられないのです。
昭和の時代は高度経済成長で作らないといけない製品が山ほどあったので町工場はいくらでもメーカーから「これを作りたい」「こんなのをお願いしたい」と待ってれば、声がかかりましたが、今はもう待っていても声はかかりません。
つまり、既存取引先とだけ仕事をしていても設備導入するような仕事を手にすることはできない、設備導入を前提として仕事を手にするには新規開拓が必要というわけです。
町工場が絶対にやっちゃいけない新規開拓の方法
老朽化や窮地から脱したいからと言って、間違った新規開拓の方法をしている町工場があまりにも多過ぎます。
1社依存に課題意識を持っている町工場の経営者や後継の方が一生懸命に新規開拓をしている姿をお見受けしますが、せっかく苦労して時間をかけているのに絶対に成功しない新規開拓をしているのです。
ここでは絶対に町工場がやっちゃいけない新規開拓の方法を解説します。
飛び込み営業
飛び込み絵業は絶対に成果が出ませんし、やるだけ時間な無駄な営業活動です。
「昔はこうやっていたんだ」なんて時代遅れな飛び込み営業を進める方もいますが、令和の時代でアポもなしに来る会社を事務所に入れるようなメーカーはありませんし、何より迷惑です。
飛び込み営業は往復する時間をかけて、メーカーの元に向かい、わずか数秒で断られる1番非効率な営業であり、移動するための時間とガソリン代などの交通費が無駄になります。
そもそも、飛び込み営業という相手の都合を顧みない自分勝手な営業をする町工場に対してメーカーは良い印象をいただきません。
新規開拓は運任せの営業であり、仕事があるかないかも分からないメーカーに何度も訪問して、会えるチャンスに巡り会うような方法なので絶対に成果が出ることはありません。
以下の記事では飛び込み営業をすべきでない理由と飛び込み営業なしでできる新規開拓に関して詳しく解説していますので併せてご覧ください。
フォーム営業
「営業DX」や「営業が自動化できる!」などの謳い文句で多くの町工場が騙されているのが、フォーム営業です。
メーカーのお問い合わせフォームに営業メールを送ることで商談をしようとするのがフォーム営業ですが、確かに電話なしで商談ができるかもしれませんが、この方法で受注できた町工場を見たことなく、高い利用料だけ取られた町工場ばかりです。
フォーム営業をやっても成果が出ない理由は以下の通りです。
- フォームの受信先が購買部ではない
- フォーム営業は大量に届くので無視される
- そもそも購買部まで送信した内容が届かない
フォーム営業は製造業の町工場だけでなく、あらゆる業界の営業ができない企業が行なっており、たくさんのフォーム営業がメーカーに届くようになったので、メーカーも本来の問い合わせとは異なる営業の問い合わせを毛嫌いしています。
要は本当は自社への問い合わせを受け付けたいのに、邪魔営業メールがたくさん来て、本来見るべき問い合わせが見えないため、メーカーは本当に迷惑しているのです。
また、問い合わせフォームの問い合わせを受け付ける部署は購買部でなく、総務部であり、総務部に全く関係ない業務の内容を見ても、すぐにメールを削除されてしまうだけで、購買部に町工場の提案が届くことは決してありません。
そして、1番タチが悪いのが営業自動化ツールと言って、町工場にフォーム営業を売りつけるIT会社で、モノづくりを知らない、図面も読めないのに、「フォーム営業なら大手も取れます!」と嘘をついて、無意味なツールを契約させるのです。
フォーム営業はメーカーに悪い印象を与えるだけの営業方法であり、決して購買部と直接話ができるものではないので絶対に騙されて使わないでください。
商工会議所へ通う
後継の方がよく行なっていること営業方法の1つが、商工会議所に入会し、仕事をもらうために足繁く通うことですが、商工会議所に仕事は1つもありませんし、メーカーと繋いでもらうことも実現しません。
よく考えてください。商工会議所はあくまでも行政機関であり、融資や補助金活用、経営指導に繋がるセミナーを実施するのが目的の組織で、商工会議所がメーカーから図面を預かって仕事を出すような機能は存在しません。
そもそも、商工会議所の中に町工場の現場を理解している人材がどのくらいいるのかも疑問が残る部分で、あなたが熱意を持って会社のことを説明しても実は何のことか分からないけど聞いているかもしれません。
商工会議所に行っても、あなたの会社に合う仕事は1つもありませんし、足繁く通っても決してあなたの町工場のためにメーカーに働きかけてはくれません。
町工場の新規開拓は時間がかかる種まきが必要な仕事であり、たくさんの町工場を抱える商工会議所が1つの企業のために人員を割いて動くことは考えられませんよね。
商工会議所に時間をかけて、訪問するならその時間をメーカーに訪問する時間に変えてみてはいかがでしょうか。
まとめ:窮地を脱したい町工場は今すぐに新規開拓せよ
この記事では新規開拓をしない町工場に待っている人材&設備に関わる最悪の窮地に関して解説をしてきましたが、昔からのメーカーとの付き合いに依存する町工場は間違いなく、窮地に立たされる未来が待っています。
メーカーから仕事が来ているから新しいことをする必要はないと考えている町工場様は本当に危険です。
町工場における「人材」も「設備」も消耗品であり、時間と共にどんどん劣化していくので、適切なタイミングで新しい人材、設備を導入しないとどんどん会社が老朽化します。
この「人材」と「設備」の老朽化を防ぐためには利益が絶対に必要であり、会社を回すための仕事に代わる、新しい取引先で新しい利益が必要なのです。
新規開拓をこれまでしてこなかった町工場さん!今すぐに動き出して、1社依存から抜け出す、会社の老朽化を防ぐ利益の確保につながる行動を起こしましょう。
とはいえ、今まで営業活動をしたことがない町工場の方が異業界を開拓するのはとても難しいはずです。
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